映画「教育と愛国」を観た

映画「教育と愛国」
https://www.mbs.jp/kyoiku-aikoku/

十三の第七藝術劇場にて鑑賞した。
ネタバレはしないよう気をつけながらレビュー書こうと思う。関係者のインタビューや発言をただ淡々と綴った映画だ。唯一の救いは井浦新さんのナレーションの声であった。

正直、ここまで政治が教育に入り込んでいるとは思わなかった。もし私に子供が居たらどうするだろう?
こんな学校なら行かなくていいと思うのだろうな。
子供を持たないと決めたのは高校を卒業した頃だった。その時私はこの国に、この世界に絶望していた。こんな世界に生まれる子供は可哀想だと思い、自分の子供をそんな世界に残すのが嫌だった。
この映画を見て残念ながら、その選択は正しかったと思った。

いろんな歴史上の出来事は事実は一つだがどの方向から見るか、どういう世界観で見るかによって如何様にも見えるだろう。しかももはや関係者も当事者もすでに居なくなっていることについての解釈なんて、これこそが正しいなんてものはないんじゃないかと思う。それを研究するのが学者というものであろうが、その中でも人によってお互い全く逆の見かたをする。そのどちらを選ぶかを国というか政治家が決めて、その反対の考えを封殺していく。そんな事があっていいものだろうか。
この映画は、本当に怖いホラー映画だ。しかもフィクションではない。

ここ二年くらい、つまりコロナ禍とか言われ出してから、今まで漠然とモヤモヤと感じていたことが何なのか私の中ではっきりしてきた。
私たちはずっと小さい時から、比べられ、競争させられてきた。勝つことがよい、負けることがよくない。
あれが正しい、これが間違っている。
強いほうがよくて、大きい方がよくて、たくさんある方がよい。
弱い、小さい、少ない、は、いつも負け組だ。

教育のおかげで(せいで)ありとあらゆる場にその価値観がこびりついている。
みんな、正しい方に居たい、強い側に付きたい、大きいのがいい、たくさんある方が勝ち、と思っている、いや思い込まされているのだろう。様々なイス取りゲームに明け暮れて、なんとかはみ出さないようにと必死なのだ。
今日映画を見終わって圧倒されて呆然としていたら、あ!と閃いて気付いたことがあった。
今の日本はあらゆるところにとてつもなく大きなダブルバインドが仕掛けられている。
民主主義国家で、あなた達は自由だ、と言われているのに、自由にすることが出来ない
憲法で様々なことが保障されているはずなのに、全くそんなことはない。
こんな中で周りの言う事聞いて生きていると、精神を病んでしまうんだと思った。

もう日本は私の血の中と心の中にあればいいかな。

#教育と愛国

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seiko nakagawa
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