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48. 今年こそは運動続けたい気持ちを高める映画3選

年間100本映画を観ることを自らに課して10年目のわたくしが、映画初心者のために「なりたい気持ちで映画セレクト」する企画、THREE FOR YOU。今日のお題は、体重だけがC判定で腹囲の気になるRさんから、今このタイミングで見た方がいいお題をいただきました。

今年こそは運動習慣を!と考えてもう何年も経ちますが、習慣化されたものは何もありません。気合の問題だろ!というツッコミをなんとか飲み込んでもらって、映画でなんとかなりませんかね。おすすめ映画あったら教えてください。

わかりみの深いお題です。運動に限らず、年始マジックが早くも溶け始めるこのタイミングで、自分の「その気」をどうにか維持する為にも、気持ちの深いところにグッと来させる映画がないか。3本選んでみました。

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百円の恋 

2014年公開
監督:武正晴
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百円の恋

実家にパラサイトする32歳の一子が、家族と喧嘩し家を出るハメに陥り、通りすがりのボクシングジムで見かけた男性に惚れて自分もボクサーになっていくお話。自堕落極まりない一子の、最初はぐにゃぐにゃで体幹もへったくれもないパンチが、ひたすらなトレーニングをへて見違えるキレになっていくサマが、見ていて「人は変われる!」という思いを呼び起こす。試合結果ももちろん固唾を飲むのだけど、それ以上にやっぱりこの「変貌」がこの映画の白眉。この映画から感じる「運動続けたい気持ち」は、”きっかけはノリや勢いや、邪さの方がいい”ということ。モチベーションの源泉に嘘をつかない方が、物事は長続きする。「立派な人間になる!」とか、あやふやで嘘くさい源泉は、それ自体は折れるとどうしよもない。モテたいとか、振り向いて欲しい人がいるとか、そういう嘘のない動機を根っこに置いてみることから始めるのが、続ける秘訣だと思うのです。

舟を編む

2013年公開
監督:石井裕也
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舟を編む

ある出版社の辞書編纂部の15年にわたる辞書作りの物語。単語を一つ一つ、世の中を見渡して拾い紡ぎながら、毎日毎日を年輪のように積み重ねていく、その途方もなさだけを考えると苦行のように感じるけど、よく考えると僕自身、今の職業についてもう13年経つわけで。なぜそれでも飽きずに続けられるているのかを考えると、行為の本質は変わらずとも、日々ちゃんと変化があるからだと思うのです。その日々の変化に目を向けられるか、それとも「変わらない毎日だ」と飽き飽きしてしまうかは、案外、真面目かどうかが問題なのではなくて、「面白がり上手かどうか」という、ある種のおふざけスピリッツの問題なんじゃないかと。主人公の馬締君は、マジメではありますがその辺の、面白がり方が独特で、辞書編纂と相性がよかったのでしょうね。この映画から感じる「運動続けたい気持ち」は、”日々の小さな変化を面白がるべし”ということ。途方もない先の目標と、日々の小さな面白さ。両方とも必要なんだけど、どうしてもどっちかに意識がとらわれがち。長く続くための秘訣な気がします。

ノーマ東京 世界一のレストランが東京にやってきた

2016年公開
監督 : モーリス・デッカーズ
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ノーマ


世界一のレストラン、ノーマが期間限定で東京に出店したときの紆余曲折に密着したドキュメンタリー映画。まず、これはチームの理想のあり方についてめちゃめちゃ勉強になった映画。リーダーシップはシンプルに。大事なことは何度でも繰り返しいう。妥協はしない。本質がブレるような目先の情けはかけない。リーダーのレネの発言は中々えぐいけど、圧倒的な「見えてる」感がかっこいい。あと「エスノグラフィはすべての基本」っていうのも興味深くて、何しろ現地に出向いて、自分の舌で食材を試食していくその姿勢は、手間暇を惜しまないプロの姿勢だなあと。運動習慣につながるポイントはこれらのベースをおろそかにしないでたとえ異国の地での日々でも基本を守るということからなんですが、それよりも直接的に、要所要所に「朝ジムでめっちゃトレーニングしているシーン」が入ってくるからなんです。みなさんめちゃくちゃ鍛えていて、やっぱりどんなプロフェッショナルでも体は資本なのだなと痛感させられます。この映画から感じる「運動続けたい気持ち」は、”体力が大事!って心から思える別の目標を立てよ”ということ。サムネイルにある「甘エビにアリ」みたいなクリエーティブジャンプを支える土台には日々の筋トレがあるわけで、逆にいえばそれは、「成し遂げたいジャンプがあれば、運動も続けられる」ということ。僕も子供が生まれて日々奴の荷重が上がっっていくことを二の腕に感じるたびに、これは体力勝負だ・・・と思うわけで。そういう動機をまずは探して、設定してみてはいかがでしょうか。

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こうして3本、思い出してみると、共通しているのは「とにかく考えないで早く着手する」っていうことかもしれない。「なぜ運動すべきか」「いかにして運動するか」とか、前置きが左脳偏重だと、やらない理由とか見送る理由も、同じ強さの左脳で考えられちゃう。最強のロジックはノーロジックってことは世の中ままあるわけで、運動については、いいからとっととランニングシューズ履いてしまえという世界線だと感じることもあります。「だってそういうものでしょ?」という状態までいかに持っていくか。そこまでは、邪さや日々の小さな変化を喜ぶ気持ち、そのさきの大きな目標と、いろんな人参をうまくぶら下げて、今年はなんとか僕も1000km走破を目指そうと思ってます。なのでともにBMI下げましょう!こんな3本、是非是非ご覧くださいませ。

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吉田将英 / 関係性をデザインする
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