Neptune
ふとした瞬間に
触れた指先を探って
つないだ貴方の手のひらから
波打つ鼓動が伝わる
触れてはいけない
水の中の炎に
触れてしまったわたしは
罰を受ける
貴方に恋してしまう
最後の恋をしてしまう
ほんの戯れと
笑い飛ばせたのはもう昨日
あふれる涙吸った
わたしのペンダントを
慕わしいように そっと
拭う仕草さえ胸を締めつける人
白いレースの波が
押し寄せてくる幻覚
高まり
砕けて
引き潮には愛しか残されていない
あなたは海神
Neptune
そうなのね
夢中になったりしないと
決めていたのに
素足で荒々しく
魂に踏み込まれて
戻れない想いの
深さを知った
いいの
連れて行ってもいいの
神殿に呼ぶのなら
すべて脱ぎ捨てて
ついて行くから
わたしの名前を呼んで
水底にたどり着くのを許して
Neptune 貴方に
わたしをすべて捧げるから
ありのままのわたしを
波間に降りてくる
届かないはずの光
その美しささえ
貴方ほどは輝いていない
こわくなるほどに
澄んだ視線を
避けられずに囚われる
貴方の視界に
わたししか映っていない今
大いなる愛に抱かれて
激しく揺さぶられる感情
Neptune
地上の楽園に
戻れなくてもいいの
わたしはただの恋する女
それでもかまわないのなら
奪って閉じ込めて
貴方の心の奥
深い深い水底の神殿に
わたしをそっと横たえて
Neptune
その司る海よ
還る場所へ還る
それだけのことと笑って
溶け合うことを許して
Neptune
貴方に
恋をしているの
ERICA