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反り腰での腰痛

今回は、反り腰での腰の痛みを紹介します。
腰を反ることを腰椎の伸展運動と言います。
このタイプの人は「仰向けに寝ると腰が痛い」「立っているときに腰が痛い」「浅く腰掛けて座っていると腰が痛い」といった腰の痛みの方はこの反り腰タイプの腰痛である可能性が高いです。

図7

① 腰痛の原因はほとんどわからない

厚生労働省の調査によると腰痛を抱えている患者は約2800万人いると言われています。

実に日本人の4人に1人は腰痛に悩んでいると推定されます。

しかしこの中で、約85%は原因を特定することができない「非特異的腰痛」であると言われています。

病院でレントゲンを撮って診察を受けても原因を特定できる腰痛は15%であると言われています。

整形外科の検査で特定できる「特異的腰痛」の代表的な疾患は、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、背骨の骨折、骨粗鬆症に伴う圧迫骨折などです。

そのほか、整形外科では見ることのできない消化器系の問題や婦人科系の問題など内臓から起こる腰痛も存在します。

腰痛のほとんどが原因不明であると言われていますが、実際には腰痛を起こす機能的なメカニズムが存在します。

筋肉の問題や関節の問題であればレントゲン上で異常がなくても痛みを起こすことが多いです。

体の構造と働きを知れば、なぜ痛みを引き起こしているのかがわかるようになります。

それでは体の中で腰痛の原因となるところを少しだけご紹介します。 

② 痛みを引き起こす原因、大腰筋?


大腰筋:
腰の骨から大腿骨につく筋肉です。

画像2


大腰筋は股関節を曲げたり、体を曲げる方向に働きます。

図5

図6

大腰筋が硬くなってしまうと股関節の動きが制限されてしまい、腰の骨が股関節の代わりに動き出してしまいます。

大腰筋が硬くなった状態で脚を後ろに引くと股関節の動きは制限され、代わりに背骨が前に引っ張られてしまうため、反り腰になってしまいます。

図3

図1

仰向きに寝ているときも、立っている時も股関節はまっすぐな状態です。このまっすぐな状態は股関節の伸展位と呼ばれる状態です。

股関節を伸展させるときは大腰筋は伸ばされますが、この筋肉が硬く縮んでしまうと、股関節の伸展の代わりに腰の骨を前に引っ張ります。

この状態が「仰向けに寝ると腰が痛い」「立っているときに腰が痛い」といった腰痛を引き起こす原因です。

椅子に浅く腰掛ける時には、背もたれがないため、股関節は曲がったまま大腰筋を緊張させて背骨を伸展させ、背筋で体を支ることで姿勢を維持します。


背筋は背骨を伸展させる役割があるため、腰の骨がさらに反ってしまい痛みが引き起こされます。


この状態が
「浅く腰掛けて座っていると腰が痛い」


といった人たちの腰痛の原因になっている可能性があります。

③ 良い姿勢こそ気をつけよう


運動をする時に腰をそらして行うと動きづらくなってしまいます。


例えば、バスケットボールをする時に腰をそらしていてはドリブルも早く動けません。

腰をそった格好が必ずしも良い格好ではないということです。


ある研究では気おつけの姿勢でかかる腰への負担は体重よりも1割増しだと言われています。


なぜなら、気おつけの姿勢は胸を張り、背筋を伸ばして腰をそらしているため、腰への負担がキツくなってしまうからです。


気おつけの姿勢は社会的、礼儀的に良い姿勢であるとされているものであって、動く時には適さない姿勢です。


④ 反り腰のための実用的な姿勢


実用的な姿勢を三つご紹介します。

1. 仰向け姿勢はクッションを活用する
足を伸ばして仰向けに寝ていると腰が反り過ぎてしまうため、徐々に腰だけに負担が集中してきます。


この時に膝を立てると腰への負担は減ります。


しかしこのままでは寝ることができません。そこで膝の下にクッションを入れることで腰にとって楽なポジションを作ることができます。

2. 椅子は後脚を高くする
長時間の会議などで椅子に座ってる時間が長くなると腰に負担がかかってきます。


そのような時には、椅子の前脚部分に体重をかけて、後脚を浮かせると骨盤、腰がまっすぐになるので負担が減ります。


この原理を応用して、お尻の下にクッションを引いたり、椅子の後脚に厚めの雑誌などを挟んでおくと腰が楽なポジションで座ることができる可能性がありあます。

3. 立ち姿勢を考える
背骨を天井の方にまっすぐ伸ばします。この時に腰を反らすのではなく、上に向かって伸ばすイメージです。


背中を伸ばした後、肩の力をストンと抜きます。


この姿勢であれば腰を反りすぎず力も入りすぎずに立っている事ができます。

⑤ まとめ

大腰筋が硬くなると反り腰を引き起こしてしまう原因になります。


反り腰になると「仰向けに寝ると腰が痛い」「立っているときに腰が痛い」「浅く腰掛けて座っていると腰が痛い」と言った痛みが引き起こされる可能性があります。

腰に負担をかけない実用的な姿勢
1. 立ち姿勢は背骨を伸ばして肩を脱力する

2.仰向け姿勢はクッションを活用する

3.椅子は後脚を高くする

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