あなたは、自分に合った資産運用していますか?

先日、こんなご相談を
伺う機会がありました。


「相続で、
 個別株式を複数銘柄
 譲り受けたのですが、
 このまま持っていても
 良いと思いますか?」


あなたが、友人など
親しい方から、そんな話を
持ちかけられたら、
どう思いますか?
どう答えてあげたいと
感じますか?


先程のセリフだけでは、
何とも判断しにくい部分は
あると思いますが、
株式にせよ投資信託にせよ
不動産にせよ、
あなたが、何かしらの
運用にお金を投じているので
あれば、


「もらった株式であれば、
 そのまま持っていれば
 いいんじゃない?
 配当や株式優待も
 もらえるかもしれないから」


このように感じたかもしれません。


実際、私自身も、最初に
思い浮かんだことは、


「お金を産み出す資産を
 譲り受けたなんて、
 そんなラッキーなことないよ」


という発想でした。


そんな想いを頭の中では描きながら、
保有を続けるメリットとデメリットを
お伝えしました。


メリットとしては、
最初に思い浮かんだことと同じで、


「配当金や優待を受け取ることが
 できると、それを生活費に充てて、
 生活にゆとりが
 生まれる可能性がある」


それと、


「インフレ傾向にあり、モノの値段も
 あがりつつある昨今、会社の業績など
 によって変わる部分もありますが、
 物価高に合わせて株価も上がることで、
 お金の価値の目減りを防ぎながら、
 購買力を保てる可能性もある」


ことなども、伝えました。


デメリットとしては、


「値動きが気になる、
 保有していることがストレスに
 感じるなど、気持ちの面で
 重荷を抱く可能性がある」


ことを、お伝えしました。


さらにお話を伺っていると、
街中にある無料相談ができる
保険ショップでも、すでに
数か所で相談をしているとのこと。


そこでは、株式は売却をして
変額保険を保有することなど、
いくつかの提案を受けていました。


それも重なり、色々とまとまらず
困惑している様子が
見て取れました。


それらを踏まえて、最終的に私が
伝えたことは、


「説明を聞いたりする中で、
 自分が仕組みなどを理解できない、
 分からないと感じる商品には
 絶対にお金を投じない」


ということでした。


これは、値動きを予測するとか
そういう話では
もちろんありません。


その商品を保有していることで、


「どんなリスクがあるのか?」
「どんなコストがかかるのか?」


など、100%とまではいかなくても、
ある程度の仕組み、メリットや
デメリットのイメージは、
持っておくことが大切、
という意味合いです。


この言葉を、すごくしっくり感じて
頂いたようで、細かなやりとりは
割愛しますが、最終的には、
全部売却して、一度リセットしたい、
というお話になりました。


売却の仕方もご存じでなかったので、
手放す時の注文の仕方などもお伝えし、
すごくスッキリしたお気持ちになられて
いらっしゃるように感じました。


実際に行動をされるかは、
ご本人次第ですが、
タダでもらった株式であっても、
保有することに、
ストレスを感じる方も
いらっしゃることに気づく、
良い経験になりました。


資産運用立国という大義をかかげて、
国をあげて、貯蓄から投資へ、
という機運が高まっています。


金融資産の約半分が預貯金にある
という日本の現状を考えると、
その内の一部でも
株式や投資信託などへ移ることで、
株価などの押し上げ要因にもなり、
資産残高の増加に寄与すると思います。


資産運用に興味、関心がある人間から
すれば、そうなるのは嬉しい話です。


ただ、一方で、
今回取り上げた方のように、
どうしても、運用は嫌だ、
気持ちの面で受け付けないという方も
いらっしゃいます。


投資をしないことで、
資産の格差が広がる、
インフレ時には現預金の価値が
目減りする。


それは、事実だと思うけれど、
だからと言って、投資しないことが
良くない、みたいな風潮に
世の中が傾いてしまうような事態は
避けたいと感じています。


おそらく、金融教育がいまよりも
もっと普及し、知識などを
身につけたとしても、運用は
したくない、預貯金においておきたい、
という考えの方も、
一定数は存在し続けると思います。


私自身、投資、資産運用を始めてから、
かれこれ20年以上は経つこともあり、
(投機熱のあった時期も含めて)
新NISAのスタートもあいまって、
NISAやイデコなどの
制度を使いながら、
運用を少しずつでも
始めるのが良いと思う、
と伝えることが、最近多かったかな、
と感じています。


でも、実際は、
そんな方ばかりではない。


今回お伝えした方とお話をする
機会を通して、自分の中での
偏りが、少し修正されるような、
良い機会だったかな、と感じました。


私は、基本は、
資産運用に肯定派です。


金融資産、実物資産など、
自分が理解できるもので、
興味が合う対象を選びながら、
お金の置き場を考えています。


実際、自分の身近な存在、
交友関係の中では、
何かしらの資産運用を
している方が多いので、
どうしても、その目線から
見ることが中心に
なってしまっていますが、
そうでない方も、まだまだ
たくさんいらっしゃること。


そういう方に対しても、
そのお気持ちや考えに
寄り添いながら、
伴走者的にサポートできる。


そんな
ファイナンシャルプランナー
でありたい、と改めて
感じている今日この頃です。


あなたは、
自分に合った資産運用していますか?


お金を投じている商品などのこと、
理解できていますか?


周りが資産運用をやっているなどに
振り回される必要はないので、
あなたの気持ちが、
一番落ち着いていられる所に、
お金を置いておくことを、
第一に考えて過ごして頂きたいと
思います。

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