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創業72年”来集軒”を食べてみた

生粋の江戸っ子、馬虎の虎(フー)です。
生まれも育ちも浅草でございます。

一年を通して賑やかなこの町も、パンデミックの影響でぐっと人出は減りました。
でも、そこは老舗からハイカラ(最新トピックス)までネタの宝庫の町。
今回は浅草の地元民、そして芸人さんはもちろん、数多の著名人に愛されてきた町中華”来集軒”をご紹介します。

国際通りから人気の少ない路地へ入る。風雨に耐え忍んだ老舗の看板が誇らしい

👆来集軒の動画はこちら👆

著名人が愛するお店は創業72年の歴史

コメディアン、噺家、映画監督、関取などなど浅草ならではのサイン色紙がびっしり

昼タイムをずらして暖簾をくぐります。入店するとお客はわれわれのみ。
平日の午後とはいえ、これは幸先がいい。
壁には芸能人、著名人のサイン色紙で埋め尽くされています。
そして手書きのメニュー表が、ホワイトボードに列記。
シンとした空気感、時代を超えたレトロな雰囲気が満載で、思わずほくそえんでしまいました。

足利がルーツ? 昭和の味カタクリ「シュウマイ」

ザ・昭和な「シュウマイ」には汗をかいた瓶とメーカー刻印のグラスがぴったり

まずは、地元浅草に本社がある、アサヒビールのスーパードライ中瓶。
お供は、この店ならではのザ・昭和な「シュウマイ」を発注します。
一説に栃木の足利から伝わったという、昭和の時代には当たり前に存在したカタクリ粉でつくった点心なんです。

シンプルながらどこか懐かしく可愛らしいフォルム

SNSのコメントにあるように、肉や玉ねぎがミニマムの潔さがいっそ◎。高度成長期の労働者たちの胃を支えたであろうカタクリ粉で膨らませた懐かしいボリュームが、あっしのお腹を満たしてくれる優れた一皿なのでした。醤油と辛子もいいですが、このカタクリ「シュウマイ」にはみんなが大好きのソースが合うんです。
ウスターソースのスパイスの刺激が、粉もんとマッチしないわけがない。
黄金の液体とカタクリ「シューマイ」の無限ループがはじまりましたwww
ああ、昭和はいい。

これぞ中華そば、癖になるモチモチ麺の「ラーメン」

叉焼、メンマ、黒海苔、小口ネギの昭和が厳選されたトッピング

ほぉ、美しい。
溜息が出るビジュアルです。
濃い色の醤油スープに盛られた中華麺、ちょうどいい厚みの叉焼、柔らかい味付けのメンマ、スープに溶けない黒海苔、切り立ての小口ネギと完璧。
ラーメン丼ぶりの中華印と龍の青字が屋号の誇りのように清々しい。
丼ぶりの縁がやや欠けているのもご愛敬ですな。

来集軒独自のモチモチ多加水麺。東京ラーメンっぽいコシの強いちぢれ麺が自慢

太いちぢれ麺なのに、わずか1分で茹で上がるそうです。
なぜかって?
その秘訣は、小麦粉100%配合にあります。ラーメンの麺につきものの、グルテンや卵が使われていないというから画期的。
このプリプリ感は、病みつきになるほど。
蕎麦でいうところの、十割ですね。
まぁ、百聞は一見に如かず。
食べてみればその価値が体験できるはずです。

最後の一滴まで、令和に味わえる希少な昭和の中華そば

濃いめではあるけど、塩っぱくはないので、スープまで飲み干してしまいました。
丼ぶりの底には、双喜紋が現れました。
まさに昭和を経た懐かしさ、それを令和の時代に食せる二つの喜びの味。
お店の空気ごと、完食です。

ラーメンといえば、木久扇師匠
下町の路地を思わせる寒さ除け付きのママチャリが素敵

シャッターの棒も刺したまま。
ブルーのゴミ箱も堂々と。
それでも、椅子にかけたホワイトボードに視線は集中してしまいます。
看板に比して、暖簾の白さがカッコいい。
来集軒さん、おいしい醤油ラーメンご馳走さまでした。

炎のオブジェの隣、ビアジョッキと泡を模したアサヒビールの本社ビル
👆来集軒の動画はこちら👆

来集軒
〒111-0035
東京都台東区西浅草2丁目26−3
03-3844-7409

次回は、人気メニューの「もやしそば」と「炒飯」をいただこう。
乞うご期待くださいませ。

撮影・執筆 / 虎(フー)


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