#3 私の好きな「知る」
#2の 「繊細」から、今回は「知る」について掘り下げてみたい。
これは多くの動詞の中で私が割と親しみ持つ動詞だ。
情報に触れ自分の考え・価値観を発展させることが心地よい。
「知る」にも色々あるが、私が最大限「知る」を楽しんでいる瞬間がある。
それはありとあらゆる情報の中で偶然に、その時の自分が必要としている情報に出会い、発見した!と感じる時だ。
この感覚が味わえる場所はそれぞれあるが、
一番好きなシチュエーションは「初めて行く街の本屋さん」である。
天気のいい日に何も予定がなく小旅行も兼ねて、くらいの状況であればなおさら良い。
初めて立ち寄った本屋さんで、そこの店長さんのセレクトか誰が選んだかわからないが、とにかくそこに並んでいる本たちの陳列を見るのが好きなのだ。
社会の注目を集める新刊や雑誌、長年愛される文庫本、専門知識をつけられる新書から読むのに気が遠くなりそうなハードカバーの分厚い本まで、
フレッシュな気持ちで、どんな本が今の私にしっくりくるかな〜と、目を通している時になんとも言えない幸福感を覚えるのだ。
本の内容はもちろん、表紙のデザインであったり、紙の質感や分厚さであったり、その本から醸し出される雰囲気のようなものから、お気に入りの一冊を探してみる。
「初めて行く街」であるので、冒険心がよりくすぐられる。
何も知らない街にたまたまあった本屋さんに行き一冊の本を選ぶ、ということ自体が偶然の塊である。
そこから運命的なものを感じ、私この本買う、と決めてしまうのだ。
また「本屋さん」といっても大きな本屋から小さな本屋まで色々ある。
そしてこの本との出会いを楽しむ本選びには、ちょうどいい本屋さんと出会うことが大切であるのだが、これはサーフィンをする時にどのくらいの大きさのビーチを選ぶかに例えられる。
(例えておいてサーフィンは全くの初心者である。)
例えば有名で大きなビーチでは、その大きな波に飲み込まれないように、さらわれないように、と気にする気持ちが自分を制限してしまう。
逆にこぢんまりとしすぎたビーチの場合、思うように自由に波に乗れず、なんだかなあ、と終わってしまう。
つまり、ほどよく楽しく波乗りジョニーできるぴったりの本屋を見つける、というプロセスも大事なポイントであり、それもまた楽しいのだ。
こうして今まで訪れた場所で気に入り、購入し持ち帰ってきた本たちは、私の部屋の本棚の片隅におさまる。
そして、自分の読みたいタイミングで気楽に読み進めて行く。
本を開くたびに訪れた街の印象、本を購入した時の自分の状況などを思い返す。
そして何度でも、この本読んでみる、と決めた時の感覚を呼び覚ますことができるのだ。
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