将棋名人・森内俊之 プロ雀士・土田浩翔 新春特別対談⑤

※本記事は麻雀界17号に掲載されたものです。

好調・不調時の処し方

麻雀は普段の人間関係も大事になってくる

土田:4人の中の二人が優勝争いをしているという局面は、非常に難しいですね。
 これは麻雀観、哲学になってくるかと思いますが、先ほど例に出した人は、実は日頃から、そういう邪魔を絶対にしてはいけないと言っている人なのです。やはり、そういう人がやってはいけないと思います。
 人間て怖いなと思いますね。特に麻雀は、そういう人間性が出やすいので。
 例えば、親でホンイツをやっているなと思った時に、自由に東を鳴かせることができます。アガられたくない時には鳴かせませんが、アガらせたい時には切ればいい、そういう恐ろしいゲームなのです。
 アガらせるまではいかなくても、鳴かせるだけでも十分な援護射撃になるので、公正に打つのが難しいというところが多分にありますね。

──将棋は盤面に集中することが最大の目的だと思いますが、麻雀の場合は顔色を伺うことも大切だということですね。

土田:普段の人間関係の作り方も大事かなと、麻雀の場合は感じますね。
 嫌われている人はやはり、タイトルを取りにくいということがあります。

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