イスラム教徒ってお酒飲んでもいいの?
イスラム教にはさまざまな戒律があるが、有名なものの中に、「お酒を飲んではいけない」ことや「豚肉を食べてはいけない」ことがある。
このように「してはいけないこと」を、アラビア語で「ハラーム(حرام)」と言い、反対に「しても良いこと」は「ハラール(حلال)」と言う。
日本語の発音だと、一文字違いだからややこしい(笑)
日本で暮らしていると、たまに「ハラールマーク」の表示がついた食品を見かけることがあるけど、これはイスラム教徒の人でも安心して食べられる食品で、アルコールとか豚とか一切入っていませんよ、という意味になる。
ヨルダンで暮らしていると、多くの人々はお酒を飲まないが、キリスト教徒の人も住んでいるし、外国人もたくさん暮らしているので、酒屋さんは点在している。
そして、そういう酒屋でお酒を購入すると、買ったお酒は黒いビニール袋に入れられる。
イスラム教徒に見せない様にするためなのか…
この国でお酒を買うたびに、なんだか少し悪いことをしている気分になるのは、私だけじゃないはず(笑)
ヨルダンでは酒類に高い税金がかけられているため、日本よりも値段が高い。
でも、ヨルダンの南に位置していて海にも近いリゾートの街「アカバ」は、特別免税特区に指定されていて、そこでは酒類も安く売られているので、アカバに旅行に行った際には、お酒をたくさん買い込んで戻ってくるのがお決まりらしい。
私もいつかアカバに行った際には、お酒いっぱい買おう。
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このような感じなので、ヨルダンで暮らしていると、気軽にお酒が飲める居酒屋みたいな雰囲気であったり、屋外でもお酒を飲める様な日本の空気感みたいなのが恋しくなったりする。
でも、ヨルダンでの暮らしが少しずつ長くなっていくにつれて、お酒を飲むイスラム教徒もいることが分かった。
ヨルダン人でイスラム教徒の、ある男の子の友だちは、たまに友だちと一緒に酒屋さんに行って、ビールを買って飲むことがあると言っていた。
もちろん、両親には秘密で。
「絶対に言ったらあかんで」って必死に言っていた様子に、なんか笑ってしまった。
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イスラム教徒の聖典コーランには、日常生活における決まりから、女性の服装のあり方、結婚や離婚に関してなど、実にさまざまなことが書かれているが、その解釈の仕方や信仰の度合いは、人によってかなり違っている。
スカーフの様なもので髪を隠すヒジャブを着けるべきだという人もいれば、胸元さえ隠しておけばヒジャブはつけなくても良いと言う人もいる。
タトゥーはハラームだという人もいれば、身体中にタトゥーをいれていながら、自分はイスラム教徒だと言う人もいる。
1日5回のお祈りをきっちりと行う人もいれば、1日1回しかお祈りをしない人もいる。
アンマンの様な首都では、そのような戒律に寛容な人が多く見られる傾向があるし、地方都市や難民キャンプなどでは、保守的な考えの人が多く見られる。
そのことが、街を行き交う人々の服装からもよく分かる。
アンマンでは、ヒジャブをつけなかったり、体型が分かるようなピッタリとしたスキニーパンツを履くような女性が比較的多く見られるが、難民キャンプでは、足首まで全て隠れるような丈の長いコートを着ている人や、目以外の部分を全て隠したニカブを着ている人の割合も高い。
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日本でも、考え方や見た目など人それぞれ。
それはヨルダンでも同じであった。
なんとなく、イスラム教徒であればみんな同じ考えをしているのかな、と無意識的に思ってしまいがちだったが、やっぱり人それぞれ。
そんな中でも、豚肉に関しては、誰もが嫌がる顔をする。
お酒を飲むイスラム教徒であっても、比較的イスラムの戒律に対して寛容なイスラム教徒であっても、私の得意料理である豚の角煮の写真を見せると、「うぇ」っと同じ様な反応を見せるのが面白い(笑)
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