トレーニングの原理原則
アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。
今回の記事は基本中の基本、トレーニングの原理原則について取り上げます。
しかし基本中の基本であるにもかかわらず、この原理原則を知らずにトレーニング指導をしている"自称"指導者が多いことには、憂いを覚えざるを得ません。
ただ逆を突いて言えば、常にこの原理原則に立ち返ることで、適切な運動指導を提供し続けられるということです。
私が偉そうに言えた話ではないかも知れませんが、ちゃんとしているトレーナーとそうでないトレーナーの違いは、こういった原理原則を理解しているかどうかにも大きく影響を受けるように感じています。
特にアスリート出身、運動が得意だった人は、そんな原理原則をすっ飛ばして自分のセンスのみで突き進んできた人が多いので注意が必要です。
原理と原則
原理原則とはよく言いますが、そもそも原理と原則の違いは何でしょうか?
少々くどい様に感じるかもしれませんが、こういったひとつひとつの言葉に対して疑問を持つことも重要です。
原理とは、不変的な法則のことです。
例えば地球上であれば上にあるものは下に落ちるとか、そういった当たり前の事実のことを言います。
それに引き換え原則とは、共通して適用される基本的な決まりとされています。
よく「原則としてルールに従う」という表現がなされますが、それでもルールに従わなくてもいい場合というのは殆どありませんね。
そうでなければ原則もへったくれもありませんからね。
原則が原理と大きく異なる点は、原理は自然の摂理であることに対して、原則は人間が作ったルールみたいなものだということです。
しかし人類の叡智が凝縮されたその原則というのは、少々ツッコミどころがあったとしてもやはりよく出来ているものですから「原則として従う」のが筋です。
ということで、原理と原則の違いが分かったところで、トレーニングの3つの原理と5つの原則を紹介することとしましょう。
しかし、ここまででも相当な情報量になってしまいました。
なので、今回はひとまずものすごく簡単に概要だけを紹介します。
詳細については今後の記事でアップすることとしますので、今のところはそれぞれの名前と、何となく意味することを覚えておいてください。
トレーニングの原理(3つ)
①過負荷の原理
日ごろ慣れているよりも高いレベルで運動しなければならない
②可逆性の原理
過負荷が取り除かれた時、運動によって獲得された体力は急速に失われる
③特異性の原理
トレーニング効果は行ったようにしか現れない。短距離走を速く走りたいという目的の人は、その目的に見合った手法を選択する必要がある。
トレーニングの原則(5つ)
①意識性の原則
トレーニングの目的、意図を理解する
②全面性の原則
あらゆる体力要素を向上させる必要がある
③漸進性の原則
負荷は徐々に増やすこと
④個別性の原則
個人の体力レベルを考慮する
⑤反復性の原則
継続することで効果が得られる
まとめ
今回はここまでとします。
原理原則ですから、よくよく考えてみれば当たり前のことばかり言っています。
トレーニングは何かしらの形で負荷を与え、その結果がトレーニング効果として現れますが、トレーニングを中断すればその効果はなくなってしまいますね。(過負荷の原理、可逆性の原理)
また何の為にトレーニングをするのかが何より大切ですから、目的に見合ったトレーニングを選択しましょう。(特異性の原理)
そして実施するにあたっては指導者、指導対象者双方がそのトレーニングの意味するところを理解した上で取り組み(意識性の原則)、特殊な事例を除けば色々なトレーニングを組み込むことが大切です(全面性の原則)。
更に過負荷の原理と言っても急激な負荷を与えてしまっては、例えば激しい筋肉痛や場合によっては怪我や体調を崩すといったことに繋がりますから、ちょっとずつ負荷を加えることが求められます(漸進性の原則)。
そのちょっとずつと言うのも人によって違いますから、指導者が自分の感覚だけに頼って強度設定をすることは御法度です(個別性の原則)。
そうして、設計されたプログラムを繰り返し実施することでトレーニング効果が得られるのです(反復性の原則)。
それではこれから先の詳しいお話はまた別の記事で追って紹介します。
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