見出し画像

介護・福祉職の副業が難しい理由を考える


今回は「介護・福祉職の副業が難しい理由」について、いくつかの側面から考えていきます。

【まずは前提の整理を】


まず「高齢者介護」と「障害者支援」では事情が異なります。

歴史的背景や個人の資金力、「福祉を実践する理由」すら違ってきますから、本来ここをひとまとめにするのは暴論かもしれません。


しかし根本的に「国の税金が収入源」という『制度ビジネス』である点に変わりはなく、この一点が副業を難しくしているのです😦


これまで何度かお話ししたように、介護・福祉職の給料を上げる為には

①国にすがる→増税を招く
②施設独自の収入源を得る→制度に阻まれる(法人の収益事業に関する制限など)

といった事情があり、かえって国全体が貧しくなったり、すぐに実現できるものではなかったりします😰

【組織側が副業を進めない理由を考える】


こうしてみると組織側が「わざわざリスクを取ってまで職員の給料アップをやる必要がない」のがわかります。

多くは「国の方針ならばそれに従う」だけで、一度契約を結んでしまえば後から給料を手厚くするのはただの「マイナス」でしかありません😥


もちろんこれも周辺施設との兼ね合いによって「変えざる得ない状況」まで追い込まれれば話は別ですが、周辺施設にしても状況はほぼ同じなので、意図せずとも「お互い低いラインに揃えて波風立てずにいきましょう」みたいな感覚に陥っていきます。

だからこそ「ぽっと出の新規参入者」が好条件を出して周りを出し抜いてしまうと『出る杭は打たれる』と教え込むように

「あそこはお金にがめつい」
「何か悪いことをしてるに違いない」

と良く調べもせずに妬んでは「うちは思いやりのある(綺麗な)支援をしていこう」と心を濁してしまうのです😔


そのような背景と手続きの煩雑さも相まって

「わざわざ副業を解禁して自分たちをピンチに追い込む必要はない」

と考えてしまう訳です。

【職員側が副業を始められない理由を考える】


それでもお金が欲しいのなら、介護職員側が組織の変化を待たずに副業を始めれば良さそうなものですが、職員も職員でなかなか副業を始められません。


それは


①仕事で肉体的・精神的に疲労してしまい副業をやるだけの余力がない
②副業は禁止だと思い込まされている
③ 副業になるだけの知識・スキルがない
④ 何をしたらいいかわからないし、調べない
⑤「給料が低いのは誰かのせい」と被害者意識をたくましくしている

といった理由が挙げられます。


①→⑤に移るほど『他責思考』に陥り、⑤の介護職が溢れた結果が2022年の『介護職の賃上げ(現:介護職員等ベースアップ等支援加算)』を生み出し、事実上の増税を招いたことは記憶に新しいことでしょう。


①〜⑤は総じて「社会を知らない」から起きる現象であり、介護・福祉職の多くが自分たちの分野外について知らずにいられるのは、『制度ビジネス』によって財源が保障され、自らの仕事で『金銭的価値』を生み出す仕事をしなくても済んだから、なのです。

「商売をしていないのだから他業種とつながる必要もなかった」という話で、これまでも少ない給料ながら何とか生活ができていたから、大きな不満も表立って出てきませんでした。


それが節目を迎えたのが2020年以降の「コロナ禍」や2022年のロシア・ウクライナ問題であって。

3/13以降もマスク推奨とされ世間から置き去りにされた上に物価高となって、より一層不遇な「選ばれない職業」となってしまいました😭


ここまで追い込まれればさすがに副業を始める介護職も増えそうなものですが、①〜⑤の理由がより深刻化して副業に取り組めるだけの余力がない。

会社や組織にしても副業について積極的ではなく、「それよりも目の前の仕事に集中しなさい」といってはぐらかしてくる。

加えてこれまで「誰かが与えてくれるもの」で何とかなってきてしまったから勉強もせず、自分からどう動けばいいかわからない。

せめて周りに相談できる人がいればいいけど、周りの職員も似たり寄ったりな上に他業種とのつながりもないので相談できる相手がいない。


結果、⑤の「誰かのせい」にして国にすがるより他なくなる、というのが介護・福祉職がいま向き合わされている現実なのです😱

【まとめ】


こうした現実から目を逸らすほど、年月が過ぎてから「あの時動いていればよかった」といった思いを抱えてしまうことになります。


もし今から動き始めるのなら

・現場の業務改善を進める(負担を減らす)
・趣味を深める(知識・スキルを身につける)
・勉強する(特にお金や副業について)
・他のコミュニティに入る(交友関係を広げる)

これらを同時進行し、半年後、一年後と状況を少しずつ改善していくと良いでしょう✨


この他にも介護ブログや読書ブログを運営しています。  

今回の記事に共感してもらえたり、興味を持ってもらえたなら、ぜひご覧ください☺️

いいなと思ったら応援しよう!