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「マジカルバナナ! バナナと言ったら?」
「物質」
「こら!」
「おっと、じゃじゃ馬がお怒りだ」
「嘘だろお前、あくまで俺が理不尽にキレてることにしようとしてるな?」
「まさか人が話しかけられないようにイヤホンつけてるとこにバナナ投げつけて来るとは思わないし」
「でも聞こえてるじゃん」
「ポーズだろこんなん」
「そんなのわかってんだよマジカルバナナやるぞ」
「その無限な熱量はどこから来るんだ。マジカルバナナ発電でもしてるのか?」
「人ありきのゲームで自家発電は悲しすぎるでしょ。機嫌悪いな今日。どうしたの」
「......」
「放送席〜」
「......」
「実況席〜」
「......」
「これは中々だな。帰り唐揚げ奢ってやるよ」
「おっ。いいとこあるじゃん」
「チョロい。弟くんとなんかあったか」
「あったなぁ」
「喧嘩か」
「そうだなぁ」
「そんなんマジカルバナナすれば忘れるぞ」
「マジカルゴリラにしか効かない技術やめろ」
「マジカルゴリラってなんだよ」
「バカ弟のことだよ」
「であれば効くじゃねぇか」
「そうじゃん。ウケる」
「とりあえず帰り待ってろよ、俺を待ってるお前を唐揚げが待ってるからよ」
「なに、放課後なんかあんの」
「数学の課題忘れたから居残りでやらされる。ついでだから教えて」
「お前それが魂胆だろ!」
「バレました」