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西岡まほ
2017年12月15日 17:16
予定より遅く目が覚めたところまではいつもの朝だった。時計の針を見て、慌てて支度をする。携帯に次々と届くメッセージに目を通す間もなく家を飛び出し、大学へ向かった。いつもと違うのは私がワンピースを着ていることと、その日が卒業式だということだけだった。「遅いよ、みんな待ってたんだよ」笑いながら肩を叩く学友たちにごめんごめんと謝りながら写真を撮る。次はあっちで、今度はこっちで。いつもの校舎前で皆が集