マハ 🇯🇴

NGOで中東関連の仕事をしています/元JICA青年海外協力隊(🇯🇴 ヨルダンのパレスチナ難民キャンプ)イスラム教やアラブ文化について感じたことや考えたことなどを、自身の経験を元に書き留めています。記載内容は全て個人の見解です。

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マガジン

  • 不思議なイスラム教のあれこれ

    イスラム教って思っていたのと全然違った!ヨルダンで暮らしている中で、イスラム教について新たに知ったこと、考えたことについてまとめています。イスラム教に留まらず、宗教全般について書くときもあります。

  • 感じたこと、考えたこと

    ヨルダンで暮らしている中で、忘れたくない出来事、びっくりしたこと、深く考えてみたことなどを、まとめています。

  • 不思議なヨルダンのあれこれ

    ヨルダンで暮らしている中で発見した、ヨルダン独特の文化や習慣についてまとめています。

  • ヨルダン旅行記

    ヨルダン国内を旅行した時の記録です。どちらかといえばマイナーな観光地を中心に書いています。

  • ヨルダンでアラブ料理を作ってみた

    ヨルダン暮らしの中で、気が向いた時に、スパイスなどを使ったアラブ料理を作っています。そんな美味しいアラブ料理のレシピをまとめています。

最近の記事

東京のモスクでのイフタール体験

ラマダン期間だった4月上旬、東京にあるモスク「東京ジャーミイ」のイフタールに参加した。 (イフタールとは、ラマダン中の1ヶ月間で食べられる断食明けの食事(時間的には晩ご飯)のことである) これまで神戸モスクには行ったことはあったけど、東京ジャーミイに行くのは初めてだった。 とても立派で綺麗なモスクで、日本にこのような規模のモスクがあることに驚きだった。 イスラム教徒以外は、イフタールに参加するには事前の申し込みが必要だったので、参加する2週間前にネットで申し込みを済ませ

    • 正しさとは?正義とは?ー最近ぐるぐると考えていることー

      子どもの頃は、「何が正義で何が悪か」って言うのが、もっと分かりやすかったように思える。 ルールを破ったら怒られ、友だちを傷つけてしまったら謝り、そんな子ども時代を過ごしていくうちに、自然と善悪の判断がつくようになる。 でも、大人になってみると、世の中そんなに単純じゃないことに気がつく。 「人を殺してはいけない」 という、誰しも当たり前に持っているはずの道徳観がまかり通らないことが、現在進行形で起きてしまっている。 なんで誰もこの戦争を止めることができないのかな、と疑

      • ヨルダンのアラビア語は野暮ったくて男っぽい?

        アラビア語には、クルアーン、新聞やニュースで使われる書き言葉の「フスハー」と、話し言葉である「アンミーヤ」の2種類がある。 「フスハー」は学校で習うものなので、アラブ人でも、フスハーを使って上手に話せない人もいる。 一方の「アンミーヤ」は話し言葉であり、アラブ世界では国や地域によってさまざまなアンミーヤがあり、それぞれの言葉はかなり違っている。 例えば、「ほしい」(want)という単語。 クウェートやカタールなどの湾岸諸国のアラビア語は「アビー」と言うし、エジプトでは

        • ムスリムじゃない私が、クルアーンを読むことに決めた理由

          ヨルダンから帰国して早3ヶ月。 東京に住んでいる今、中東にルーツのある人と話をする機会が多く、改めてそれぞれが持つ価値観について考えさせられることが多い。 というか、最近はモヤモヤすることが多かった。 ある中東の国出身のAさん(仮)と話した時、Aさんの出身国はムスリムが人口の大多数を占めていて、Aさん自身もムスリムのご両親の下で育てられたと言っていた。 私は、ヨルダンでの体験や、イスラム教について学んだことなどをAさんに楽しげに話していたが、後日、Aさんはムスリムを嫌

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        • 不思議なイスラム教のあれこれ
          18本
        • 感じたこと、考えたこと
          28本
        • 不思議なヨルダンのあれこれ
          31本
        • ヨルダン旅行記
          7本
        • ヨルダンでアラブ料理を作ってみた
          6本

        記事

          「難民のこと、何も知らない」

          あと数時間で2023年が終わろうとしている。 私にとっての2023年は、けっこう辛い一年だった。 ヨルダンでの生活も2年目を迎えて、生活にも活動にもすっかり慣れた中、常にどこか焦りのようなものを感じていたし、どこかで妥協している感じもしたし、周りと比べて落ち込んでばかりいたし、本当に自分が目指している方向性が分からなくなっていた。 楽しいことはたくさんあった一年やったんやけどね。 今年一年を振り返って、一番印象に残っていることを一つ挙げるとすれば、ヨルダンのパレスチナ

          「難民のこと、何も知らない」

          ヨルダンから送った手紙が、4年後に届いた

          2020年1月にヨルダンから日本の実家に向けて送ったポストカードが、3年10ヶ月後の2023年11月にやっと届いた。 まさか自分でその手紙をポストから取り出すなんていう未来は想像していなかった(笑) 字を見てすぐ私が出した手紙だということは分かったが、あまりにも昔のこと過ぎて、一瞬混乱した。 消印のシールに書かれた「2020/1/22」という表記を見て、やっと思い出した。 その時に出した手紙だって。 同じ日に、伯母や友だちからも、私からの手紙が届いたという連絡を受けた。

          ヨルダンから送った手紙が、4年後に届いた

          アラブのお得意さん文化を通じて、考えたこと

          「お得意さん文化」という言葉は、大阪で育ってきた私にとっては、あまり馴染みのない言葉だった。 ヨルダンに来てからは、お得意さん文化を感じることが日常的にあった。 よく行く近所のスーパーでは、買い物の合計金額の端数はいつも切り捨てて、少し安くしてくれた。 近所のカフェでは、ふらっと立ち寄った時に、店のオーナーがお茶を入れてくれた。 ヨルダンでは地方都市に住んでいたので、常連になることでさまざまな恩恵を受けていた日々だった。 ただ、このお得意さん文化は時にデメリットに働

          アラブのお得意さん文化を通じて、考えたこと

          2年の任期を終えてヨルダンから帰国しました

          2023年10月末、協力隊としての2年の任期を終えて帰国した。 思えば、一度はコロナによる緊急帰国で、たった3ヶ月半のヨルダン滞在で帰国した過去があったから、今回は無事に任期を全うできたことは本当に良かった。 しかし、10月7日に行われたハマスによるイスラエル襲撃をきっかけに、3週間以上が経った今でも、パレスチナとイスラエル(特にガザ地区において)では、犠牲者の数はどんどん増えていっている。 隣国ヨルダンでも毎晩のように、イスラエルに対するデモが起きていて、毎日何が起き

          2年の任期を終えてヨルダンから帰国しました

          新しい言語を学ぶと、新しい自分に出会える

          日本人が英語を話す時に、少しオーバーリアクションになるなど、話す言語によって、本来の自分とは違う性格が出てくることがあると思う。 第3言語としてアラビア語を話すようになってから、特に感じるようになった。 アラビア語には常套句がたくさんある。 その中には、相手の幸せを願ったり(アッラーが単語として入ることが多い)、相手のことを褒めたりするものなど、さまざま。 私もたまに言われるのが、 إنتي حلوه インティヘルエ(あなた素敵ね)という言葉。 髪型を変えたり、普段着

          新しい言語を学ぶと、新しい自分に出会える

          「血出てる!」「コーヒーの粉で止血するわよ!」

          ヨルダンやアラブの文化にはだいぶ慣れたもので、最近はブログに書くネタになるような驚くことが少なくなってはいたけど、最近また新しい経験をした(笑) というのも、活動中に棚板が落下して、私の頭に直撃。 激しい痛みを感じ、打ったところを触ってみると、頭から血が出ていた。 周りにいたパレスチナ難民の先生は焦ってティッシュを渡してくれ、それで止血しようとしたが、気がついたらいつの間にか傷口には茶色の粉が、、、 そう、コーヒーの粉だった(笑) 傷口の写真を撮ってもらいたかったの

          「血出てる!」「コーヒーの粉で止血するわよ!」

          緑を求めて砂漠の国からヨーロッパへ (スロベニア、クロアチア、イタリア旅行記)

          ヨルダンに住んで1年9ヶ月。 この間一度も日本に帰国せず、海外旅行といってもエジプトへ行っただけだったから、そろそろ緑豊かな景色が恋しくなっていた。 そんなある日、ヨルダンからイタリアまでWizz Airを使って往復3万円で行ける航空券を見つけたので、2023年7月末にイタリア周辺に行くことに決めた。 今回は「緑豊かな自然」をテーマにしているので、ピックアップした場所も全て自然が豊かなところばかり! イタリアのヴェネチア発着で、その後スロベニア、クロアチア、そしてフェリ

          緑を求めて砂漠の国からヨーロッパへ (スロベニア、クロアチア、イタリア旅行記)

          なぜ学校をドロップアウトしてしまう難民の子どもたちがいるのか

          ヨルダンでの活動も1年と9ヶ月が過ぎたが、特に2年目の今は、活動先のパレスチナ難民キャンプの実態についての話を聞く機会にたくさん恵まれた。 その中でも、学校をドロップアウト(退学)してしまう子どもたちについて。 そもそも、キャンプ内で活動する中では、肌感覚として教育熱心な母親たちの姿をたくさん見てきた。 幼稚園児の母でさえ、まだ5歳児の娘がどうしたら英語のアルファベットが覚えられるようになるのかを私に相談してくることもあったし、母である園長先生の息子が毎日のように幼稚園

          なぜ学校をドロップアウトしてしまう難民の子どもたちがいるのか

          イスラム教の犠牲祭で、多くの羊が生け贄になるのを目の当たりにした

          イスラム教の犠牲祭は、イード・アルアドハー(عيد الأضحى‎)と呼ばれ、今年は6月28日から4日間で行われている。 ヨルダンでは、前日の27日から5日間の祝日だ。 ラマダン明けのイード・アルフィトル(عيد الفطر‎)と同じように、今回の犠牲祭でも、人々は新しい衣類を身につけ、親族を訪問し、子どもは大人からお小遣いをもらうなど、日本でいうお正月のような雰囲気が少し感じられる。 そんな日本と大きく違うのは、犠牲祭では、たくさんの羊が生け贄となること。 これは、

          イスラム教の犠牲祭で、多くの羊が生け贄になるのを目の当たりにした

          ヒジャブを被りたくない娘 VS ヒジャブを被らせたい母

          ヒジャブとは、イスラム教徒の女性(以下、ムスリマ)が、髪の毛を隠すためにつけるスカーフのこと。 以前は、ムスリマ全員がヒジャブを被っているものだと思っていたが、ヨルダンでの生活が長くなっていくにつれ、ムスリマでも、本人の意思で被っていない人もいることが分かった。 「なんでヒジャブ被らへんの?」 30歳のミラール(仮名)という友だち。 彼女はアンマンに住むムスリマだが、外出してもヒジャブは被っておらず、赤髪のカーリーヘアが見えた状態で出歩いている。 私「ミラールはムス

          ヒジャブを被りたくない娘 VS ヒジャブを被らせたい母

          国民に愛されるヨルダンのロイヤルファミリー

          来たる明日、6月1日は、アブダッラー2世国王の長男であるフセイン皇太子の結婚式が予定されている。 そのため、明日は祝日となり、今日も企業や役所の就業時間は午後1時までとなった。 5月25日のヨルダン独立記念日の時も、そこら中で国旗を掲げるなど、国全体でお祝いしている空気感があり、ヨルダンは、国民に愛されている国だと言える。 その大きな理由の一つが、ヨルダンのロイヤルファミリーそのものが、国民に愛されているからだと思う。 ヨルダンでは、前国王、現国王、皇太子の順番で、3

          国民に愛されるヨルダンのロイヤルファミリー

          ラマダン中に頂いたアラブのご馳走の数々 2023

          去年のラマダンで以下のような記事を書いたので、今年もラマダン中にどんなアラブ料理をいただいたのかを書いていこうと思う。 今年は、ラマダン中に家族がヨルダンに遊びに来ていたので、なんと家族も一緒にイフタール(断食明けの食事)に呼んでいただいたりもした。 あれほどアラブ料理が口に合うのか心配していた父も、アラブ料理の美味しさにスプーンが止まっていなかった(笑) 今年もそんな美味しいアラブ料理の数々を紹介していく。 ① マンサフヨルダンで圧倒的にいただく回数が多いのが、マン

          ラマダン中に頂いたアラブのご馳走の数々 2023