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格好いい大人が報われる瞬間ほど美しいって思いませんか。

はい。

今年最後に私は彼のことを書きたい。名はKOOPA。喰らうに吐くという漢字で喰吐というMCネームでもやっている彼のことだ。言わずと知れた埼玉県は蕨をレペゼンするMCであり、そして今年のUMBで頂点に立った男でもある。

素晴らしいことに私は彼とご縁があり1つ繋がることができた。そしてそのご縁は以前にこのnoteでも書かせていただいたことがあるN1NY0さんからの繋がりだったこともまた、ここで書かないとならない。

それは私がKOOPAさんと知り合いだから自慢させてほしいということではなく、人間誰にでも素晴らしいつながりが生まれそして自分自身をHappyにすることができる。それをどうしてもここに書き記しておきたかったからに他ならない。


埼玉を背負う若手たちの兄貴分

あれは2年前の3月、KOKで呂布さんに必死に食らいついたN1NY0さんに一度でもお会いすることができたらと思って単身で埼玉の上福岡にあるストリートショップまで足を運んだ時のことだった。

KOOPAさんはPINE TREEというお店にいつもいてそこに来るB BOYたちにいろいろなアドバイスや感じたこと、思っていることをすごく丁寧に伝えてくれたり、まるで何もわからなかった私にも嫌な顔を一つもせず教えてくださる。そういうとても親切な人だったことは印象深い。

どんどんと上り調子となっていた埼玉のシーンの中心で、兄貴分として活躍していたKOOPAさんの周りからはKOKに出てきたN1NY0さんはもちろんだがLINさんや昨年UMBで準優勝だったK-rushさん、今年のUMBでの活躍がすさまじかったK'iLLさん、空廻さんも忘れてはならないだろう。

それぞれ個性あふれるMCたちが多く出てきたのは、TKさんや崇勲さんに焚巻さんもそうだが、素晴らしい方たちが耕してきた土壌の中からぐんぐんとラッパーたちが成長していったのだ。

もちろん、これらはそれぞれのラッパーたちの努力があって成り立つものであることに間違いはない。だからこそ、埼玉のシーンというのはどこか温かく、しかしHOTなシーンが形成されているのだろう。

そしてKOOPAさんは口先だけでなく、行動で示してきた人でもあった。フリースタイルダンジョンにKOKやUMB。5年前の動画で最後に「埼玉やべえから!!」と言って退場したその「やばさ」を彼が自らの手で示した。とてつもなく私は「格好いい」と思うのだ。

格好いい大人が賞賛される世界

世の中では格好悪い大人たちがあふれている。それは自らが本当に大切にしたいことを曲げ、何かや誰かのせいにして、自分にとって不都合なことがあればそうやって自己保身を図って同情や気を引こうとする人間のことだ。そしてあたかも自らが手にしたものを水増しし、犯した過ちを小さくしようと保身を図る。

どこか卑屈で妬みや嫉みといったものに溢れ、どこかで人に自らが優れていて他人を貶めようとするように何かアピールしようとする。傍から見るとそれらは滑稽に映るがそういった理不尽を噛みしめて生活している。

この2年近くそういう格好悪い「オトナ」をまざまざと見てきて、こんな人間ばっかりなのかと失望をする日々が続いていた。だが彼は、会えば気軽に「ヤーマン」とあいさつし、同じ空間で音を楽しんで後輩に想いを伝えていた誰よりも人想いな格好良くて優しい人。そんな彼でもMCの世界では高みにいるとは言い難かった(ここでいう高みというのは呂布さんとか53さんとかそういった全国区で人気と実力を兼ね備えた人達の事を指す)。

そんな彼が一気に名も実力も全国へと再び知らしめるために。猛然と戦った。まるで全身から青白い炎をまとっているかのように猛々しく、そして誰よりも熱量をこめて。今日しかない。今あるチャンスを逃したくない。その為だけに全てを尽くすと言わんばかりに。YouTuberやアイドルたちがのさばるようなバトルではなく、マイク一本に灯した覚悟を全て賭けて。そういう人気だけのものが間違っていると言わんばかりに。心の中でいくつもの返り血を浴びながらもUMBを取ったのだ。

2024年の最後がいい年と感じられたのも

ラップで食べていくというのは並大抵の実績と覚悟ではできない。それ単体で生活できるラッパーなど数えるほどしかいないだろう。それでも何をしたいのか、何で成し遂げたいのか。どこまで行きたいのか。

KOOPAさんの道はどこまでも長く果てしないもので、どこがゴール地点なのかはまだ分からない。ただ、様々なライブやバトル、楽曲などシーンを賑わせてチャンピオンとしてではなく「KOOPA」として大忙しになってほしいし、彼のようにマイクを握り続けてきた人はそうであるべきだと私は思う。

そしてこれは私情だが、彼らの繋がりから様々な交友関係の広がりを私自身も深く感謝している。彼がいなければCherryさんもKENさんのことも。書くことなく今を過ごしていたかもしれない。そうした様々な形を作り出してくれた彼を恩人と呼ばずしてなんというのだろう。

職場でパワハラを受けていたあの頃、「あーこのままストレス抱えて〇んでいくのも癪だしなぁ」って感じたのと「楽しそうな場所には楽しそうな顔で行きたいしな」って思えたのも結局は彼らのおかげだったりするのだ。女装して遊びに行っても嫌な顔せず迎え入れてもらえる人たちと巡り合えたのも、言ってしまえばあの時KOOPAさんに会えてなかったら……と思うのだ。

彼は「関係ないよ、自分で作り出したんじゃん(笑)」って言っていたけど。書くということを続けてきて、素晴らしい景色に巡り合うことができた。素敵なつながりを生み出してくれた。きっかけは本当にそうだった。だが、そして今も言い訳せず挑戦し続ける彼と巡り会えたことは奇跡でもあって、そしてこれからも私はその姿・景色を見ることができる喜びを胸に、何ができるのだろう。と考える。そう考えた時にやっぱり書くしかないのだけど、まとまりのない文章を書いてみることにしたわけだ。

ということで2025年もまた書き続けていきたいと思う。それでは良いお年を。

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