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介護職員による高齢者虐待が過去最多。それでもまだ「精神性」を軽んじますか?
これまで介護・福祉の本質を『生命の価値』、すなわち
「ヒトがどれだけヒトを愛せるか」
とお話ししてきましたが、それを逆説的に裏付けるようなニュースが年末に出ていました😔
介護職員による高齢者虐待が過去最多だと、厚生労働省が公表したのです🥲
【記事の概要】
・厚生労働省が公表した昨年度の高齢者虐待の実態を把握する調査の最新の結果によると、相談・通報の件数、虐待判断の件数はいずれも3年連続の増加し、過去最多を更新した。
・職員による虐待の主な発生要因は
①知識・意識の不足
②ストレスや感情コントロールの問題
③倫理観・理念の欠如
であり、種別で見ると「身体的虐待」が最も多く、次いで「心理的虐待」「ネグレクト」「経済的虐待」となる。
・昨年度の親族など養護者による高齢者虐待の相談・通報の件数は初めて4万件を超え、親族による虐待の判断件数は横ばいで推移している。
【それでもまだ精神性を軽んじますか?】
以前お話しさせていただいたように、近年の介護・福祉は「介助・支援」の方法論に偏り、「介護・福祉」の本質を見失いつつあります👨🏻🏫
2024年に介護報酬改定がなされ、「表面上のプラス改定」と「事実上の減算」を受けた訪問介護事業者が過去最多の倒産を迎えたことは、記憶に新しいところです😰
東京商工リサーチによれば、その原因は「販売(売上)不振」が最多となり、慢性的な人手不足と物価高が相まって倒産の増勢を招いている、とのこと。
この一点だけでも介護報酬改定による介護・福祉の方向性誘導には限度があることが見えていますが、そうして誘導しない限り変化・成長が促せない業界であるのもまた事実です😶
長らく「介護の生産性」向上の必要性を訴えても現場の腰が重かったのが、報酬改定による「生産性向上推進体制加算」のウェイトを足すことで半ば強制するような形で導入が進められたことも、以前取り上げました。
しかしここで明らかにされたのは「加算のための介護ロボット等テクノロジーの導入」が進んだだけで、その多くは現場の声を反映させておらず『置物化』しているという現実でした😓
加えて介護職員数が介護保険制度創設以来初めて減少というニュースも飛び込み、いよいよ介護保険制度というシステム自体の綻びが目に見える形にまで進行したことが伺えます👀
これらは社会全体として「ヒトがヒトを愛せていない事実」を証明するものと言えますが、それでもまだ介護・福祉業界、さらに言えば日本の社会全体として『精神性』を軽んじるのでしょうか?
【『自分狭窄』と「一億総介護職時代」】
もっとも、「精神性」という言葉には危うさもあり、精神性を重んじるが故に必要な手立てが届かなかったり、変化が受け入れられなかったりする弊害があります😥
ただこれは精神性の問題というより「精神性を扱う人間側の問題」であり、精神性を軽んじるのも重んじるのも、それが『偏り』である内は同じ穴のムジナです🦡🕳️🦡
それらは総じて「今だけ金だけ自分だけ」という『自分狭窄』に陥っていると言え、自分のあり方・生き方そのものが問われています。
「今が楽しければ後のことはどうでも良い」
「お金さえもらえれば何だって良い」
「自分さえ良ければ周りのことは知ったことではない」
そうした自分の利益だけにフォーカスしたあり方・生き方を望み、実践する人が増えるほど社会保障は機能しなくなります。
『自分狭窄』のあり方・生き方では一人ひとりに「他人を労り、愛する気持ち」が湧かないのですから、皆が好き勝手なことをしてしまい、社会というコミュニティが維持できなくなる訳ですね😱
そしてこのことは連日流されるニュース(事件・事故)が証明し続けている訳ですから、具体例には事欠きませんし、介護虐待はその際たる例と言えます😭
[「自分狭窄」の先にある『貧しさループ』]
それでも社会を維持するためには、表面上であっても「ヒトがヒトを愛せている体裁」を取り繕わなくてはならない訳ですから、これまでは『お金(報酬)』を介在させて、どうにか社会保障として介護・福祉サービスを維持してきました😶
しかしインターネットやスマートフォンの普及から「誰でも瞬時に情報にアクセスできる時代」となった今ではその『お金』、給与に関して介護・福祉業界が平均よりも低いことが明らかにされています💸
また、SNS等では現場の職員らが無自覚に愚痴を連発することで「外部からの評価」を著しく下げたことから、イメージとして
「介護・福祉の仕事は給料は安いし、仕事はキツイ」
と介護職員自ら宣伝(言わば内部告発)し、
・慢性的な介護人材不足
・介護報酬による『貧しさループ』の形成
を生み出してしまった訳ですね😰
その結果、介護・福祉の現状は「誰もやりたがらない仕事」となり、介護・福祉関連問題が深刻化していくのです😥
[「誰もやりたがらない仕事」が「誰もがやらざるを得ない仕事」になる]
市場原理で言えば「必要とされない仕事は淘汰される」訳ですが、介護・福祉は社会保障の一環である為、常に需要があります。
つまりヒトが生き続ける限り需要が生まれ続ける為、介護・福祉はどれだけヒトがやりたくなくても「やらざるを得ない仕事」になるわけですね👨🏻🏫
それでも人手不足が解消されなければどうなるか。一つの未来として挙げられているのが「徴介制」です。
徴介制とは、例えば学生による「実質強制参加の介護ボランティア」など、制度による介護人材投入を指します。
学校教育が「点取り教育」である内は、こうしたボランティアは内申点にプラスとなる『報酬』として用意できる訳ですから、徴介制による学生介護ボランティアが全国一斉とならない限りは多少なりともメリットを提示できるでしょう😑
ただそれは構造的に『介護報酬』と何ら変わりなく、介護・福祉を「よりやりたがらない仕事」にさせて人材不足を加速させる可能性もあります。
「嫌々やらせるもの」を「やりたがる」人は滅多におらず、より「嫌いにさせる」ことになるのは火を見るより明らかだと言えます😔
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[「やらざるを得ない」になる前の『一億総介護職時代』]
こうした「徴介制」になる前に、今の私たちにできることとして
・副業としての介護・福祉
が挙げられます。
本業の傍らで副業として収入を得ながら介護・福祉に携わるあり方です😊
この場合、「副業による収入増」を図る以上に「地域における介護人材不足解消」に重きを置く働き方となります。
1日1〜2時間程度、本業の前後に「介護人材」として働くことで介護人材不足の緩和をもたらせる訳ですね👨🏻🏫
「いやいや、なんでそんなことをしなくちゃならないんだ😠」
と思われるかもしれませんが、先にお話ししたように、そうでもしなければ介護人材不足から「徴介制」の流れとなり、「やりたくないのにやらされる」ことになるのです😓
人口動態が減少の一途を辿る日本において最早「介護・福祉に関わらなくても良い人」は一人もおらず、現時点で
・自分の家族を無料で介護するか
・他人の家族を有料で介護するか
の二択を迫られる『一億総介護職時代』に突入していることを胸に留める必要があるのです😮
それでも多くの人々が自分狭窄のまま見て見ぬ振りを続けていれば
・老老介護
・介護離職
・ヤングケアラー
といった諸問題は深刻化し、巡りめぐって自分自身にも何かしらの負担が降り注ぐようになります😔
それだけに留まらず、このまま介護・福祉現場で働く職員・事業者の負担が限界を超えてしまえば「虐待」「倒産」が相次ぐようになるのは明白で、これを食い止める為に
「1日のうち、わずかでも介護・福祉に携わる時間」
を設けることが、自分や家族、親しい人々を「介け護る(たすけまもる)」ことにつながるのです🤝🏻
【まとめ】介護・福祉を自分事に
今回は「高齢者虐待過去最多」のニュースから精神性の大切さの話をしてきました👨🏻🏫
精神性を軽んじて「今だけ金だけ自分だけ」の『自分狭窄』に陥る人が増えるほど社会保障は機能しなくなり、生命の価値が守られなくなることで虐待は増加する。
根本原因は「今を生きるヒト」にあり、
「ヒトがどれだけヒトを愛せるか」
という問いを『虐待』という目に見える形にして社会に現した、という事でした。
本来なら「ヒトがヒトを愛する気持ち」によって介護・福祉が成立する形が良いのですが、
これだけ自然と分離させられた現代社会において。
世代が分断させられた家族において。
『愛』や『愛情』を感じる機会は日々失われ「自分が自分を愛する以外にどうしようもない」と自分狭窄に陥るヒトが増えていった結果が『2025年の今』です。
愛情の代わりに報酬(お金)を求めたのが資本主義社会であり、その社会において『金銭的価値』を生み出せない構図にあるのが
・財源を「広い意味での税金」とした制度ビジネス
であり、介護保険制度もその一端にあります。
この枠組みに囚われている限り、すなわち愛情の代わりに報酬を求める限り「そこに愛はない」のですから、介護・福祉は本質から外れる為、いつまで経っても成立しません😭
「お金が満足にもらえないなら介護・福祉には関わらない😶」
そう考えている人が多い内は今後も介護人材不足や倒産、虐待などの諸問題は起き続けてしまうでしょうし、そうならない為の対策として
・「ヒトがヒトを愛する」精神性を、偏ることなく大切にすること
・(徴介制、一億総介護職時代に備えて)1日のうちにわずかでも介護・福祉に関わる時間を設けること
に関して、つまり「介護・福祉を自分事にする」お話をしてきました😊
今回もここまで読んでもらい、ありがとうございます☺️
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