主役は選手やお客様だ!
アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。
最近「考え方」に関する記事の更新を増やしていますが、やはりこれには意味があって、やっぱり「考え方」って大切だなと思うのです。
どれだけ優れた競技力や豊かな競技経験があり、それを伝える為の細やかな科学的根拠が分かっていたとしても、その「伝え方」が下手くそだったら何も伝わらないし、選手やお客様自身が「考えて」行動するところまでコーチングできなければ、そのスキルや知識は宝の持ち腐れなのです。
そういった指導者を沢山見てきた(と思っている)というか、事実少なくない事案だと考えられますので、細々とではありますがやはり「考え方」を伝えていかなければならないなと思っています。
私自身アスリート経験があって、その流れで運動指導者として働き今に至ります。
私より優れたアスリートや運動指導者は星の数ほどおられますが、あまりこういった「考え方」を発信している人は多くない様に感じていますので、ここぞとばかりに言いたいことを言っていきたいと思います。
誰の為に!?
運動指導者は誰の為に働いているのでしょうか?
もちろん、それを生業としているのであれば自分の収入(=生活)の為に働いていることは紛れもない事実です。
私自身、軽々しているジムの売上も、その他店舗以外の仕事も、自分がどれだけの対価を頂けるのかは日々考えながらしごとをしています。
しかし、モチベーション(動機付け)はそれだけでしょうか?
答えはNOです。
私は、私を訪ねて来られるお客様や選手が、より良い状態になる様に最善を尽くすのが仕事だと思っていますから、私の為にというのは間違いないとしても、やはりお客様や選手の為に仕事をしている側面も多分にあります。
もちろん、稼ぎたいですし、多少は優雅な生活をしたいですし、実際それなりに対価を頂戴していますが、対価をもらう為に仕事をしていては今のような結果にも、この先描く未来像にも至らなかったと感じています。
お客様や選手の為なら!?
アスリート向けの記事ですから、例として「選手の為に」ということを挙げてみます。
選手の為に、例えばトレーニングを教える、スキルを教える、その他食事や生活習慣のことを教えることなどが自分の仕事だったとしましょう。
そうすると、目的は選手が強くなる為、すなわち目標を達成する事にあります。
であれば、目標を達成するのは自分ではなく選手自身ということになります。
しかもそれはその選手の人生においての位置部分であるわけですから、選手自身の努力によって達成されるべきことです。
つまり、指導者はその選手の努力の方向性を定めるように働きかける水先案内人でしかないということになります。
しかし、往々にして指導者が実績を積みたいが為に、選手育成をその手段として使ってしまっていることがあります。
そうなると選手は指導者の言いなりになってしまいます。
選手がどう思っていようが、指導者の思惑が何よりも優先されてしまいます。
選手の為なら、選手が自発的に取り組み、選手自身の目標達成の為に、選手自身が取り組むようにすべきなのです。
それは、指導者に言われたからやっていますとか、指導者の言うことは絶対だからという、洗脳まがいの思考で取り組むこととは全く次元が違います。
指導者に出来ること
先ほども少し触れましたが、指導者は選手の目標達成をサポートする水先案内人でしかありません。
ですから、できないことに怒ったり、ただ頭ごなしに説教したり、何か行動を強制するような手法はあまりよくないことだと考えられます。
できないことは指導者のせいであり、説教されるのはむしろ指導者であって、自制心を持つべきは指導者です。
出来なかったことがあればその理由と対策を共に探り、何かすれ違いがあれば選手の思うことをしっかりと聴き出し、選手自身が進んでよい行動を取れるように導くことが大切です。
ただ、文面で書くことはそれほど難しくありませんが、実際に取り組むとなるとご想像の通り決して容易なことではありません。
指導者とは言え誰しもが人間ですから、時には感情的になることもあるでしょう。
そこをぐっとこらえる必要もあります。
そう考えると、指導者に出来ることはそれほど多くないのかも知れません。
ですが、その本当にすべきことというのが見た目の面積としては狭いとしても、非常に奥が深く容量としては非常に大きなものにあることもお分かり頂けるでしょう。
難しく考える必要はありません。
指導者として選手の為に役立てるように、学びを続けていきましょう。
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