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【成長】先生は何かすごい魔法を使ったわけじゃないということ。
支援学級に通う次男しんちゃん。
あと少しで4年生が終わります。
『一斉休校』という異例の始まりだった4月。
いつもと違う、が苦手な発達凸凹ちゃんにとっては、イレギュラー続きの前期は大変だったと思う。
低学年の頃はよく脱走して、
先生方総出でしんちゃんを探してくれた。
運動会では、
先生に引きづられながら
泣きじゃくるしんちゃんの姿は、
毎年の名物でもあった。
でも、
4年生でしんちゃんは、
別人になった。
普通級の子どもたちの中にいても、落ち着いて座っているから、見つけられないのだ。
先生たちは、
どんな魔法を使ったのでしょうか?
最後の個人面談でのこと
個人面談で褒められることは、少ない。
でも4年生最後の面談は、
本当に褒められました。
『しんじさん、
座って学習できるようになったんです!』と。
足し算もできるようになったのは、本当にびっくりした。
計算ブロックを使って、自分で最後までやったそうです。
こちらは2年生ぐらいの時のプリント。
1時間でこれ1枚でどっと疲れてたらしい。
変化は夏休み
大きな変化は、夏休みが終わった頃。
秋の運動会、
普通級の子たちに混ざって、
ダンスしてた。
いつでもどこにいても、1人だけ違う動きをしていたり、先生がぴったりくっついているからすぐ見つけられるんだけど、
しんちゃんが、馴染みすぎて見つからないという、衝撃。
一度だけあった授業参観も、
初めて授業を参観できた。
いつも私たちを見つけると、ピッタリくっついて離れないから、授業を受けている様子なんか見たことなかった。
「母子分離できてないのでは?」と言われて、ちょっと傷ついたこともある。
えんぴつも毎日減ってたし、
私が学校に呼び出されることや、
先生から電話がかかってくることも、
ずいぶん減った。
(ゼロではないけどさ)
今年の支援学級の先生方3人が口を揃えて言うのが、
『あのしんちゃんが、
本当にこの1年で変わったんです』
先生は何をした?
他の親御さんからみたら、先生方がしんちゃんにどんな魔法をかけたのか?と思うかもしれない。
先生方は、何かすごい魔法を使ったわけでも、何か新しい手法を生み出して落ち着かせたわけでもない。
ただ、
しんちゃんの可能性を信じてくれただけ。
しんちゃんの気持ちを聞いてくれただけ。
しんちゃんの意思を尊重してれただけ。
良いところを見つけて、
そこが伸びるような仕事を与えて、自信を持たせてくれた。
大きな成果を求めず、小さな「できた」を積み重ねられるようにしてくれた。
その様子は毎日の連絡帳から、わかりました。
『しんちゃんに聞いてみました』
『しんちゃんに“どうしたい?”と聞くと、“○○”と言ったのでその気持ちを尊重しました』
どんな高いハードルもそのうち、
「しんちゃんの方からやりたいと言いました」「行きたいと言いました」「自分で時間を決めて最後までやりました」
という報告に変わっていくのです。
一瞬で変らせる魔法なんかじゃない。
先生方が諦めずに最後まで向き合ってくれただけ。
言葉で伝えられないたくさんのこと
言葉で自分の思いを上手に表現できないしんちゃんは、
泣いたり逃げ出したり、お友達を叩くことでしか「嫌だ」という表現ができません。
その「嫌だ」の奥にある理由を、相手に伝わるように説明することもできません。
でも本当は、
誰よりも「できるようになりたい」って思っている。
「小さなできた」の積み重ねが、しんちゃんにとっての「大きな自信」に繋がった。
先生たちが信じてくれたから、しんちゃんも大人を信頼した。
しんちゃんとの毎日は、本当に大変だったと思います。
本当にありがとうございます。
信じて待ってくださって、ありがとうございます。
毎日5年生になるのを、カレンダーを指差しながら、楽しみにしていますよ。