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【雀荘】アウトオーバーしたメンバーの末路

※本記事は約9年前に他のブログで書いた内容を面倒くさいので一切加筆訂正せずに適当に分割/統合してそのままコピペしたものです。シリーズで何話か続きます。昔に書いた昔話なので現在の状況と一致していない部分もありますが面倒くさいので修正せずに載せてます。

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メンバーアウト

今日はメンバーアウトについて書きたいと思います。

メンバーアウトとは簡単に言うとメンバーの麻雀の成績ですね。

メンバーが麻雀を打つ(「本走」と言います)際、ゲーム代や清算でお金が必要になるのですが、大抵のお店では、そのお金はメンバーの財布からではなく、お店のお金でやりとりします(一時的にお店が立て替えて、1ヶ月分のトータル金額を給料から引く形です)。

といっても毎ゲームごとにレジからお金を出すのではなく、出勤時に5千円とか1万円をメンバーに渡して(「アウトをきる」と言います)、そのお金で1日麻雀を打ってもらい、退勤時に残ったお金をレジに戻す(入金する)というやり方をします。

最初に渡したお金が負けて無くなってしまった場合でも心配しなくて大丈夫。いくらでも追加でレジからお金を出してくれます(メンバーが「アウト下さい」とか「おかわり下さい」とか言ってるのがそれです)。

そして、アウトを切った額から入金した額を引いた値をその日の負け(勝ち)分として、メンバーアウト帳というノート(表の場合もあります)に記録します。

勝ち負けの金額だけを付けるところや打数や着順まですべて付けるところなど付け方はさまざまですね。ま、ゲームバックがある店なら打数を記録するのは当然ですけど。

メンバーアウト帳(表)を見ればその店のメンバーの麻雀の成績が一目で分かるようなシステムになっているのです。

なぜ、メンバーの自腹ではなく一時的にお店が立て替えるシステムなのかと言うと、最大の理由は「お金の無いメンバーがいるから(しかも多数)」という事になるのでしょうが、もう1つの理由として「それぞれのメンバーがどれくらい負けているのかを経営者や管理者が把握できるようにする為」というのがあります。

特定の人だけいっぱい負けてしまうという事態を避ける為ですね。成績を管理しておけばいっぱい負けてる人はなるべく打たないようにして、ちゃんと給料が残る様に調節する事ができます。

ここで言う、給料を残るようにというのは決してメンバーの為を思っての事だけではありません。

一生懸命働いても麻雀で負けて給料が無くなってしまうとなれば、すぐに辞めてしまうのが通常です。メンバーが辞めるとまた募集しなくてはならなくなりますが、求人広告を出すのにもお金がかかりますし、新しいメンバーが入るまでは一時的に人手不足となり売上ダウンにもつながります(メンバーが足りないと稼働卓数を増やせない為)。

という事で、メンバーが辞めたくなるほど負けさせないようにするのが狙いです(別名「飼い殺し」と言います)。

といっても、給料以上負けてしまうという事もよくあります。お客様が1人でメンバーが3人しかいないとか、打たない訳にはいかない状況というのが頻繁に現れますからね。

給料以上負けてしまう事を、「アウトオーバー」と言います。アウトオーバーしたメンバーがどうなるのかはまた別の機会にでも書きたいと思います。

アウト管理が必要のない店とか本走の優先順位をアウト基準で決めていない店ではメンバーが自腹で打ってるところもあります。

結局、給料日に一気に引かれるか毎日少しずつ払うかの違いだけですからね。

因みに、「アウト=出る」というマイナスする事が前提のネーミングというのが、メンバーというものは大抵麻雀でマイナスするということをいかにも物語っていますね(メンバー時代、「アウト帳」だとゲンが悪いから「イン帳」にしてくれとお願いした事があります)。


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アウトオーバーしたメンバーの末路


メンバーの末路なんてタイトルはちょっと大げさですが、今回はアウトオーバーしたメンバーはどうなってしまうのか?という件について書きたいと思います。


と言っても、別にどうにもならないのですけどね。


オーバー分を返す為にサラ金でお金を借りさせられたりとか、腎臓や角膜を売られたりとか、地下帝国で強制労働させられるといった事は一切ありません。


翌月からも普通にその店で働いてもらいます。但し、オーバー分は繰り越しとなり、翌月は月初めから赤字を背負った状況でスタートとなります。


前月のメンバーアウトが給料より5万円オーバーしていたとしたら、次の月は1日からメンバーアウトマイナス5万円スタートという事ですね。


もちろん、貯金があればマイナス分を埋めても結構ですが、そんなことするメンバーは1人もいません。というかアウトオーバーしてしまうような人達は埋める貯金なんてありはしないのです。


そして、皆さんお察しかと思われますがひと月で例えば5万円オーバーするという事は次の月も同じく5万円オーバーする可能性があるという事です。


なので、2ヶ月目では更に悪化して5+5で10万円オーバーの状態からスタートというはめになります。


アウトオーバーしている人はなるべく打たせないように調整するというのは前回の記事にも書きましたが、やはりどうしても打たなければならない状況と言うのも数多くでてきてしまいます。また、オーバーしている人の打数を減らすという事は、他のメンバーの打数を増やすという事に繋がり、それまで無事だった人もオーバーしてしまうという状況に陥ります。


同じ番にオーバーしている人が複数いると、全員を守るという事はなかなか出来ません。結局、オーバーしている人も普通に打たなきゃならないといった状況もよく見かけます。


という事でアウトオーバーする人は、毎月その額を順調に少しずつ増やしていき、オーバーがある程度の金額(30万~50万くらい)に達したら突然いなくなる(業界用語で「飛ぶ」と言います)といった結末となります。


飛ぶ際に、行がけの駄賃で店の金庫からレジ金や売上金を盗んだり、同僚の財布を盗んで行ったりといった行為もよく見かけます(盗んでないのに盗まれたことにしてその番の責任者がレジ金をくすね、飛んだ(元)メンバーに責任をなすりつけたりすることもよくあります。こういうことやるのは大体主任クラス)。


アウトオーバー(=借金)したままのメンバーに逃げられるというのは、経営者からみると損の様にもみえますが、どうせそれまでただ働き同然の扱いをしていたので、それほどの損害とは感じていないようです。


飛んだメンバーがどうなるのかというと、似たような営業形態の雀荘が全国には沢山あるので違う店に行ってまた1からやり直しですね(「アウトオーバー→飛ぶ」のエンドレス)。


でも、最近はこういった事が許されるお店もだいぶ少なくなってきているんじゃないでしょうか。低レートの店も増えてオーバーするほど負けるという事も無くなってきているだろうし、大手チェーン店の勢いに押されて個人経営のお店も潰れてしまったり、人員削減したりしているところが多いと思います。


アウトオーバーしているメンバーが給料も無いのにどうやって生活しているかについては、また次回にでも書きたいと思います。で~は~。

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