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400m選手はもっと闘える!

アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。

これまで3回に渡って、「400mを速く走る為に」というマガジンにて、「400m選手の練習」というシリーズをお届けして参りました。
今後も400m選手にとって有益な情報があれば随時更新しますが、連載的に更新するのは一旦この記事で最後にします。

これまでの記事は以下よりご覧頂けます。

上記記事を踏まえた上で、「400m選手はもっと闘える!」です。
今回は無料記事で、かつ散文的にお届けしますので見出しはありません。

大前提として誰だって世界レベルで闘えるわけではありません。ハッキリ言って才能というのはあります。
しかし、私は日本人選手はもっと世界レベルで闘えるはずだと考えています。
「日本人だから」といって諦めるのはあまりにも短絡的であると思います。

例えば野球であれば誰だって大谷翔平選手の様になれるわけではないでしょう。しかし名実ともに世界トップクラスのプレイヤーであることに疑いはなく、「日本人だから無理」と言うのは違いますよね。

今回のメインテーマでもある陸上競技400mというところで見ても、今年の世界陸上では4×400mRでは4位入賞だったわけです。夢があるではありませんか。
これまでの記事で解説してきたように、ここから先もっと世界との差を埋めていこうとするのであれば、単純にスピードを高める必要があるということでしょうか。
まだ若いチームですから、各々が経験を積んでいけば世界でメダルを獲ることは全く夢物語ではないと思います。

しかし、日本の「短長」があまりにも「長」に傾倒しているという問題の根は深いものです。
そして「短短」の選手も適切な練習が出来ていないケースは珍しくありません。
(※100mに関しては以下のマガジンをご参考下さい)


こうした「短長」が「長」に傾倒しているとか、100mの走り方が不適切であるといった問題はどこから来るのでしょうか?

これは紛れもなく、指導者の問題です。

指導者が不適切な介入をするから、選手の取り組みや動きに不適切なことが起こるのです。
そうして醸成されたある種の常識が、400m選手のパフォーマンスアップを阻害していると言っても過言ではないでしょう。
特にチームで練習していれば「もっと長い距離を走り込む」みたいな風潮に逆行するのは容易ではありません。
特に指導者がそういった介入をしている場合は本当に厄介ですね。

しかしこれまでの記事で解説してきた通り、そのある種の常識や風潮というものには逆行するのが吉です。
これはスポーツに限らず、「世の中と逆が概ね正しい」というヤツですね。
だってみんながやっていて、この有り様ですよ?やらない方がいいでしょう。

こういった考え方で取り組めば「400m選手はもっと闘える」と、私はそう信じています。
高校や大学のマイルチームで「短短」の選手が「短長」の選手よりもラップタイムが速いことが珍しくないケースや、「短長」の選手が伸び悩んでいつの間にかミドルに鞍替えしているケースを見ても、400m選手が何をすべきかは明らかかと思います。

またこれは余談ですが、今年の世界陸上の男子400mを制したマイケル・ノーマン選手は米国人と日本人のハーフです。
米国人の血の影響は小さくないでしょうし、日本人のお母様もめちゃくちゃ走るのが速かったそうですから、そういった血の影響はあるでしょう。
これは同大会の100mで日本人初のファイナリストとなったサニブラウン選手にも言えることです。

しかし外国人と日本人のハーフで日本国籍を取得していて日本に拠点を置く選手は、今や珍しい存在ではありませんが、ノーマン選手やサニブラウン選手の様な活躍が出来ているかと言うとそうではありません。
何なら両親が日本人の選手よりも走るのが遅いというのも良くある話です。

何度も言いますが血の問題とか才能の問題というのはあります。
しかし結局はどんな取り組みをどんな環境でやったかということではないのでしょうか?
例えばサニブラウン選手が日本を拠点に練習をしていたり、ノーマン選手が日本国籍を取得し日本の高校や大学に通っていたりしたら、彼らが先の大会であれだけの結果を残すに至ったでしょうか?
答えは誰にも分かりませんが、どうも違ったのではないかという確かな疑念が湧いてくるはずです。

世界トップクラスの選手でなくても、取り組み方と環境で結果は必ず変わります。結果というのはその表れでしかないのですから。
日本人選手がもっと強くなるには、俗に言う日本的な練習を止めることから始めるといいかも知れませんね。

「400m選手はもっと闘える!」
その為には、指導者と選手が400mを速く走る為に何をせねばならないのかを適切に理解することに尽きると考えています。

「400m選手はもっと闘える!」
最後までお読み頂きありがとうございます。


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