映画ドライブマイカー クラシカルなテーマだが手練手管はスゴかった
2022年3月9日
「ドライヴマイカー」と言えば、ビートルズフリークのボクにとって「ノルウェーの森」と対をなしている曲です。アルバム「ラバーソウル」の1曲目と2曲目です。
ラバーソウルの曲の中で、これらの2曲は最も情交感があります。ドライヴマイカー自体がその隠語ですし、ノルウェーの森も明らかに情交後の曲です。
ちなみにボクは、Norwegian Wood=ノルウェーの"家具"派です。"森"は誤訳でしょう。あえて付けた説もあるようですが。
もっとちなみに、村上氏の小説は
「ノルウェ"イ"の森」です。
「ノルウェ"ー"」表記としていません。あえて曲との違いを表したのでしょう。
さらに村上氏は、森か家具か問題を理解されていたようで、その後に「箪笥、箪笥、箪笥」という家具小説を書かれていました。
↑このギャグ、ボクのオリジナルじゃないです。誰のかは忘れました。
曲のドライ"ヴ"マイカーではなく、映画ドライ"ブ"マイカーの話でした。物語の中心となる車は、ノルウェーに自動車メーカーがないので、お隣のスウェーデン製サーブが選ばれたと想像しています。ボルボでないチョイスも良いです。このへんは村上氏ですかね。読んでないので知りませんが。
映画評点は、4.5点です。もう一度お金を払って観ても良いレベルでした。隅々まで良い出来でした。なるべくネタバレにならないよう表現しますが、テーマに関わるところはどうしようもないので、ご容赦ください。
焼却炉と"実家"の映像的対比、あえて看板の苗字を隠す演出、その隠された言葉が持つ意味、演劇の台詞と現実との交錯、ラストシーンの寸止め感、いろいろと見事でした。前年のアカデミー作品賞である「ノマドランド」なんかより、ずっと上質です。
ボクが読み取ったメインテーマの「本当の自分は?」「からっぽの自分」「別人格」「存在を忘れさせる」などの、本当の自分はどこか問題についての、各登場人物へのそれぞれの絡め方にも感服しました。
しかしなあ。「本当の自分」というテーマって、まったく自分には刺さらなくて。なんだか「古い」のです。テーマとしては手垢がついた感があって、現代を表していない気がします。村上氏の小説は、原作はおろか、1980年頃の短編しか読んでなくて世界観がわからず、原作については何とも言えません。
テーマが刺さらないのは、自分の中で、多様性とメタ認知が流行っているからかもしれません。「本当の自分」も「本当でないかもしれない自分」も、全部をメタに認めていくことで、自分の中の多様性を大切にしていこうとしています。
また一方で、無意識の声にも、できる限り敏感に感じ取ろうとしています。
本当の自分を求める旅とか人生というのが、どうも一周遅れの前時代的に見えてくるのです。なので、古いという感触でした。
あと、またまた勝手な想像ですが、音さんが言いたかったのは「子供を作りましょう」だったのでは。理由は消去法です。これ以外が見当たらなくて。この想像をする人は少なくないかな。
いろいろと憶測が飛び交っているこの、音さんが何を伝えたかったのかという謎と、ラストシーンの韓国ロケーション謎には、正解はないでしょう。どうとでも取れる部分を残す方が、作品に奥行きを与えるからです。クリエイターならやりかねないですね。やり方が上手い演出です。
心当たりのあるヒントがあったはずですが、記憶が曖昧なので書けません。
アカデミー賞を取るかどうかは、候補作はDUNEしか観ていないので、何とも言えません。
DUNEも、凄い映画でしたが、設定説明回でもあって、1話だけの単品評価はまだ早いでしょうね。DUNEの感想記事をnoteにもアップさせておきます。
全然関係ないけど、有名ヒット映画や知能指数低め映画で必ずいる、ポップコーンバケツの人たち、あれ、何とかならないですかね。平日とは言え、嫌な予感がしたので、端っこの席を前日予約しましたが、真後ろにバケツでした。
延々とムシャムシャ食べ続けていました。ゴソゴソムシャムシャ、ゴソゴソムシャムシャ。映画の間は、食べ続けないと気が済まないのでしょうか。あんなしょうもないものを大量に食べたら、次に食べる食事は美味しくならないのに。
popcorn, popcorn, yeah!
popcorn, popcorn, yeah!
popcorn, popcorn, yeah! それではまた。
↑何のことだか、わかりにくいな。
その後また映画評を書いています。
「再びドライブマイカー ボクには「あざとい」映画だった」