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第101回箱根駅伝出場校紹介(18)「東京国際大学」
前回わずかな秒差で涙をのんだ東京国際大学が見事に返り咲いた。大学生の域を越えた留学生とは裏腹に日本人選手たちの層の薄さとサポート体制には不安が残る。
目指すのはまずシード権・といったところか。いよいよその最強留学生を目の当たりにできるか。個人的には楽しみな面も多いが……。
東京国際大学
1965年に設立された東京国際大学は世界70か国の留学生が学び、英語教育、国際人教育に力を入れ、米国にアメリカ校を開校するなどの取り組みがある。
入学は容易でも卒業が難しい大学と言われ、それだけに現在でも各企業から東京国際大学卒業生の評価はとても高いらしい。東洋経済での「本当に強い大学ランキング」にて全国800ある大学の中で23位とその評価はとても高いことがうかがえる。
なお、予備校の一橋学院は同じ学校法人として運営されている。
近年は運動部の活動に強化を入れており、陸上だけでなく野球・女子サッカー・ゴルフ・女子ソフトボール・硬式テニス・ウエイトリフティングは強化対象として入っている。
卒業生には大槻ケンヂさんやエレファントカシマシの宮本浩次さん、陸上部の卒業生として相澤晃選手との「デート」で話題となった伊藤達彦選手が居る。
今シーズンのチーム成績
箱根駅伝予選会 8位
全日本大学駅伝 9位
暑さにそれほどつよくないのかエティーリくんが伸びきらずに全体11位でフィニッシュすることとなった予選会では、それでもチームの上位6名は100位以内で何とかゴールするという安定感を見せた。一方で、まだまだチームとして力不足な部分も目につき、全日本大学駅伝では5区以降から失速。シードまであと1つとなる9位でゴールすることとなった。
序盤にもう一人の留学生であるアモス・ベットくんを起用し、エティーリくんを温存する作戦だったのかもしれないが、気になるのはエティーリくんがロードだと中々力を発揮することができない点だ。留学生としては嫌な流れを爆発的に変える。そうした役割も期待されているだけに……。
監督
横溝三郎
先月亡くなった東京国際大駅伝部監督の横溝三郎さん。「ミスター駅伝」と呼ばれたレジェンドの教え子たちの声を聞きました🎽
— 神奈川新聞運動部 (@kanasports2020) December 2, 2024
今もどこかで走ってるかも ミスター駅伝の横溝さん、突然の別れに惜しむ声 | カナロコ by 神奈川新聞 https://t.co/CeMSjfmvTk#箱根駅伝 #東京国際大学 pic.twitter.com/OUEYpaLuag
※本来は監督不在で臨む形となるが、横溝三郎さんの功績を考慮し特別に掲載させていただきます
箱根駅伝に4年連続で出場し、中心選手として中央大学の6連覇に貢献。卒業後に1964年の東京五輪に3000m障害で出場するなど活躍を見せた。駒澤大学が箱根駅伝で初優勝を果たしたときの監督・森本葵さんとは実業団で同僚にあたる。
現役引退後は解説者としても活躍。柔らかな語り口で名を馳せ「ミスター駅伝」と呼ばれた。その間も中央大学のコーチ、パナソニック女子陸上競技部監督を歴任。
2011年に前任監督の大志田秀次さんと同校の指導者として復帰し、総監督に就任。2023年に大志田さん退任後から監督に就任。箱根駅伝出場を決めたのを見届けて11月14日に死去。
死去直前まで現場で指揮されていたようで、9月以降に体調悪化も予選会には顔を出していた様子。心からご冥福をお祈り申し上げます。
箱根路はヘッドコーチの中村勇太さんが代理で指揮を執る予定。
「負ける気がしねぇ」プレイヤー
大林洸己
全日本大学駅伝
— наоко (@gymnast_runner) November 8, 2024
7区 大林洸己選手④(東京国際大学) pic.twitter.com/QPw6Z12pRP
エティーリくんが伸びきらなかった中、レースをカバーした4年生組の一人。全体35位、チーム3番手でゴールして大きくタイムを稼ぐことに貢献。その後の全日本大学駅伝ではエースひしめく7区で区間7位と及第点以上の走りを見せた。
実は10000メートルを走るのは大学2年になってからで、箱根駅伝予選会も昨年が初めて。元々スピードランナーだったこともあってか、そのタフさとは裏腹にチームとしてもじっくりと育成をしてきた感がある。
予選会から全日本に出場したタフさを鑑みれば、往路序盤でチームに流れをもたらす走りをしてほしいところだが、中村ヘッドコーチはどのようなプランを描いているだろうか。