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西岡まほ
2019年11月27日 22:06
「一緒に東京行こうよ」高校2年生の球技大会だった。グラウンドの隅に生えた雑草を触りながら、17歳の彼女は事もなげに言った。その勢いに気圧され、気づけば私は頷いていた。その1年後、私は彼女の背中を追うように同じ大学へ進み、東京へ移った。彼女はアナウンサーになりたいと言ったり、演劇サークルに入ったり、専門学校に通ったり、個展を開いたりと忙しくしていた。自由奔放で寂しがりやな彼女は、高円寺の器の