第101回箱根駅伝出場校紹介(7)「早稲田大学」
都の西北にあるのが高田馬場で、そのまた西北にあるのが所沢というのが今回紹介する早稲田大学です。結構都の西北好きなんですよ。
ここ数年安定した成績こそ残しているものの、なかなか上位をうかがうことができていない。そろそろ上位に割って入っていきたいところだ。それだけの力があるだけに、なおさらだろう。
早稲田大学
1882年に佐賀藩の藩校「弘道館」にて学んでいた大隈重信によって、東京専門学校という学校名で設立されたのがルーツ。
現校名になったのは1920年。日本の私立大学の中で、慶應義塾大学と同時期に設立された私学の雄。多くの政治家を始めとした財界人・芸能人・スポーツ選手を輩出しており、前内閣総理大臣の岸田文雄さんは同校の卒業生として知られる。
また、ハンカチ王子として有名な斎藤佑樹さん、水泳選手の瀬戸大也選手は同校の卒業生。また、陸上競技においても多くの卒業生を輩出しており、プロ野球選手としても活躍した飯島秀雄さんや三段跳び金メダリストの織田幹雄さんも卒業生として知られる。
また、瀬古利彦さん・渡辺康幸さん・竹澤健介さん・佐藤敦之さん・大迫傑選手と長距離でもオリンピック選手を輩出しており、映画監督の篠田正浩さんもかつて箱根駅伝で2区を走った経験を持つ。
今シーズンのチーム成績
出雲駅伝 6位
全日本大学駅伝 5位
いずれの駅伝も前半の出遅れをしっかりと取り戻すというチームとして非常に安定した結果を出した。今後さらに上位を狙う際にはこの出遅れは大きなダメージになりかねないが、早稲田が戦えるチームではあることは証明された。
上位はそれ以上に強い選手が多いため、すぐに優勝を望める布陣かというとそういうわけではない。しかしながら、早稲田大学の良いところは非常に将来性豊かな選手が揃っている点と、強い4年生がいることにある。チームとして穴が無いのが特徴だ。
下級生にも将来楽しみとなりそうな選手もそろうだけに、チームとして12月の早稲田伝統でもある集中練習を乗り越えて箱根路で臙脂にWを躍進できるか。これまでの守りの駅伝ではなく、そろそろ花田監督の攻めを見てみたいところ
監督
花田勝彦
城西大学監督の櫛部静二さんとは同級生で、早稲田大学時代には武井隆次さんと3人で「早大三羽カラス」と呼ばれ、後輩の渡辺康幸さんと共に箱根駅伝優勝も経験。
大学卒業後は2度のオリンピックを経験後、指導者に転身。現役引退後に「一通のメール」をきっかけに上武大学陸上部の監督に就任、2004年に就任し、4年で箱根駅伝に出場。上武大学での著名な選手にはマラソン世界選手権代表の園田隼選手などがいる。
以降、花田さんの退任まで8年連続出場を達成し、高い育成能力の手腕を評価されている。また監督在任中には三浦しおんさんの小説「風が強く吹いている」の映画化された際には監修にも携わった。
退任後はGMOの監督として招聘され、駅伝参入初年度でニューイヤー駅伝出場を勝ち取り、初出場ながら5位入賞の立役者に。2022年で退任後にはシード落ちしていた母校の早稲田大学に監督として復帰、見事に箱根駅伝出場と2年連続シード権を獲得している。
「負ける気がしねぇ」プレイヤー
山口竣平
昨年佐久長聖の高校駅伝優勝メンバー。外国人留学生もひしめく3区を走り区間3位をマークし、優勝を大きく手繰り寄せた。
そのポテンシャルそのままに、1年生ながら全日本大学駅伝の予選会では3組を出走すると大胆な走りぶりで7位でゴールし本戦へと導くと、出雲ではエース区間でもある3区を担当。強い選手が集まる区間であるため区間11位に終わったもが全日本でも5区区間3位と奮闘し、シード獲得に大きく貢献した。
駅伝慣れしている選手であることと、チームとして全体的に若いだけに早くからの前半区間での起用も十分に考えられる。その駅伝力の高さを活かし、往路で暴れたいところ。