子どもからの"甘えたい"のサイン 後編
"辞めます!!"
上司は、
"旦那さんに相談しなくていいの?"
と聞いてきたが、
夫とは何度も話し合い、辞めることについて賛成していた。
あとは、私の決断だけだった。
上司には、夫への相談は不要であることを伝えた。
上司は、直ぐに更に上の上司に伺いをたてに行った。
そうして、私の退職への手続きが少しずつはじまった。
後任者へスムーズに引き継げるよう、自分が抱えていた仕事は全て終わらせたかった。
自分がやるべき事が分かってからは、今までデスクに座っても頭が回転せず、キーボードを押す手が遅かったのが元の速さに戻っていた。
退職
という決断で少しずつだが自分を取り戻せた。
10年以上勤めた職場で、最後はちゃんと与えられたことを終わらせて退社したいと思った。
しかし、ある日上司から
"有給消化中だから、あとはきりのいいところで引き継いでもらって構わないよ。"
と言われた。
私は、
"〇〇だけ終わらせて引き継ぎたいと思います。"
と話した。
しかし、翌日も同じことを上司に言われるようになり、
もう退職する身だから、居ても迷惑かな…
とネガティブな発想になり、
元々、そんなに必要とされた存在じゃなかったんだな…
とショックだった。
ここで辞めるタイミングだったのは、間違ってなかったな
とも思えた。
そして、ふと
よし!今日で出社は最後にして、明日から休もう!
と決断した。
引継書や事務仕事を後任者に引継ぎ、事前に用意していた挨拶用のお菓子も配り終え、退社した。
いつもと変わらず、子どもたちを迎えに行き、帰宅してからは水筒やお箸セットなどを洗い終えた。
子ども達には、私の仕事についてはふせていた。
どんな仕事をしているかは知らなかったと思う。
お母さんね、実は〇〇の仕事してたんだよ。
と子供たちに伝えたら、上の子が
えっ!カッコいい!!そうだったの!?
と驚いていた。
そっかぁ。私は子どもからカッコいいと思われる仕事をしていたのかぁ…
と、少しうるうる来てしまった。
お母さんね、仕事辞めてきたから。
これからは、たくさん一緒にいれるよ。
それからは、子どもたちと目を見て話す時間も長くなり、一緒に遊ぶ時間もできた。
心の余裕ができ、復職前のように一緒にお絵描きしたり、焦って登園させたり、降園させることもなくなり、穏やかな時間が流れた。
夫も私が家にいることで、
家のことや子どものことを任せることが出来て、自分の仕事に集中できる
と言われた。
子ども達は笑顔が増えた。
特に上の子が。
園であった良いことも嫌なこともたくさん話してくれて、私も落ち着いて聞けるようになっていた。
皮膚疾患も少しずつ良くなり、医師にも"順調ですね"と言われた。
心に余裕があると、物事がうまくまわる気がした。
周囲への対応も焦らなくて良くなった。
振り返ると、子育て中、正社員としての共働きは私には合わなかったのだろう。
私にはこなせる力量がなかった。
これからは夫の給料だけ…
と不安になり、転職エージェントを介した就職活動にも手をのばしたが、進めていくうちに
今ではないな
と思えた。
また組織に属して働く働き方なら、今までと変わらない。
だからといって、今後何もしないかと言ったら、そうはしたくない。
なんらかの形で、ひとりの大人として社会と関わっていきたい。
自分の人生をより良い、楽しいものにしたい。
そうして、興味のあった占いに辿り着いた。
せっかく時間があるなら、一念発起してはじめてみよう。
期限を一年として、向いていなければまた新たに考えようと思った。
私の占いに対するスタンスは、占い結果がすべてではないということ。
"占いを通して自分の考えを再考し、最終的に決断するのは自分であり、占いは、あくまできっかけであり、背中を押してくれるもの"
私はそう考えながら、ひとりでも多くの人が前に進める一助になれればと思って占いを学ぶことを決意した。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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