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吉居大和「唯一」
2年連続で爆発的な活躍を見せた。それも2区で学生屈指のランナー・田澤廉選手や近藤幸太郎選手を抑えてまさかの区間賞を獲得したその健脚、4区途中まで首位、総合成績2位でゴールする原動力となった。
しかし、藤原正和監督は「吉居大和」に頼らないチーム作りに仕上げてきた。そしてその結果が全日本大学駅伝では4位という見事な結果になった。出雲駅伝に出走させず、あえて駅伝から距離を置いていた彼が今シーズン目指す場所は優勝しかない。
不調だった秋シーズン
大学駅伝3冠を目指した今シーズンの中央大学は出雲7位、全日本4位。吉居くん自身も出雲は出場せず、全日本は3区11位と決して成績を見ると芳しくない一方で藤原監督の表情は明るい。
それはあらかじめ吉居くんは今季は10月1日の世界ロードランニング選手権5kmに出場することが決まっていて、海外遠征をすることとなっていたため。最初からコンディション次第では欠場するプランだったこと。
一方で3区で区間11位と終わった全日本でもその後下級生たちの奮闘もあって想像以上に踏みとどまることに成功。ここに藤原監督は彼に頼らないレース展開ができると踏んだようだ。
一方で、11月25日の八王子ロングディスタンス10000mに出場した吉居くんはわずかながらではあるが10000メートル自己記録を更新してコンディションが戻ってきていることも確認している。コロナなどコンディションが下がったこともあっただけに心配されたが、ここにきてプラスで吉居くんが来ることは大きなアドバンテージとなる。
得ることができた「安定感」
鮮烈な印象を残す爆発的な走りは今もなお変わってない一方で、今吉居くんが求めているのは自分自身の中で安定感を求めて練習に励んでいる。その成果が出てきたのか、大和くんも手ごたえを感じている様子だ。
「今季は凄く良い記録を出すことはできなかったんですけど、シーズンを通して5000mは13分30秒前後で安定して走れました。練習も2・3時と比べてできるようになっています」
八王子ロングディスタンスでも自己記録を更新する中で、状態をかみしめながら丁寧に自己ベストを更新することができたのもそうした裏付けがあったからだろう。それはエースであるが故の責任感でもある。
とはいえ、彼の本質はあの爆発的なまでの感動的なまでのエネルギーに満ちた走りであるはず。前半から大きくペースを上げる攻撃的なレースが身上ともいえる。それだけに安定感が彼本来の走りを奪ってしまうのではないか?
そんなことさえ感じてしまうのだ。
だがこれは、彼が目的を一つに今定めているからに他ならない。「1月2日・3日の箱根駅伝優勝」。狙っているのはそこだけなのだ。
「優勝を狙えるまでになってきた」
「やっと箱根駅伝で優勝を狙えるチーム状況になってきました。駒大は強いですけど、自分や中野が駒大の芽吹、篠原、佐藤圭汰にしっかり勝ちたい。個人としては区間賞・区間新記録を目標にして、チームの優勝に貢献したいと思っています」
絶対的エースが虎視眈々と狙う箱根駅伝の王座はあの絶対的な存在となる駒澤大学。問題は大和くんの状態だが藤原正和監督も彼の爆発力には大いに期待を寄せている。
全日本後の記者会見でも「練習はしっかりできている。あと2ヵ月積めば問題ないと思っています」と語るように、あとはアクシデントが無いことを祈るだけ。満を持して挑む2区ではヴィンセント選手が持つ区間記録に挑むと公言。
もしそれを更新するようなことがあれば……。今シーズン一度も背中を見て走っていない駒澤を慌てさせること間違いなしだろう。中央大学を蘇らせ、優勝が狙えるチームにさせた彼が箱根で再び爆発した時。何かが起こるはずだ。