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2021年11月の記事一覧
マシーナリーとも子EX 〜高円寺の高Tier銃篇〜
「あははははははっ。ウヒッ! ウヒヒヒヒヒヒ!」
「もぉ~、錫杖ちゃんそのへんにしときなよぉ。パンダさん困ってるよお」
「だって黒いまんまるがキョロキョロ動いてるのおっかしくて……ヒヒヒ!」
パンダはまだキョロキョロとしていた。その真っ白でなにも無い──レジカウンター以外は──空間ではまったく遠近感がつかめず、足元を見てみても自分の影がほとんど見えない。床も多少発光しているのか? かと思えば
マシーナリーとも子EX 〜高円寺の武器庫篇〜
「今日も暇だのォ〜」
錫杖がハァーっと壺に息を吐きかける。光沢ある壺の表面が曇ると、錫杖はそれをきめ細かいなのでキュッと拭いた。
「暇だねぇー……」
鎖鎌は目を向けずに返事をしながら船を漕いでいた。座っているのは店のレジカウンター。といっても昨日は店を開けてから3時間、一度もレジを使ってはいない。
高円寺の古着屋街の一角。細い路地を抜けた薄暗い隅っこにアンティークショップ「ムンバイ」は
マシーナリーとも子EX 〜羊の店の同盟篇〜
ジュウとグリルの上で串に刺された肉が音を立てる。その表面には真っ赤なスパイスがたっぷりとまぶされている。
「辛そうって思うか? でも見た目からは想像できないけど全然辛くないんだよなこれが。それ、もう食べごろだぞ」
そう言ってターンテーブル水縁は串を手に取りフーフー息を吹きかけながら口に運んだ。釣られてゆずきもサブアームを伸ばす(彼女の本来の腕では嵩張りすぎてテーブルの上のものをぜんぶひっく
マシーナリーとも子EX 〜喰らう情報篇〜
「あれ〜? ゆずきさんは?」
エアバースト吉村が額に平手を当てて支部を見回す。
「今日は有給っスよゆずきさん」
後ろから缶ジュースを買ってきたダークフォース前澤が答える。
「有給? 意外だね。使うタイプのロボだったんだ。なんとなく仕事が趣味みてーな感じしないかゆずきさんって」
「まぁー言わんとすることはわかりますけど……。有給使わないのってアレじゃないですか。徳が低いんじゃないっスか」