『低賃金にあえぐ介護職』が気づいていない「介護の仕事」のメリットとは
今回はこの記事を見ていきます。
【記事の概要】
・今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
[ケース1]
・子育て中の高橋美幸さん(仮名、42)は夫婦ともに東京都内で介護職として働くが、家計はギリギリ。たまの外食の楽しみにも制限がかかる。
・特別養護老人ホームで働いていた美幸さんは同僚と職場結婚。産後は子どもを保育園に預け、近くの実家も頼りながら夫婦で夜勤をこなした。
・それも限界となり、3人目の出産を機に夜勤のない介護施設を探した。
・ただ、どこも「正職員で夜勤なしでは雇えない」「子育て中だからと夜勤免除はできない」と門前払い。パートの訪問介護職に転じた。
・月収は8万円。夫は20年も勤める職場で管理職になったが、月の手取りは約28万円。
・貯金しようにも最低限の生活費で収入は消えていく。中学生の息子2人は食べ盛りのため外食の出費は痛い。
・美幸さん夫婦の世帯年収は約500万円。日本の1人当たりの平均年収458万円とそう変わらない。学資保険で子ども1人当たり200万円の学費を準備しているが、私立の高校や大学に行くとなれば賄えなくなる見込みだ。
[横行するマタニティーハラスメント]
・全国労働組合総連合(全労連)による「介護労働実態調査」(2019年)では、介護職の女性の8人に1人がマタニティーハラスメント被害を訴え、妊産婦が免除されるはずの夜勤や当直で4割が免除されなかった。
・子育てのため非正規雇用になった小池理恵さん(仮名、41)も、
「もともと家計が厳しいのに、物価高でさらに大変です」
と日々、節約に余念がない。
・理恵さんは関東地方の介護施設で妊娠中や育休明けに夜勤が免除されず心身を壊し、数年前から訪問介護などでパート勤務するようになった。
・今はグループホームの夜勤だけ週に1回程度、1回1万5000円で行う。
月収は約8万円。病院勤務の看護師の夫の給与は手取り24万~26万円で、2人の収入では赤字寸前。
・家族は皆ラーメンが好きだが、物価が上がってからは外食を控えてインスタントラーメンを買って家で作る。
「子どもにひもじい思いはさせたくない。安いものでもたくさん食べられるようにしています」
「子どもが成長すれば、ランドセル代や制服代など何かとお金がかかります。
夜勤をこなしても最大で月20万円程度。それではつらい」(理恵さん)。
[結婚にも影響が出る]
・茨城県在住の佐藤祐介さん(仮名、37)は
「介護職は結婚が難しい。女性が年収の高い相手を求めたら、どうしようもない」
と、苦笑いする。
・当時勤めていた特養やグループホームの給与は手取りで月15万~17万円。目の前の生活で精いっぱいだった。
・現在、サービス付き高齢者向け住宅で働く祐介さんの年収は300万円に届かない。
・それでも月の手取りが22万円を超えて、
「やっと貯金できるようになり、心に余裕ができました」
と言う。
・アパートの家賃5万円と光熱費や食費などの生活費を支出しても、手元に1万~2万円残るようになった。
・スキルアップのため介護福祉士と社会福祉士の資格を取ったが、給与に反映された資格手当は月に1万5000円程度。
昇進したとしても月給30万円が最高水準で、将来の見通しが立たない。
・元は一般企業の営業職で初任給は手取り20万円だったことから、
「介護職はいくら経験を積んでも、企業でいう初任給水準がずっと続く」
と悟った。
「独身のまま高齢になって、孤独死するのが怖いです」と不安を抱く。
・日本医療労働組合連合会の寺田雄・中央執行委員は
「介護職で働く人は低賃金で生活が成り立たず、将来不安を抱く人が多い。せめて全産業平均まで介護職の賃金を引き上げる必要がある」
と指摘する。
・そして、冒頭の美幸さんは
「介護職は子どもを産み育てるなと言われているようなものです」
と憤る。
・改めて、介護職の処遇とその生活に目を向ける必要がある。
【生活コストが高い場所こそ、自分の価値観の見直しを】
こうして記事を見ると
「やっぱり介護職って給料低いんだ😰」
「介護してる人が一番『福祉(人のしあわせ、ゆたかさ)』から遠いじゃん😓」
と思われるかも知れません。
ただ、この記事は「関東地方」に住まわれる介護職の話であり、物価だけでなく元々の生活コスト全般が高いことに注意が必要です⚠️
同じ条件でも地方へ行けば生活コストは下がり、そこまで苦労しなくても済む訳ですね。
こちらを見て単純比較しても生活費が安い県と高い県では月10万円の開きがあり、「どこに住むか」は『固定費』を抑えるための必須項目と言えます。
もちろん居住地や勤務地を変えるのはすぐできることではありませんが、
・どこでお金を使っているのか
・同じものをもっと安く使えないか
・そもそも本当に必要なサービス、物なのか
こうしたことを改めて見直し、「これまでの常識・価値観こそ自分を追い詰めているのではないか」と気付くことが大切です。
【「介護職の給料だけ」で解決しようとしない】
加えてどの方も「副業」の視点がなく、「介護職としての給料だけで何とかしようと考えている」ことにも課題があります。
介護保険制度に則る以上、その財源は「公費+保険料」、すなわち広義で見た「国民から徴収される『税金』」。
この分野で働く以上、満足な給料を得ようとすれば「自分を含めた国民全体を貧しくする」システムを促進するばかりとなります😨
このことに気づけば
・介護職から転職する
・副業する
という選択肢が見えてきますし、どちらにしても「介護職としての能力」だけでは足りないことがわかります😶
「そんなの嫌だ、介護の仕事だけして生活していきたい!😤」
「なんで介護職だけこんな目に遭わなくちゃいけないんだ😡」
と言いたくなる気持ちもわかりますが、介護で高収入を出す為には
①報酬単価が高く、ランニングコストの低い事業を積極的に行う
②経営者に、従業員へ高い給料を払う意思がある
といった流れが欠かせませんし、これ自体は介護分野に限らずどの業界でも構造的には同じです。
つまり「介護職だけの給料で十分な暮らしをしたい」のは勤め先次第であり、「介護職だけが辛い」訳でもないのです😥
よって、こうした「運任せ」で給料を望むよりも、副業をして自分の手でお金を稼ぐ方が
⑴給料を『自責』で考えられる
⑵自分の能力が上がる
⑶副業での人脈が得られる
⑷生活基盤が複数になり、仕事で理不尽を受け入れたり無理をしなくても済んだりする
⑸本業である介護を多角的視野で捉えられるようになる
⑹国民に税負担をかけない
といった恩恵を得られる訳です👨🏻🏫
もちろん、副業して収入を得る為には大なり小なり苦労が要ります。
「本業の介護で疲労した上で副業に充てる時間や労力がない」
と言いたい気持ちもよくわかります😔
しかし、他ならぬ『自分』自身が選んだ介護の仕事で、他ならぬ『自分』が「お金が足りない」と感じているのなら。
『自責』の念で副業にあたり、自身の能力を磨き上げて人脈を広げ、本業である介護へフィードバックさせることで環境的に余裕を持つことが重要ではないでしょうか。
僕自身、職場を転々としてきましたが「うちは副業は禁止です」という施設ではイノベーション(改善思案)が起きずに、
・今の時代なら悩まなくてもすぐに解決できることで悩み、苦しむ
・肉体的、精神的負担を欠けずに済む業務で不必要な負担を掛けさせる
・組織全体が変化を拒み、「これしかない」と内に閉じこもって派閥同士で傷つけ合い、『理不尽』や『ハラスメント』を生む
といった構造を、そこかしこで見てきました😔
「何か一つに頼る」発想こそが自分たちを貧しくしていることに、どうあっても気づかない訳ですね😭
だからこそ、「副業OK」「Wワーク可」を謳う会社・組織から自責に基づいた問題解決思考ができる人材が集まり、給料に限らず業務上の課題を解決できるチームが作り上げられるのです🤝🏻
【まとめ】介護職は「挑戦しながら食べていける」職
今回は「低賃金にあえぐ介護職の実態」を見ていきました。
シンプルに「だったら何故介護の仕事をしているのか」という話であり、『働く目的』が迷走しているように見えます。
それは、介護の仕事の『不足』ばかりを見て、介護の仕事から得られている『充足』から目を逸らしているようでもあり、
「高収入とは言えないが、収益は安定している」=「生活基盤を築きやすい」
という最大のメリットを介護職はもっと有効活用した方が良いと思います💪🏻
「お金が欲しい」だけなら転職できるように自分の力量を高めれば良いし。
「介護の仕事が好きだからやっている」のなら、介護の仕事以外の時間で必要なお金を自分で稼げば良いのです。
そも、働くとは「傍」を「楽」にするもの。他の誰もやりたがらないが、必要なものをやることです。
よく「好きを仕事に」と言われますが、好きなことは「誰もがやりたがること」なので、仕事にするのは難しい。
であれば、社会に必要な『介護』を担うことに誇りを持ち、一方で自分が生活していくための知識や技術を別で学び、「好きなこと」として稼いでいく。
こうした発想に切り替えられた時、「挑戦しても食べていける」介護の仕事がどれだけありがたいものかにも気づくことになるでしょう😊
今回もここまで読んでもらい、ありがとうございます☺️
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