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将棋名人・森内俊之 プロ雀士・土田浩翔 新春特別対談①

※本記事は麻雀界13号に掲載されたものです。

森内俊之
1970年生まれ、神奈川県出身。 日本将棋連盟第69期名人。 名人位6期在位のほか、竜王、棋王などのタイトルも獲得。「鋼鉄の受け」と呼ばれる強靱な受けに絶対の自信を持ち、順位戦では驚異的な勝率を誇る。
土田浩翔
1959年生まれ、大阪府出身。 最高位戦日本プロ麻雀協会所属。 鳳凰位、王位、最強位、十段位、プログランプリなど獲得タイトル多数。独自の戦法土田システムを操り、「トイツの貴公子」の異名を取る。

頂点に立つプロたちの思考とは?

──それでは、よろしくお願いします。
 まず、麻雀界では、麻雀を将棋と比較されることが多いのですが、私は、実際にはかなり違うものだと思っております。
 麻雀の場合は、偶然に左右される部分が非常に大きいと思うのですが、たとえばその中で、何が正しい打ち方なのかという議論がよくされています。そのなかで土田プロは、一般の麻雀ファンの固定概念を覆すような考え方で結果を出しています。そう考えると、一般的な打ち手には見えていない何かが、土田プロには見えているのではないかと思うことがあります。
 逆に将棋の場合は、全ての情報は盤上にありますから、勝ち負けは運に左右されない読みの力の勝負だと思うのですが、それでも、何か直感的なもので判断することもあるのかなと思うこともあります。
 そういう点では、最終的には似てくる部分があるのかなと思っています。
 勝手な想像ですが、一流の勝負の世界にいる人たちは、競技や種目が違っても、技術を超えた何かしらの共通点を持っており、それで結果を出していると思っています。その部分が少しでも読者に伝わればとこの対談を企画しました。もちろん、結果的に違っていてもいいのですが…。
 まず、森内名人は麻雀についてどういうイメージをお持ちですか。

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