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[英國旅]エディンバラでミリタリー・タトゥー2024を観た

🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿スコットランドの旅は続きます。(その1:バルモラル城/その2/その3:ハイランド/その4:グラスゴー

 さてアバディーンでは車があったので、中心から20分ほどのところの断崖絶壁にある中世の要塞・ダノター城も見学。残念ながら18時すぎていて中には入れませんでしたが、海を臨む荒涼とした風景のなかに佇む城跡はまさにスコットランドらしい景色で見飽きることがありません。ここからエディンバラに向かいます。

西暦400年に礼拝堂が作られたことがはじまりだったダノター城

アバディーン→エディンバラ 海辺を走る列車の旅

 アバディーンからエディンバラへは電車(Scot Rail)で2時間20分ほど。いつも乗っているオックスフォード周辺だと、少し走ると見えてくるのは草原と羊、馬、牛という感じなんですが、ここの旅程はずーっと海辺! コロナ禍のあいだ『世界の車窓から』(前半は再放送)を観て旅したい気持ちをまぎらわせていたので、海を眺めながらの過ごす時間がとても贅沢に思えました。

進行方向に向かって左側の座席がおすすめ

何層にも織り重なる街・エディンバラ

 さてエディンバラ到着。2015年にも来たことがあるので、今回は2度目。新市街と旧市街のギャップがあり、急な坂道や階段の多い立体構造の街でありながら、こじんまりしていて周りやすくて、観光客の多さも頷けます(日本人観光客もいっぱい!)。この新市街から線路を挟んで旧市街がそびえ立つ様子を眺めたときの「おおー!」という感動は、何度味わってもいいものですねえ。

旧市街を臨む

夏のお祭り、ミリタリー・タトゥーとは?

 毎年8月にエディンバラ城前の広場で行われる「ロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥー」とは、エディンバラ城前の広場で行われる、伝統的なキルトに身を包んだ楽隊によるバグパイプの演奏を中心とした、軍楽祭。「tattoo」はもともと兵士たちを酒場から返すための鼓笛隊の演奏からはじまって、のちに軍楽隊の儀式的な演奏も指すことになったとか。1950年にはじまり、今では1日あたり8000人、22万人の観客を集める一大イベントに成長しました。

 イギリスに1年住むとなったとき、まず予定に入れたイベントのひとつがこのミリタリー・タトゥーでした。観に行った方からすごくいいよとおすすめされたものの、なんといっても8月にしか観られない。新居に落ち着いてすぐに公式サイトや行ってきた方のブログを参考に、座席選びにとりかかりました。

座席を下から見上げたところ けっこう大胆に張り出していて怖い

選んだ座席


 座席は40ポンドから、果ては700ポンド越えまでさまざま。公式サイトにはCG動画があって席からの眺めをバーチャル体験でき、そのうえでピンポイントで席を選べる親切設計。選んだのは、お城を左手にした14ブロック中ほどのL列。ステージの中央あたりがメインになっているうえに、入退場口も近いので、パフォーマンスする人たちも、フォーメーションの全体的な動きも、お城のプロジェクションマッピングも最後の花火も見やすい良席でした。

「ホスピタリティー・パッケージ」は特典いっぱい

 そして前述の通りバルモラル城に行くため日程変更があったため、5月上旬におさえたお安めのプラン(まだわりと選び放題でした)から、どうしても席にこだわりたくて、「ホスピタリティー・パッケージ」と呼ばれるプラスアルファの体験つきのチケットに変更せざるを得ず。出費はかなり痛かったものの、このプランがすごく良かったんです!

 わたしが選んだのは「Cocktails at Cannonball」プラン(182.5ポンド)。お城の入場口の真ん前に位置する歴史あるレストラン「キャノンボール」で、ショーの前にカクテルを一杯……みたいなイメージでそれにしてはお高いな〜と思ってたのですが、蓋を開けてみるとさまざまな特典がありお得なチケットでした。

  • 列に並ばず優先入場(係員によって対応が違うので何人かにあたるべし)

  • アフタヌーンティー形式の軽食

  • それにあわせた3杯のカクテル(ノンアルコールもOK)

  • ミリタリー・タトゥー出演者による生演奏2曲

  • パンフレット

  • お席までエスコート

 特に、21:30の開演前にミリタリータトゥーとフリンジで混みあった街中でどう食事を確保するのかに頭を悩ませたので、わりとしっかりめの軽食がついていたのはとても助かりましたし、スコットランドの伝統料理を取り入れたちょっと塩気のあるメニューがすごくおいしかった! 続々と入場してくる人を上から眺めつつ、これからショーに出演する方のフィドルの生演奏もたっぷり2曲ついて、ショー前にきれいなお手洗いも行けて安心(会場にもお手洗いがありましたが工事現場にある感じの仮設トイレでした……)。カクテルはジンベースの柑橘系、スコッチウィスキーベースにメレンゲをのせたどっしり系、最後はあったかホットワイン(ノンアルコール)で身体を温めてさあいってらっしゃいと送り出されました。

一番上のハギスもおいしかったです

スペシャルゲストはアン女王

 さていよいよ会場に入って、ショーが始まります。高らかに鳴り響くバグパイプとともに、お城の門から大勢の兵隊と楽隊が出てきます。と、ステージ中央で敬礼のポーズ。そこに一台の黒い大きな車が乗り付けて、中から誰かが出てくる……その正体はなんと、アン女王! たしかにパンフレットの最初の方にパトロンとしてお写真とコメントがありましたが、まさかご本人がいらっしゃる日だったとは……。さっき閉館間際に見学したホリルード宮殿がなんだかものものしい雰囲気だったのは、このせいだったのでしょうか。

アン女王 タータンチェックのストールがお似合いでした

  
 肝心のショーは、それぞれのタータンに身を包んだ無数のバグパイプ隊が、ダイナミックなフォーメーションで移動しながら演奏する姿はやっぱり見応えがあったし、アメリカ海軍の演奏はいかにもアメリカらしいちょっとクスッとするような一幕もあり。いろいろな国のダンスが見られるのがミリタリー・タトゥーのいいところなのですが、今年フィーチャーされていたのはインド。男女ひとりずつボーカルがいて、ちょうど日も暮れてきたなか電飾を使った派手派手な衣装で踊る姿は景気が良かったです。けっこう細かくパートに分かれていて飽きさせない工夫を感じました。なんか途中でバグパイプが火を吹いたりもしていたような……フィナーレはお城から花火が上がりました。

ドラム隊の演奏もよかったです

 ショーは全部で2時間ほど。終わったあとは大きな混乱もなく、三々五々、家路に向かう感じでした。できれば旧市街のホテルが安心かと思いますが、ロイヤルマイル沿いをさーっと15分ほど歩いて新市街のホテルまで帰るぶんには、特に怖い感じはありませんでした。

 雨予報だったものの夕方にざっと降ったあとはなんとかお天気ももち、寒さも16℃くらいと思ったほどではありませんでしたが、スコットランドはやっぱりオックスフォードよりも5℃ほど低く、深夜になるので暖かい服装がいいと思います。わたしは長袖のスウェット+ゴアテックスのアノラック+長ズボンに薄手のタイツでちょうどよかったです。

 約10年ぶりのエディンバラ、新市街は巨大なモールができてより生き生きと、旧市街はより観光地化されてておしゃれな雑貨店や石鹸屋さんなどができ、お買い物も楽しかったです。古着屋さんや、前回の訪問時に印象的だったツイードのスーツなどが並ぶWalker Slaterというお店が健在だったのも嬉しかった。坂道に足腰をやられつつも、路地といい建物といいなんとも味わい深い、魔術的な街。ぜひまた訪れたいと思いました。

*今日のひとこと

ウミネコ on アダム・スミス像

 スコットランドはどの街もウミネコが元気でした!

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