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紀州犬 リキ の思い出 第2話

  

  前のお話 ➡  第1話


《 ヘンな犬 》



子供たちが帰って来た。


「この犬どうしたの?!可愛いね!」
「可愛いオウチ!
    うちで飼うの?」

「そう、お父さんの友達から貰ったの」  

  ワーイ!


「名前なんて言うの?」と娘。

私「まだ決まってないよ。
みんなで考えようね」

娘と息子「そーだなーあ・・・・・・?」

生後4か月余りだというこの子は、
まだ幼さがあるけど脚が長くて力強い感じ。


「ちから」~~~~~  リキ?

私「ねえ、リキ ってどうかなあ?」

 息子「あ、いいね!」
 娘「ピッタリだね!」

  「リキ」に決まり!


夫が作った犬小屋のアーチ型の入り口の上に、
私が

  リ  キ


と青いペンキで書いた。
(写真が無くて残念)

  そこでAIに犬小屋の画像作成を頼んだら
  細々こまごまと注文したのにトンデモナイのばかり。
  また少し注文をつけ加えると
  その度に段々エスカレートして、
  瓦屋根の大きなオウチになってしまって
  そのオウチの中に祭壇みたいのがあって、
  その両脇にはご丁寧に猫が2匹座ってる絵になってしまった。
      ((+_+))

  おまけに「[ リキ]  と入り口の上に青色で書いて」
  と指示したらナント!どこの国の文字?みたいな字。
  「カタカナが書けないのね」と送信したら
  「いいえ、カタカナは書けます」と、
  自信たっぷりにまた見たこと無いトンデモナイ文字。   

    (;´・ω・) どこの国の言葉?



  もう諦めた。
  (その絵を取っておかなかったのは大失敗だった)


  数日経ってから再度依頼してみたら、
  いろいろ学習したらしく、すぐコンナノを描いてくれた。

              👇

こんなにガッシリした感じじゃあないけど
    ・・・犬小屋に階段?・・・まあいいかあ ( ´艸`)

  どうせ文字は無理なんだろうと、
  もうメンドクサイので注文しなかった。



玄関の横に犬小屋を置いた。
「ここがリキちゃんのオウチ」

子供たちが代わる代わる撫でたり抱いてみたり
餌をあげてみたり引き歩いたり いっぱい遊んで、
リキは「我が家の犬」に落ち着いたようだった。


 
翌朝起きてすぐ廊下の窓を開けて
リキ、おはよう!」と言うと、
オウチから出てきて嬉しそうにシッポをちぎれるほど振る。
なんだかもうすっかり我が家の一員だと認識してる様子。

そこで、犬って必ずと言って良いほど
人間の履物をかじってダメにしてしまう動物だから、
試しに早いうちに教えてみようかなと、
夫のサンダルを持って行って
リキの鼻先に差し出してみたら、
案の定かじりそうにしたので、
「ダメ!」と言いながらお尻の辺りを軽く叩いた。
そしてもう一度サンダルを鼻先に差し出したら、
なんて賢い!
今度は横目でチラッと見ただけで
私の目を見て尻尾を振っている。

まるで「かじっちゃいけないんだよね」
とでも言うように。
   (*^。^*)

「おりこうさん!」
頭をなでてあげた。


その日の午後
私は初めてリキを散歩に連れ出した。
ところが
道に出るまでは嬉しそうに私の前を歩いていたが、
数メートル歩くと道端の何かに気を取られて
匂いを嗅いでいて歩こうとしない。
暫く様子を見ていたけど
いつまでも“フンフン”していて全く動こうとしない。

  「リキ、行こう!」    

  

  ※  無 ・ 視  ※



引っ張っても脚を踏ん張って動かない ( ̄▽ ̄;)

もう仕方なく無理やり引き離すように引っ張って、
少し歩いたら また何かに気を取られて
“フンフン”していて全く動こうとしない。

この繰り返しでちっとも楽しくない。


犬の散歩って一緒に走るものだと決め込んでいた私は
ガッカリしてしまった。

そこで
鎖をチョンチョンと引いて「もう帰ろうか」と言ってみたら、
まるで言葉が解ったようにクルッと向きを変え、
今度はスタスタと歩いて家まで戻った。

  ?????

「ヘンな子だねえ」

家に帰ったら水をいっぱい飲んで、
オウチの前に座り、
私を見てニコニコ(みたいにシッポをフリフリ)してる。

  カワイーイ!

 

  ヤレヤレ (@_@;


  

  つ づ く













 
  


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よその あきこ
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