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ボードゲーム 盆暮れ正月両彼岸 デザイナーズノート


お墓参りトリックテイキング『盆暮れ正月両彼岸』は、ゲーマーズゲームなカードゲームです。
そんなカードゲームをどんな気持ちで作ったのかを書き残しておきます。
言ってみれば宣伝です。↓リンク先(CAMPFIRE)で、詳細がチェックできます。トリテなのですが、大丈夫。遊べます。楽しいです。パーティを求めている方は、なにも考えなくてもカード出せばいいのですし。勝ちたい!負けたい!をちゃんと考えて遊べるようになっています。

東京ビックサイトの西館:ゲームマーケット東京4/10・11(土日)オー32にて、¥2500-のイベント価格で頒布します。よかったらお越しください!
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そして、たぶん、ひとりでゲームを作りたい!という方は、まったく参考にならないと思います。なんでかというとぼくがボードゲームを作れているのは、ゲーミフィジャパンさんという編集者さんがいるからですので...。

【はじまり】ふと思いつく:花を出す、お墓参り

お寺や仏教をテーマにしたボードゲーム、カードゲームを2015年から作り続けている。金額が高くなって、安くなって、浄土双六も取り扱い、そもそもの目的として「配れる無料のもの」もつくり、コロナ禍になってリメイクもした。

アウトプットの機会を得ないとインプットができないだめな人間だから、一年一作品というのは自身にとって良い機会であった。

今年つくったら、次どうしようと考えるのは、つくるひとの常である。住職が日本語の法要やお寺からのお便りを作り続けているように。わたしもその道を歩んでいる。ボードゲームを手に。

さて今年はどうしようかと考えた。考えていた。考え続け、遊んでいるなかで、トリックテイキングとストーリーの相性に気づいた。「お墓参り」をテーマにカードゲームを作ろう。

コロナ禍となりお墓参りにいらっしゃる方も減ったように思う。公共交通機関を利用しての墓参者は減り、車や徒歩の方は変わらずだった。

たくさんのお墓参りがなされると墓地はほんとうにきれいで、色とりどりの花が墓地の花立てに並ぶ。お墓掃除をしているなか、唐突に思った。

「あれ?もしかしてトリックテイキングにできるんじゃないか」

思っちゃったんだから仕方がない。できるかどうか頭で考えてみる。とりあえず頭で作ってみる。
トリックテイキングというのは、「ミニゲーム(トリック)をとる(テイキング)」こと+勝利条件、なカードゲームだと認識している。

カードに掲載されているものはなんだろうか?花か。
スート(トランプでいうダイヤとか)はなんだろうか。通常はカラーだ、そうか、花の色がある。色だけでいいか?緑色のシキミ、緑のバラもあれば赤のバラもある。ふむふむ、スート概念を「スート1:花の種類」「スート2:花のカラー」2種類にできそうじゃないか。
数字はなんだろうか。花びらの豪華さ?いや、花の量かな?数字が大きいとイラストの変化もあったりしたら素敵かもしれない。

このままでは、スートが2種類になるだけで、まだふつうのトリテと違いがないような気がする。
プレイ感か。通常のトリックテイキングだと、手番がきて手札からカードを出す枚数は1枚だが、複数枚にするとかどうだろうか。カードを出すときに、花束にできる、みたいな。
出したお花は枯れて撤去されるから、場から流れる…いいかもしれない。途中で花屋さんに行って補充できる。故人の好きだった花(親が出したスート2種類)を、カードを出すたびに縛りを強くできるとか。読経カードは切り札とか。うんうん。
何回ミニゲームをするかといえば、お墓参りのタイミング分かな。5回とか(盆、暮れ、正月と、春秋のお彼岸)。手札の数はそれで。

ということで、紙でつくってみた。ひとりでちょっとやってみる。

あと「ストーリー」とか、「このカードゲームでお坊さんとしてぼくが推したいところはなにか」をある程度リストアップしておく。→これが重要

紙で作って、ひとりで遊んでみる。さて、どうなるかというと...。
だめなんです笑。ルールの矛盾があるのはしかたないが、なんかおかしい

【製作協力ゲーミフィジャパン】いつものように相談する

ゲーミフィジャパンさまと一緒にボードゲームを作り続けている。よき理解者であり、パートナーだ。なにをしてくれるのか。仕事は、いってみれば編集者。
ゲームマーケットでエリア出展あるじゃないですか。あれのなかの、何も売っていない、よくわからない場所、あそこです。


たいがい、とあるタイミングで相談をするんです。

「お墓参りをカードゲームにしたいんですよね。」

「なんでお墓参りなんですか?」「なんで今なんですか?」「お墓参りをするとどうなるんですか」「お墓参りってそもそも何をするんですか」「お墓を扱うのに、なんでお墓参りなんですか」「お墓参りのどこかどうあれなんですか」「墓じまいはゲームにしないんですか」「だれに遊んでもらうんですか?もうすでにお墓参りしてる人に、もっと墓参するようにしたいのか、したことがないゼロの人を1に動かすのか」「」

といったところで、花のものを見せて、そこから「いいですね!」でバババとアイデアが出てくる。ほぼ完成。

・(故人)キャラクターがスート
・カードが(故人への)オモイ
・数字がオモイの大小
・お墓参りをしなければならない=持っているならば出さなければならない:親が出したキャラクターをマストフォロー
・「もう今年はおばあちゃんにお墓参りいったでしょ!」同じ人とか、同じお墓にいけない、とかもあるかもしれませんね。
・亡くなった方についてしゃべるのは、ルールとしていれておいて、長かったら飛ばしてもいいよ、にしましょう
・ラウンド/ミニゲームの数が盆暮れ正月両彼岸なら、それぞれに特色があるかもしれないですね。言いたいこともあるじゃないですか。(トリテって人数分ゲームを繰り返すとかあるじゃないですか。途中でわからなくなるんですよね。わかりやすくしましょう。カード全部つかったら終わりにしましょう。)
・キャラクターがお墓にはいっているなら、場所・地域が違うんですかね。それのせいで〇〇とかやりたいですし。2つだとあれだから、3つですかね。
・お墓には一人しか入ってないわけじゃないですよね。二人とか入ってるなら、一緒に手を合わせるとなにかがあるとか、面白いかもしれませんね。
・おぼうさんが切り札はいいですね。オモイが枯れててもお坊さんは出せる。おぼうさんのリードスート時は「大法要をした」感もありますね。
・めいわくなおじさんは取っちゃいけないか、逆に行かないといけないとか。かつ枚数少なくしよう。
・プレイ人数によって枚数変わりますよね。「おじさん」は影がうすいから、存在感がなくて、3人プレイだとカードを抜く、とか。
・じゃあおじいちゃんはたばこで、子どもは数字がそもそも大きくてお菓子とか。トータルの枚数に差があるのは、先祖・祖霊へのオモイがあったりなかったりに反映されてる感ありますね。
・お墓のところに人間カードを置くとして、この方が亡くなりましたので、このラウンドから2年経ったら(1年●ラウンドx2年分)3回忌だから、ゲーム終了です。
・オモイ(数字)にバラつきはありますよね。みんなから思われていない方も残念ながらいたりするし、高い人は高いところから始まるし。
・勝利条件はなぞですが...

以上、ほぼ完成

というわけで、ほぼ、いまの形まで、できました。

いや、ほんと、そうなんです。ごめんなさい…なにも参考にならないかもしれません。
ただ唯一参考にしていただけると思うのが、以下4点です。

・普段から、どのようなものを作ろうかなと考えながら、遊んでいる
・普段から、どのようなものを作ろうかなと考え、言語化する習慣がある
・一緒につくる仲間がいる
・テストプレイしてくれる仲間がいる

そのあとは、ゲームシステムを考えながら、テストプレイでバランスを調整していきます。
わたしの場合は、お寺や仏教ありきなので、製作するボードゲームのテーマに縛りがあります。制限ではありますが、その分、自由になれるところがあるかもしれません。
また、おもしろいプレイ感とか、こうなるとこう...というルールからゲーム作りが始まっていません。必ずストーリーや場面がスタート地点なんですね。
なので、実際問題、ゲームバランスがめちゃくちゃでもいいんです。「現実は、こういうものだ(と私が認識している)から」ということで、あるキャラクターが強くて、他は弱いとかありえるのですね。
“ぼくのかんがえたさいきょうのぶっきょう”をボードゲーム・カードゲームで表現しているともいえます。
(もちろん、完全にバランスがだめというわけではありませんが...テストプレイは欠かせません。ブラインドとかも)

システムを考えるとか、コンセプトを決める、とかは、常に考えていますが。いますが、論理立てて考えるというか、直感→あとから理論武装するイメージ。ガチャっとはめては壊して、パートナーと一緒にお話をすることで壊してはガチャッとするのです。

全然参考にならないと思うので、そのあたりについては、下記にあるような他の方を参考にしてください。

【イラスト担当】前川ユウさん、三上鮎子さん

大事なのが絵です。見た目大事なんです。巨乳のアニメ絵にするのもひとつです。

箱のイラストは、WAになって語ろう新版のときのように、前川ユウさんにお願いすると決めていました。
コロナ禍で、家族で遊んでもらうことを想定して、やわらかいイメージにしたかったのです。
そして、コミュニケーションはしてほしいと思っていて。ただ何についてコミュニケーションするのか、と。コミュニケーションカードゲームではない形を考えていました。
コミュニケーションの目的は、切り分けとしては、以下でした。

WAになって語ろう新版:生きている人同士の語りを、記憶に残し続けていく
2021新作:亡くなられた方について触れる

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世界線を同じくすることも考えて、↑に出てくるお坊さんに、2021新作にも登場願いました。
コミュニケーションカードゲームも面白いんですけど、そうじゃないタイプで語らせるものがなかったので、そこも挑戦したいなと。

そして、前川ユウさんとの打ち合わせでも、また面談のように、相談をすることに。笑
「この箱を見て、どんな気持ちになってほしい?」「遊んだら、どんな気持ちになる?」「どんな方向性だと違うイメージ?」「タイトルは?」「サイズは?」「」

いきなりガワ(コンポーネントにつかうもの、色味)にいくというよりは、ひたすら本心・核心について触れていく。ゲーミフィジャパンさんも、前川ユウさんも。

たしかに考えてみれば、ソトヅラって、ぼくの思い込みだから、もっといい表現があるはずだし、そこに引きずられないことが求められるんですよね...。そこが大事なわけで。
これが「コンセプト」ということなんだと思います。テーマだけでは薄いのかもしれない。
「コンセプト」がしっかりしてれば、「あーコンセプトに合わないよね」と判断できますから。言語化しておいたり、場面を共有しておくのがよさそうです。

ということで、前川ユウさんには箱のイラストをお願いして。そのままカードの裏面にも使えるかなーとムフムフしつつ(結局今回はつかわないんだけども)。

プレイカードは、各スート(キャラクター)の人物ではない形にしました。故人を偲ぶ、ということをするならば、遊んでいる人が"掲載されているキャラの見た目"にひきずられないようにと考えました。
人じゃない、じゃあどうしよう。お供え物にしよう、とイラストレーターさまを探して、三上鮎子さんにお声がけをしました。素敵です!!!!!!!!!!!

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クラウドファンディングCAMPFIREで無事目標金額を達成!感謝です!

ということで、

・(秋のお彼岸からモヤモヤ考えていて)
・12月あたまに急にハッと気付いて
・2020年12月中旬にゲーミフィジャパンさんに相談して、イラストレーターさんにもお声がけして
クラウドファンディングCAMPFIREさまにプロジェクト掲載のお願いをしたのが2021年1月13日

怒涛(?)の動きです。プロジェクトページにて、先行予約を受け付けました。おかげさまで多くの方にご支援たまわりました。ありがとうございました。

東京ビックサイトの西館:ゲームマーケット東京4/10・11(土日)オー32にて、¥2500-のイベント価格で頒布します。よかったらお越しください!
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向井真人 Mahito Mukai
南無帰依仏 南無帰依法 南無帰依僧 帰依仏無上尊 帰依法離欲尊 帰依僧和合尊 帰依仏竟 帰依法竟 帰依僧竟 如来至真等正覚 是我大師我今帰依 従今以往称仏為師 更不帰依邪魔外道 慈愍故 慈愍故 大慈愍故

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