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資格の更新制度が撤廃されればケアマネは増えるのか


ケアマネの人材確保を妨げるのは「更新制度」ではないか。そんな内容の記事を見ていきます。

【記事の概要】


・2035年に団塊の世代が全て85歳を超えていく頃、『ケアマネジャー枯渇』という最悪の事態に陥りかねない。

・優先して実施すべきはケアマネ資格特有の更新制度を撤廃し、有資格者がいつでも業務に就ける制度へ改めること。


[背景]


・介護従事者のケアマネ人気を低下させている大きな要因の1つに定期的に課せられる更新研修の負担がある。

・社会福祉士、介護福祉士、医師、看護師、保健師などに更新制度は存在せず、今の「女性活躍社会」にも逆行している。

・更新切れの有資格者が直ぐに復帰できない仕組みは様々な事情を抱える働き手にとって厳しく、また更新に係る費用も多くの場合は自腹となる。

・実務トレーニングも必要かもしれないが、すぐに業務に復帰できるようにすれば、仕事をして一定の給与を得ながらトレーニングすることも可能。

・ケアマネの平均年齢が50歳を超え、今後30代後半から50代の『潜在ケアマネ』に復帰してもらわないと、人材確保はいよいよ難しくなる。


[質の担保]


・居宅介護支援費(介護報酬)に加算を設け、それを定期的に研修を受けるインセンティブとするのはどうか。

・一定の研修を修了したケアマネが従事している事業所を評価し、事業所内・法人内での研修受講を働きかける案も。

【介護の『質』幻想】



個人的にケアマネに限らず

介護の『質』を定めるのは(当事者である)利用者

という考えであるため、質云々に関しては基礎さえ押さえていれば五十歩百歩といったところです。


質にこだわるのは専門家と思い入れのある介護従事者くらいであり、利用者としては介護が必要となった生活でもつつがなく過ごせれば大差ない、というのが現実的ではないでしょうか。


そもそもケアプラン自体「ケアマネでなければ作ってはいけないもの」ではありません。利用者当人が自分でケアプランを作っても何ら問題はないのです😳

ただ自分で作るにしても専門的な知識や煩雑な手続きが必要となるため、専門職であるケアマネに任せるのが一般的という話なのです。


であれば

・専門的な知識
・煩雑な手続き

これらの条件をクリアしたケアプラン作成アプリを一般配布し、家族や友人・知人等と一緒にケアプランを作できるようにすれば、

「ケアプラン作成においてケアマネを必要としない(=人口減少に対応できる)状況」

を生み出せるのではないでしょうか。


利用者当人が望んでいるか定かではない『質』にこだわり、その為に資格の更新制度が打ち崩せずに深刻な人材不足を招いて利用者を困らせているようでは本末転倒なのですから😔

【権利擁護と先達の『知恵』】



ケアプランがAIで自動作成ができる今の時代で「ケアマネの『質』」を問うのであれば、それは『権利擁護(アドボカシー)』の一点に集約されることとなるでしょう。

アドボカシー(英:advocacy)とは、「アドボケイト」と同じ語源で「擁護・代弁」や「支持・表明」「唱道」などの意味を持ち、同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定に影響を与えることを目的とした、個人またはグループによる活動や運動を意味する。

Wikipediaより


AIやソフトがどれだけ最適化したケアプランを立てたとしても、ケアマネは『人』として複合的・多角的な視野でもって

①利用者の人権が守られているか
②守られていない場合どのようにして守るか


を判断する立場を保つことが求められることになり、これ自体は現在と何ら変わりありません。


そしてこの判断は一朝一夕で身につくものではなく、また研修等で型を教わればどうにかなるものでもありません。

あくまで「一人の人間として『ヒトの価値』をどう考えるか」という『命の哲学』が重要となります。


この課題の最前線で働いてこられた先達の『知恵』が継承されないまま途絶えるのが「深刻な問題」なのは明らかで、更新制度で参入障壁を設けている場合ではないのです😨

【まとめ】



今回はケアマネの更新制度に関する記事を見てきました。


僕自身もかつてケアマネの資格を持っていた一人でしたが、更新の煩雑さと「この業務の大半は自動化した方が良い」と考えた結果、仕事として資格を用いることなく更新期限が過ぎ、今に至ります。
(同様の理由で『相談支援専門員』も資格を持ったまま更新していません)


もちろん今その役割で働かれる方々を否定する意図はありませんし、身体を壊されぬよう祈るばかりです🥲


更新制度が撤廃された場合でも、どれだけの「潜在ケアマネ」が現場に戻ろうとするか。

そもそも世間が望むのは「現場で自分の親を介助してくれる介護職」であり、介護人材不足から入居待機を余儀なくされる事態が一刻も早く解決されることではないでしょうか。


その意味でも、更新制度が撤廃されたとしてもケアマネの人材不足はなかなかシビアではないかと思います。




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