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刑務所における医療体制
刑務所での医療体制の不備を揶揄った、受刑者の中でよく言われる言葉に「刑務所で風邪をひいたら(病気をしたら)死ねと言ってるのと同じだ」というものがあります。
実際、刑務所における医療体制には大きな不備があると思います。例えば、施設によっては、医師による定期的な検診を行わない所もあります。某刑務所では、医師による診察を受けようと思った場合、受刑者の前に先ず登場するのが刑務所の職員である准看護師です。その准看護師が、受刑者の申し出により不調の状況を聞き、自ら「診察」してしまうのです。医師の真似事をしてしまうのです。そしてその「診察」をクリアした受刑者のみが、本物の医師の診察を受けることができるという、何とも危ない仕組みで医務が運営されていたりします。しかもその准看護師による「スクリーニング」はかなり厳しく、医師の診察を受けることができる受刑者は極めて少数です。しかもそもそもその医師にしても、全診療科を一人で対応しているといった杜撰さだったりします。
では、専門医の診察を受けるためにはどうすればよいかというと、先ずは願箋(がんせん)という願い出を書く用紙に、「これこれこういう理由があるので、○○科の診察を受診させてください」などと書いて提出するわけです。しかし実際にその専門医が刑務所にやって来るのは、願箋提出から数カ月後になるのが通常です。歯科治療も基本的に同様の状態です。つまり、体調が一番辛いときに、すぐに診察・治療が受けられないわけです。
医療重点施設として、専門的な医療を受けられるとされている施設もありますが、刑務所と拘置所を合わせて、全国で9施設しかないのが現状です。
刑務所を始めとする刑事施設での医療体制はまだまだ多くの問題点を抱えたままです。
受刑者の生命・身体の安全を確保するためには、これから相当な改革が必要なのです。