ポンコツ奮闘記.#5

2024年8月4日 07:39

27歳まで定職なし   
歳だけとって中身は空   
そんなポンコツ介護員の奮闘小話   

１．竹林昭三８８歳、本日〇にます。

たびたび私の投稿で登場する、私の初めての担当利用者さんが急変により救急搬送されることとなりました。
本人は意識もうろうとしている中、ストレッチャーに移動し、
ユニットから出ていくそんな時です。

「竹林昭三８８歳（仮名）、本日〇にます。」

と、逝かれる宣言をして運ばれて行きました。

入院中にお見舞いに行き、さりげない会話を幾程か交わしている中。
退院する気力がなくなっていたので、励ましの意味も込め。
また、

利用者の想いや、本当にやりたいことを実現するのが介護だよ‼

なんて話も聞いていたので、
ポンコツな私は深く何にも考えずに、
無音の気まずさを隠すためにも切り出した。

「退院したらやりたいこととか、やってみたいことはないですか？」

「生まれ故郷の〇〇に行きたい」

なんと⁉

考える間もなくスッと答えるではありませんか‼

「よし、じゃ。退院して戻って来たら、一緒に行きましょう‼　約束です!! 」

この時、
地理のわからないポンコツな私は、
生まれ故郷がどれくらい遠いのかも知らずに、約束したのでした。

約束を交わして間もなく、退院の伝えが届いた。
包み隠さず正直に言うと、
こんなに早く戻ってくるとは思ってもいなく、
もちろんご本人は約束を忘れているはずもなく。

当時の施設は新設１年目、旅行なんて前例もなく、
私も介護経験０の超ルーキー。

どうしたものか…

男の約束だから、守らないといけないな。

生まれ故郷までは車で３～４時間程度
車いす使用
排尿は導尿。
排便がスッキリです、１日に数回気になるときには頻回。
食事制限あり。

ご本人の希望を叶えるプランを練りつつ、
実際に要するであろう時間を把握するため、事前に下見へ。

トイレの場所、広さの確認。
宿泊先の料理長と面談させていただき、食事メニューの相談。
排便を定期的にできるように取り組み（おむつ外しを行うキッカケに）

などなど、準備や旅行の詳細は、
後日またお伝えする機会があれば。

そう、この奮闘記は、
いかにポンコツであるかをお伝えする回‼
話は飛び、

旅行には、課長、ユニットリーダー、有志職員１名、娘さんとご本人、私の計６名で出発‼

順調に１日目は過ぎ、宿泊先に到着。
お食事前にお風呂をとなるが、なんとここにきて入浴拒否‼
（きっと、大浴場に入れるとは思っていなかったのでは。不安が多かったんだと思います）

そしてお食事に。
地元に残っていらっしゃった娘さん夫婦から、
なんと収穫したてのウニが届いていたのです!!
（ご本人、ウニは食べられないのですが）

ご本人もお酒が好きなこともあり、
どうぞ、どうぞと勧められ、
美味しいウニと日本酒に、
たちまちポンコツな私は、本当のポンコツに⁉

お部屋に戻り、ほろ酔いなご本人さんと、課長と娘さん。
そしてポンコツな私。

爆睡‼

朝目覚めると…

怒りを隠せないリーダーが‼

課長とご本人、そして私の男3名

この時の暗黙の言葉に発しない会話が見事で、
その場の空気から逃げるようにお風呂へ。

あんなに拒否していたのに、不安そうだったのに（笑）

初めての旅行
気を張るべき外出企画
そんな場であっても、見事にポンコツぶりを発揮したのでした。

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