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『報酬』に操られる日本の介護・福祉と、求められる人物像
今回はこの記事を見ていきます。
【記事の概要】
・新年度の障害福祉サービス報酬改定では、情報公表制度を通じてサービスの内容などを公表していない事業所・施設の基本報酬の減算(最大10%)が導入される
・厚労省は
「指定更新や運営指導などの際に未報告が確認され、自治体が指導したにもかかわらず事業所が報告を行わない場合に適用する」
との認識を示した。
・現在事業所・施設は情報公表制度に基づいて「サービスの内容」「体制」「運営方針」などを自治体へ報告するよう求められているが、新設される
「情報公表未報告減算」
では、これを適切に実施していないと基本報酬を減らされることになる。
・施策の狙いは、利用者の選択に役立つ情報の提供や災害時の速やかな情報の共有など。
・また厚労省は「報告を行わない事実が生じた場合、その翌月から状況が解消されるまで利用者全員について減算する」と明記。
「未報告の時点まで遡って減算する」とも。
・ただし新規指定の際などに報告を行っていれば年1回の更新がなくても減算にならず、災害などやむを得ない事情がある場合は対象外となる。
【いつまでも「隠したまま」ではいられない】
2023年を振り返るだけでも、障害者福祉分野でさまざまな不祥事がありましたね😢
共通して言えるのは
・内情が隠されており、「施設独自のルール」が横行していた
・利益(快楽)優先で利用者への想像力に欠いていた
という『コト』〉『ヒト』の構図であり、「人が人を好きではない有様」が事件・事故にまで膨れ上がった事例です。
こうした背景を踏まえての改正だと考えられますが、ここには情けなさが際立ちます😥
「規制されなければこんなコトも守れないのか」と。
食費を不当に扱ったり、必要な医療を受けさせなかったり、暴言・暴力で従わせようとしたりするのは、福祉経営者および福祉実践者として「福祉とは何か」の哲学が足りていません。
そうした有様でもこれまでなら隠し通せていたかもしれませんが、施設の情報公開に減算が組み込まれることで徐々に隠し切れない状況へと変わっていくのでしょう。
【『報酬』に操られる日本の介護・福祉】
一方で、情報公開に減算が付くようになると、「国が示す方向性」に施設・職員はより従わなければならなくなるでしょう。
それは、今ですら感染症対策として海外の論文では効果が疑わしいとされる対応を求められているのですから、日本の介護・福祉が『報酬』に操られる実態をより鮮明にすることにもつながります😨
『正しい』施設、『正しい』職員であることを求められ、情報公表し、それでようやく「改定前通り」なのですから、今回の減算でこの分野で働く人々がより働きにくくなることが予想されます😔
ただでさえ福祉人材は輪をかけて不足が懸念される中で、ごく一部が「不当な利益(快楽)追求」をした結果業界全体を蝕まれるのでは、
「だったら別の仕事でいいや🙃」
と思われても仕方ないことなのかもしれません😭
だからこそ、「私はなぜ福祉の仕事をするのか」といった目的意識や「福祉とは何か」といった哲学が、今後の福祉の明暗を分けることになります。
そして、それだけの人材で福祉サービスが行き渡るような仕組みを導入する流れは止められないでしょう。
そうした未来で、福祉人材として求められる力量・人物像とは何か。
今後も介護・福祉業界で生計を立てるのなら、この問いへの答えを自分で持っておく必要があります。
今後、日本の介護・福祉は社会情勢に応じて科学的介護へ移行することは避けられません。
そこで求められるのは「科学的根拠(エビデンス)」であり「数値で再現できるデータ」です。
これは『正しい介護』を利用者に適応させるものとも言え、その流れに対して介護報酬が設定される以上、施設や現場職員はこの流れに抗うことはできません🥲
それどころか「科学」と名が付けば無条件で正しいと思い込んでしまう危うさすらあり。
介護ロボット等テクノロジーがもたらす利便性を絶対視して、そのテクノロジーによって「生かされる」利用者
という『コト〉ヒト』の関係性の歪さに気付けなくなる可能性も考えられます😨
現場にいる職員が『ヒトの価値』を見失い、『報酬』を求めて「正しさ」を疑えずに従うようになれば、人は『情のネグレクト』という未曾有の孤独を晩年に迎えることになるでしょう😭
それだけに、科学やテクノロジーを適切に扱えるよう日々学ぶ必要がありますし、それには「自然と科学の関係性」から理解するところから始まります😊
加えて「福祉とは何か」「なぜ福祉の仕事をするのか」といった福祉哲学を日々の実践から磨き上げて
「『ヒトの価値』を提供できる介護・福祉人材」
となることが、これからの時代に求められる人物像と言えます👨🏻🏫
【まとめ】介護・福祉職としてどう生きるか
今回は「『報酬』に操られる日本の介護・福祉と、求められる人物像」についてお話ししてきました。
今回の減算が導入されても尚「とはいえ、ウチはウチのやり方でやります」といった施設、職員は多いでしょう。
しかしそれすら、段々と「外からの空気感」によって変えざるを得なくなります😮
これまでと同じやり方で募集しても、利用者・職員が集まらなかったり。
これまでと同じやり方で働いても、忙しくなる一方で収益が上がらなかったり。
そうした「身に迫る危機」によってようやく動き出すことになるでしょうが、その頃には周りも動き出すか、あるいは対応済みの所が増えている為、その成果はあまり得られないでしょう😰
自分たちが望む・望まないに関わらず、変化は遅かれ早かれ受け入れざるを得ないのです。
であれば、あなたは、あなたたちはどう生きるか。生き残るのか。
国頼りのままではいられないことは、能登半島地震での「公助」の動きを見ていれば自ずと察せられます。
既にタイムリミットは過ぎているように感じますが、それでも「やらない」より遅いことはありません。
自分で調べ、考えて、選んだ先で動き出すことを祈って。
今回もここまで読んでもらい、ありがとうございます☺️
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今回の記事に共感してもらえたり、興味を持ってもらえたなら、ぜひご覧ください☺️
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