足部の調整にまつわるあれこれ。
今月のテーマは「足部」
今月の運動指導者向け勉強会CRACKでは、足部についての学びを深めました。
「足部は何かと大切だ」ということは常々申し上げてきたCRACKですので、勉強会にご参加の皆様も足部の解剖だったり調整だったり、足部に関わるあらゆることについては「知っている」状態ではあります。
しかしそれは誰しも「完全に理解している」という状態ではありません。
何故なら、足部というのは(ほかの部位と同様に)謎だらけだからです。
この「完全に理解している」という態度に出ないことが、学びの上では何かと大切ですね。
足を解剖学以外の観点から眺めてみる
ある時はしなやかに、ある時は硬くならなければならない、一見矛盾を孕んでいる足。
わざと足の形を崩すような靴を好む人間。
運動をする上では意味がなさそうなフットネイルやアンクレットのような装飾品。
ある時は性的な魅力さえ感じる足。
様々な側面から謎めいた足を見ていくと、私たちは足の持つ不思議な魅力に引き寄せられていきます。
こういう感情が学びを深めるきっかけにもなりうるのではないでしょうか。
私たちは文化史の研究家ではありませんし、ファッションデザイナーでもありませんが、この摩訶不思議な足について機能解剖学やキネシオロジーといった分野にのみ留めて考察することは、ただ視野を狭窄してしまうことになるでしょう。
足と脚にまつわる不思議
私たち運動指導者は「足(foot、feet)」と「脚(leg,legs)」を分けて考えることを当然の様にしているはずですが、実は日本人は「足」も「脚」もどちらも訓読みで「あし」と発音することから「ソク」と「キャク」の境界は英語圏の人に比べて曖昧だと言われています。
SNSやYoutubeでも「足痩せトレーニング」なんて無茶苦茶なものがありますが、不思議なことに一般的にはそれで十分意味が伝わっているのですね。
英語で「I train my feet」と言いながらスクワットをする人はいないはずなのに、これはなかなか興味深いことです。
そのくせ、日本人は「土足」には厳しい。
玄関では必ず靴を脱ぎますし、そのまま布団に入るなんてことはあり得ないという感性を持っています。
でも海外では靴を履いたままベッドインというのは映画でもよく見るシーン。
うん、不思議です。
足部の調整におけるポイント
ということで話は大きく逸れましたが、何はともあれ足部の調整はとても大切。
調整方法に関してはCRACK会員限定公開ですが、別に私がご紹介した方法が全てということはありません。
以下のポイントが抑えられていれば、どんなやり方であれそれなりの調整が出来るはずです。
①骨配列を再確認せよ
足部の調整でまずもって大切なことは、言わずもがな骨配列を改めて確認しておくことです。
もし骨配列を覚えていないということであれば、これは単なる暗記の問題。
四の五の言わず覚えましょう。
骨格標本があるなら、それをまじまじと見つめることですね。
②関節面を観察し動きをイメージせよ
それぞれの関節面がどんな形状になっているのかを確認します。
これはキネシオロジーの教科書なんかを読みながらやることがよいかと思いますが、調整の為に動かしていくのであればそれがどの様に動くのかを適切にイメージできることが大切です。
非常に複雑な形状をしていますが、きっと「なるほどなぁ」と感心することでしょう。
美しさも強さも脆さも感じ取ることができたら、きっとよい調整ができるはず。
③感覚の違いを確認せよ
調整を進めていくうちに大切なことは、こまめに立ち上がったり歩いたりして感覚が変わっているのを確認することです。
特に左右の差は、調整をしたことがない人であれば歴然であるはずです。
その違いを感じ取って「あ、これが整っている状態なんだ」と認識することが重要。
この作業をすっ飛ばすと、「さっきと何かが違うのは分かるけど、何が違うのかが分からない」という状況に陥りがちです。
巷の整骨院なんかはそんな感じと伺います。
④「完全に理解している」と思うなかれ
足の調整技術を身に着けることは、セッションの満足度を飛躍的に向上させると考えています。
歩いたり走ったり何かスポーツをしたりする時、基本的に唯一の接地面となる足を整え、怪我や不調を防ぎ、よりよいパフォーマンスに繋げられるようになりましょう。
しかし絶対に「完全に理解している」という態度に出ないこと。
足は私たちの知能では追いつき切れない摩訶不思議な存在なのですから。
実際に足部調整の手技を体験されたい方は、W-GYMホームページよりご予約下さい。
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