１１７

「熊の子見ていたかくれんぼって本当に存在するの？」
「なに？　いきなりなに？」
「いや、かくれんぼをさ、熊の子が見てたとしてさ」
「はい」
「熊の子、人食べたくならない？」
「そういう話か〜」
「子とはいえ熊よ？　ていうか熊の子に気づいてんなら逃げな？」
「熊とも仲良くなれる世界のこと言ってんだろうよ」
「じゃあなんなんだよ、お尻を出した子一等賞って」
「それはよくわからんけども」
「熊に対して煽り入れてるじゃん」
「そういう話か〜」
「度胸試し始めてるんだもん。かくれんぼどころじゃなくない？　しかも尻って。手とかならともかく尻って。熊の逆鱗に触れる気満々じゃない？」
「あれって直接尻出してるわけじゃなくて、尻が隠れ切ってないから一番最初に見つかったって話じゃないの？」
「だとしたら一等賞じゃなくない？」
「うるせぇ」
「だとしても熊の子を放っておいていい理由にはならないよね」
「もうだめだこいつに真実を教えてやってくれ誰か！　俺には無理だ！」