逸れてしまった道 後編
前編の記事です。
その日いつも通りの時間に通学のために家を出たのですが道中いつも使う通学路で朝から大掛かりな道路工事をしていました。
…昨日は工事していなかったのに…
自転車なら🚲端を通れるかと思いましたが工事の人👷♀から「危ないですからこの道は迂回して下さい」との忠告がありました。
結構な迂回路になりますが余裕を持って家を出ていたので時間的には大丈夫です。
ところがその迂回した先の道でいつもより狭い道だったせいか見知らぬおばあちゃんが側溝に自転車ごと転落しているのを目撃しました。
あなたならこの場合どうなされます?
➀後3日で皆勤賞、関わると門限に間に合うか微妙。おばあちゃんには悪いけど見なかった事にしてそのまま素通り。
➁素通りは流石に心苦しい、朝の門限に間に合う更なる別ルートで自転車を走らせる。
➂おばあちゃんは骨折しているかも知れない、自力で側溝から出られないかも知れない。何より「義を見てせざるは勇無きなり」と思い救助に走る。
格好を付ける訳ではありませんが俺は真っ直ぐに➂の行動をとりました。
肩を回しておばあちゃんを側溝から出しました。自転車はほぼ使えない様なフレームの曲がり方をしていました。
骨折等はしていない模様ですが動くのは痛くて辛いとの事なので携帯電話やスマホ等全く無い時代、公衆電話も見当たらず近くの家2〜3軒回り在宅している人に事情を説明し救急車を呼んでもらう事にしました。
一段落ついて立ち去ろうとする俺におばあちゃんが涙目で
「ありがとう。本当にありがとうね。優しい子」これに近い事を言わた気がします。😌
これにより20〜25分は経過したと思います。全速力で自転車も漕いだのですが…朝のホームルームには4〜5分遅刻してしまいました。
1年生の時の担任は俺の亡父に似た所謂古い昭和のステレオタイプ的な人格で人の言う事は「聞かない」「信じない」系。
入学当初から行動的にも感覚的にも反りの合わない人物であった。
以下担任をTとします。
(T)「遅い、5分遅刻だ!」
(俺)「実はこういう事(詳細説明)があって遅れたのです。」
(T)「それが本当かどうかも分からない。遅刻した嘘を言ってるかも知れないな。」
(俺)「そんな…本当ですよ。皆勤賞も貰える様に今まで頑張っていたのです。」
(T)「5分遅刻した事に違いはない、もういい。席に座れ、遅刻だ!」
人情味のカケラも無いこの言葉を聞いた俺はキレた 完全にキレた…
心の「どこかが」壊れた瞬間でもあった。
手こそ出さないものの詰襟の喉元のホックを外し制服の第1ボタンを引きちぎり思い切り地面に叩きつけた。⚡
(俺)「アンタの言っている事はおかしいやろ!! どうして人を信じない?! やってられんわーー!!」⚡
まるで昭和の学園ドラマ「スクール・ウォーズ」の松村雄基さん扮する「川浜一のワル」大木大助のワンシーンみたいでしたが…😅
そう啖呵を切って俺は教室のドア🚪を「バァーーーン」と乱暴に閉めそのまま出て行きました。
…悔しいながらも何処か吹っ切れた俺は漕ぐ自転車の中、故尾崎豊さんの曲「卒業」の
「こ〜の支配からのっ🎶 卒業〜🎶」を歌っていましたねぇ。😌
その後、驚くべき事に担任Tは俺が無断帰宅した事を親に連絡もせずに「遅刻」から「欠席」に変え、面倒な事に蓋をしたと思われます。
今の令和の時代では考えられない改ざん行為ですが昭和のその当時は実際に行われまかり通ってしまったのです。
兎に角もう学校に行くのは嫌だ!😡
体調が悪いと家族に嘘を言って残り2日間学校はズル休みしそのまま春休みに突入。
2年生となり担任は変わりましたが「学校」と人を教える筈の「教師」そのものに強い疑念と不信感を抱き、学校から足が遠のき始めました。勿論勉強からも。
その後は、好きな様にその日暮らし、日夜市内徘徊をする日が増えたとさ。😌
「事実は小説よりも奇なり」
これを図らずも体現した高校時代の俺でした。😌
出来るだけ忠実に再現しましたがホント「若げの至り」でしたね〜😅