科研費を獲ろう
研究者のライフライン!科研費!英語でKAKENHI!
ちょうどこれくらいの時期に申請締切りが迫ってくるので焦り始める人も多いのではなかろうか(私だけか?)。そういえば昨年くらいから締切りが1月くらい早くなってますね。
科研費取得は自分の研究のためであるとともに、自分のキャリアのためでもある。ゲットできればそれだけで競争的外部資金の獲得実績として履歴書には堂々と記載でき、例え臨床がメインフィールドの医学物理士でも研究面もばっちりできますアピールになること必至である。
筆者は、大変ありがたいことに、これまで研究代表者として複数回の交付を頂いている。その多くが基盤Cクラスであるが、過去に一度だけ奇跡的に1000万円超えクラスにも採択された。そのときは臨床の医学物理士を辞めて研究者一本でやっていこうかと思ったくらいだ。
さて、そんな私が申請書作成で最も気をつけていることは、常に審査員を意識して書くことである。想像してほしい。違う分野の多忙なお偉い先生が数多くある申請書の中から見知らぬ自分の申請書に目を通すときのことを。ぱっと見でいかに自分の研究の必要性を理解してもらえるかが勝負である。
初見が斜め読みでも図表のチラ見だけでも、何が問題になっていて、それを解決するために何をしようとしている研究なのかが相手に伝わらなければならない。そこで研究概要を把握してもらえれば、多少の専門要素が入った長ったらしい本文でも理解してもらい易くなるだろう。そのためには、わかり易い言葉遣いと専門用語のバランス、下線や太字の使い方、インパクトある図の挿入などのテクニックを駆使しつつ何度も修正しながら丁寧に書き上げていく。
研究テーマも大事なところ。経験上、どんなに立派に書けている申請書でも君それできるの?って思われてしまうような課題は不採択率が高い。ここでのポイントは過去に自分がやってきた研究の中で、今回の課題申請に関係するキーデータを載せておくことだ。それがないような全く新しいテーマなら、事前になんでもいいから予備実験をしてデータを取っておく。とにかく自分は今のところこんな結果を得ていますよ~と見せておくことで、研究の実行性を示しておくことが重要である。
もっとも最近ではプロの先生方による科研費取得のための申請書の書き方なる教本が多数出版されているようなので、そんな手前、こんな自称研究者が何偉そうに言ってるんだというのはご容赦いただきたい。
ところで・・・
研究機関でもない地方病院勤務の医学物理士のおっさんがどうやって科研費に応募してるんだ?と思われる鋭い読者もいるかもしれない。私の大学は学位取得後、いわゆる客員研究者という研究するためだけのポストを割り当ててもらえるので、そこから科研費応募の資格を得ている。つまり勤務する病院も医学物理士であることも全く関係なく、その大学所属の一研究員として研究活動を行っているわけである。もちろん勤務先には承認の上で。