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アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供するメディアです。

前回は「立ち方」について、とても基本的なお話をしています。

こちらのメディアの活用方法は人それぞれかと思いますが、「専門書を読む前段階」の学びを提供しているメディアですので、前回の「立ち方」にしても「これさえ分かっておけばいい」という話ではなく、むしろ書いてあることを入り口として、より深い学びの道へと進んで頂ければ幸いです。

あえて、一般論までしか話していないこともあります。

今回の「座り方」にしても、あくまでも一般論ですし、今後学びを進める道中や実際の運動指導の場面においては、

「あれ?なんか違和感があるぞ?」

ということになって然りです。

以上の様な事を念頭に置きながら、読み進めていってください。


座り方を学ぶ意味

前回の「立ち方」も、なぜそれを学ぶ必要があるのかについてお話をしましたが、今回の「座り方」もここから始めていきましょう。

人間が二足歩行の動物として進化し、自由度の高い手を手に入れた代償として、その二足歩行は非常に不安定なものであるということは、前回記事でお話した通りです。

長時間立つと、足や脚が疲れてくるのもまた自然な話で、立ち仕事の人は早く座りたいと思うものです。

こう考えると、立つことよりも、座ることの方が活動レベルが低いことが分かります。

つまり、立てなくなっても座ることは出来るということは往々にしてあるわけですし、自宅やオフィスといった空間では、かなりの時間を座って過ごすことになります。

もしくは寝て過ごすということも考えられますが、立つことが最もエネルギーを使うことに対して、寝ることは最低ラインのエネルギー利用ということになり、座るということはその中間点に位置することになります。


色んな座り方がある

「座り方」と言っても、あぐら、正座、三角座り(体育座り?)など、床に座るパターンだけでもいくつか思いつきますし、椅子も高級なソファから背もたれのない丸椅子まで様々です。

エクササイズの場面でも、床に座るのか、ベンチに座るのか、特殊なマシンの座面に座るのかで、それぞれ姿勢が異なります。

ですから細かいことを言い始めたらきりがないことに気付かれるでしょう。

こういう時は、それぞれの共通項を探すことがよいでしょう。

多種多様な座り方がある中で、共通していることといえば、お尻が座面に接していることでしょうか。

正座の場合は、お尻が床とは接することがないのでやや特殊ですが、それでも、「お尻がそれより下に行くことがない」のは間違いなさそうです。

そして、その「お尻の上に胴体が乗っかる」ことも恐らく共通項です。


背もたれについて

背もたれがあれば、「お尻の上に胴体が乗っかる」という概念が少し変わってきますが、これは「座り方」と言うより「背もたれへの体の預け方」という別の概念で論じた方がよさそうです。

何故なら、背もたれというのは胴体を安定させる為のものであって、例えば自動車のシートであれば必要であって、必ずそこに身を預けなければなりませんが、背もたれに身体を預けることは「座り方」の必要条件ではないからです。

屁理屈みたいな言い回しですが、こんな理由から「座り方」を考える際には、背もたれはないものとした方がよさそうです。

それからソファは人間をだらしなくするもので(だから私は大好きです)、運動指導に登場するツールではありません。

ただ、背もたれにもたれることは、運動指導の際に時たま登場するシーンです。


「座り方」とは?

では、正しい「座り方」とはどのようなものでしょうか?

もう1度要件を確認すると、座ることとはお尻の上に胴体が乗っかるということです。

色々な座り方がありますが、これは共通要件です。


その中で正しいと考えられる「座り方」は、「坐骨結節で座りその上に胴体が真っすぐ乗っかる」ということでしょう。

つまり、「座面にお尻を突きさすようにして、真っすぐ座る」ということです。

要は「真っすぐ座りましょう」という話なのですが、これを確認する為には、パートナーが座っている人の肩を重力方向に押し込んでやれば分かります。

クシャっとなれば姿勢がおかしくて、ズンっと坐骨がさらに突き刺さる感覚があれば正解です。

この、ズンっと力が真上から真下に伝わる感覚というのは、胴体を円柱状にして置くイメージを持つと、掴みやすくなります。

これは立位でもおなじですが、胴体が途中でクシャっと折れる状態はよろしくありません。

あくまでも円柱になっているのが理想と言えますので、覚えておきましょう。

このことが分かれば、座り方や立ち方だけでなく、動き方にも応用が出来そうですね。

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