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存在しない男子高校生の会話

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※これは、僕の「こんな会話を男子高校生にしてほしいなぁ」を綴っただけのものです。発言、行動、現象、その他諸々含まれる成分は全て現実とは一切関係ありません。
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2019年11月の記事一覧

50

「この前読んでた本にさ」
「うん」
「『プールが終わった後の国語みたいな眠たさ』って表現があって」
「んおー」
「めちゃくちゃわかる! ってなりたいのにうちにはプールがない」
「ないなぁ」
「俺、初めてこの高校に絶望したよ」
「独特な引き金だな」
「中学にはあったじゃん? だから俺は中学の頃を思い出さなきゃいけないわけだよ」
「まぁそうなるかぁ」
「今せっかく高校生なのに、作品の中の高校生がそう言

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49

「どうやらこの世には猫カフェ、と呼ばれる場所が存在するらしい」
「まことしやかに囁かれているね」
「田舎にあるのは猫集会のみ。しかもそこに侵入できる人間は限られている」
「招かれないといけないからな」
「俺は……都会に住みたい……」
「もう行動の根元が猫だもんなぁ。探せばあるんじゃないだろうか」
「と思って探してみました。ないんだなこれが」
「ないのか〜、まぁカフェなんか行かないでもいっぱいいるし

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48

「気付いちゃったわ」
「何をだ〜い」
「俺、字が汚いから点取れねんだわ」
「また気になる言説だねそれは」
「読み返しても大体わからないんだよね。字が飛んでる」
「その表現初めて聞いたんだけど、それ字の綺麗汚い関係なく寝てるからそうなってるんじゃ?」
「だから書いてるときの記憶がないのか!」
「わからないんじゃなくて知らないんじゃん」
「確かに。新鮮だなこれ」
「それを新鮮とは言わないな。むしろ腐り

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47

「マジカルバナナ! バナナと言ったら?」
「物質」
「こら!」
「おっと、じゃじゃ馬がお怒りだ」
「嘘だろお前、あくまで俺が理不尽にキレてることにしようとしてるな?」
「まさか人が話しかけられないようにイヤホンつけてるとこにバナナ投げつけて来るとは思わないし」
「でも聞こえてるじゃん」
「ポーズだろこんなん」
「そんなのわかってんだよマジカルバナナやるぞ」
「その無限な熱量はどこから来るんだ。マジ

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46

「王様にはなりたくないけど王子様にはなりたい」
「へ〜、なんで?」
「実権握るとマジで面倒だけど王子なら何をしなくてもちやほやされて王家のいいとこ取りできるから」
「王子様を、ひいては王様を、さらにひいては王家そのものを嘗めている」
「実際そうじゃん! 漫画では」
「異議異議。漫画を引き合いに出したらもう実際ではありません」
「じゃあ現実における創作物では王子様ってそう扱われがちじゃん!」
「創作

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45

「部屋の扉を自動ドアにしたいって思う時あるじゃん」
「おー、あるよ。ないけど」
「でも電動は設置と維持に金かかりすぎるから、なんとか工作の範疇で済ませたい」
「あれ、俺今アイデア求められてる? やる気も含めてないんだけど」
「どうせやることないでしょ。考えてよ」
「床下に重量センサーを仕込む」
「おう」
「それを扉の設置面に配置されてる火薬と連動させる」
「おう」
「センサーが反応したら扉が自動で

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44

「呼吸するごとに睡魔がやってくる」
「あくびが来たりて笛を吹く」
「笛はうるさい! 起こすな!」
「学校で寝るな」
「睡眠導入話術学の時間だよ。仕方ない」
「古典です」
「略すな」
「略してない。ていうか、その時間は睡眠導入話術を会得できなきゃいけないじゃん。寝てる場合じゃないな」
「『寝ることを主とした歴史言語を流し聞く時間』」
「『闇の魔術に対する防衛術の時間』みたいなことになってくる」
「実

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43

「ドライアイスで遊ぼう! って集まりが来週うちの地区であってさ」
「行くんだろ? 行こうや」
「話のわかる男〜! 大沢たかお〜!」
「なんで大沢たかおなのかはよくわからんけど」
「違いのわかる男だから」
「察せなくてごめんな」

〜次の週〜

「わかってたけど小学生しかいないな」
「なー。まぁ友達に年齢は関係ないわ」
「友達になろうとしてんのか」
「ほら、呼ばれたぞ」
「すんごく浮く気がする」

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42

「一人暮らしするとしたらどこにしたい?」
「そりゃー都内っしょ」
「23区内?」
「東京って23区外があるの?」
「うおーよかったなここが田舎で。東京でそれ言ってみろ住む場所失うぞ」
「えっそんなに罪深い言葉だった!?」
「だった。で、どこ」
「渋谷とか、池袋とか。あー新宿もいいな」
「どんな部屋がいい?」
「くつろげりゃなんでも」
「あぁそう。じゃあ広さは今のお前の部屋ぐらいでいいよな」
「2倍

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41

「次の土曜空いてる?」
「素直に明日って言え。空いてるけど」
「ユニクロに服を買いに行く、とかいうそれっぽいイベントを開催しない?」
「それがイベントになっちまうのは田舎の悲しいとこだよな。いいよ」
「オッケー。じゃあ駅前に昼ごろ集合な」
「待ちたまえや」
「清濁入り混じった言葉使いだな。なに」
「お前の『ごろ』って、実際何時を指してる?」
「えー? それはそんときの気分じゃん」
「今まで言いそび

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40

「先生」
「俺は先生じゃありません」
「いいボケが見つかりません……!」
「俺は先生じゃないので、引導を渡してやることしかできません。オメー素でボケなんだから考えるなただ生きろ」
「天啓だな!」
「目には目を歯には歯をお前はボケろ」
「『ケろ』しか韻踏んでないのに語感だけいい! そういうボケしたいわ」
「お前のボケに向上心を和えると厄介な一発屋芸人みたいになるからやめなさい。先生との約束だよ」

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39

「継続は力なりって言うじゃん」
「言うね」
「継続し続けると攻撃力上がるってことじゃん」
「1歩目から曲解か。いいよ続けて」
「今日まで生き続けてる俺らって、常に今日が最強ってこと?」
「なんだろうな、なんか、よくそんなことをそんな澄んだ目で聞けるよな」
「褒めんなよ」
「褒めてないよ。ボケであれよって思うこっちの身にもなれよ。そんなことガチで聞くんじゃない」
「で、どうなの?」
「興味が幼稚園児

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38

「質問です」
「デーデンッ」
「毎日欠かさずやっていることは?」
「呼吸」
「そーいうことじゃなくてさぁ!」
「ごめんごめん、水やり」
「水やり?」
「そう。玄関先のやつに」
「花とか育ててんの?」
「いや」
「じゃあ何」
「つくし」
「おっと……」
「つくしが毎年生えるように、水やりしてる」
「とんでもない闇を、引き当てちまったな」
「別に摘んだりはしないんだけど、育つと嬉しいし」
「引いてるの

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37

「今日は〜、やる気が〜、出ない」
「いつも出てない」
「生きる気力でどうにかしてるけど今日はもうそれすら」
「枯れちゃってるな。何があったの」
「朝ごはんがなかった」
「なかった方か〜。なんでよ」
「昨日から謎に旅行行ってんだ。母さんと父さん」
「なんでこのタイミング?」
「休みが合う日が昨日今日だったんだと〜。俺は置いてかれた。連れてけ!」
「どこ行ってんの」
「沖縄〜」
「今の時期にぃ?」

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