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渡部有希
2021年8月21日 20:18
恥の多い人生でしたって太宰は書いてるけど、私だって現在進行形で恥じながら生きてる。人間失格、だって。ねえ、そんなのあんただけじゃないんだけど。と思いながらショッキングピンクのカバーの文庫を閉じた。でも私は、太宰のそういう、普遍性を自分だけのものみたいにしちゃうところとかが、やっぱり好き。私のピカピカの長い爪も、カバーと同じショッキングピンク。でもそれは、私がただピンクが好きってだけ。
2020年12月9日 08:42
東京駅だった。周りの人達は行き先があるようで、ある人は早足に、またある人は浮かれ気味に、またある人は疲れた様子で、私の横を通り過ぎていく。皆、私のことなど見えていないのだった。1番近くにある電光掲示板をみると仙台•山形、郡山、青森、新潟、金沢と、天気予報でしか見ない地名が当たり前の顔をして羅列されていて、むず痒い気持ちになる。手のなかにある切符には、東京⇔新青森、とある。そ