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斉藤勝久の「麻雀バカ一代」記 第3章
不穏な噂
「おはようございます。斉藤主任」
その声は朝から元気に麻雀屋に響き渡る。
俺は10時出勤。15分前に店に到着する。普段は俺が早番の中で1番乗りなのだが、本日は違った。すでにやる気満々で制服に着替え、意気揚々と牌掃をしている人がいた。
「主任!自分はまだ新人なので、遅番からのレジの引き継ぎのチェックお願いします。卓掃と牌掃は自分がしますから。そうそう、フロアの掃除掛けと階段掃除は
斉藤勝久の「麻雀バカ一代」記 第2章
第二章
麻雀屋で遊んでいれば一期一会の出会いは当然だが、不思議と気の合う連中との腐れ縁も生まれる。それが一生を通じて悪友となるか良友となるかは、時間が答えを出してくれる。
腐れ縁のはじまり
その日も俺は学校へは出向かず、足はいつもの雀屋に向かっていた。店に入ると、馴染みの連中と言ったら失礼だが、常連のお客さんがすでに卓を立てていた。メンバーはワン入り。待合では俺の見知らぬ顔がコーヒー片手に
斉藤勝久の「麻雀バカ一代」記!
悪友の誘惑「おい!かっちゃん、一発さ、勝負しに行こうよ」
アン君がいきなり俺を誘った。二人共に持ち合わせがないはずだが...と、その誘いに疑問を感じた。
「俺は青札1枚しかないよ。それに、これであと5日間過ごさないと...」
こいつはいつもこうだ。人の生活の事なんか考えてはいない。食いもんは実家から仕送りと一緒に送られてきていた。だから5日くらいは腹を空かさないで過ごせるだろう。そ