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【箱根駅伝】10区の特徴と区間記録【諦めない心】

ヴィクトリーランとなるかそれともそこにドラマがあるか。たとえ前に背中がなかったとしても走り続けなければならない。そんな悲哀と強さが求められる最終区間・10区。

かつてはドラマも多々見られた区間の中で、最後大手町へと凱旋する選手たちを温かく迎える人々たち。箱根駅伝の最終章を飾る区間を今回はご紹介し、今年の箱根駅伝コラムの最終回としましょう。


コースの特徴

鶴見中継所から東京大手町までの23.0kmを結ぶこの区間。1区とは異なり馬場先門から日本橋を経由するルートとなっていて、コースとしては走りやすいコースとなっている。一方で気象条件が必ずしも良いとは言えない。
気温の上昇や時折強いビル風が選手を襲うこともあり、そうしたところから脱水症状や低体温症になることも。

かつて通過地点では京急蒲田駅の踏切で線路に足がかかり転倒し棄権という実例もあるなど、意外と落とし穴が多い区間でもある。

最終区間である上に沿道の観衆も増える事からプレッシャーが一層掛かる区間で、そのためにチームによっては主将などを起用するケースも。またチームによっては将来楽しみな気持ちの強い有望な選手を起用する場合もあり、ここら辺の監督の采配なども見ものだ。

重要ポイント

9区同様、試合の結果を大きく左右するレースとなるため、チームの状況も鑑みてエントリーされるランナーも多く出てくる区間と言える。9区同様コースそのものはむしろ走りづらさはなく、スタミナがある程度あり走力の高いランナーであれば問題はない。

問題となってくるのはどちらかというと精神力や人間力とも言える点であり、最後の最後まであきらめない心の強さが大事になってくるだろう。10区で首位交代があったケースは100回の箱根駅伝の中では9回ある。97回の石川拓慎さんが記憶に新しいところではあるが、最後まであきらめずに走るチームが何よりも実を結ぶと信じて走ってほしいところである。

一方、シード権争いという点でも熾烈化することが多々あり、青学がシードを獲得した87回箱根駅伝ではゴール手前400m付近まで日本体育大学、青山学院大学、國學院大學、 城西大学の4校が3つの枠をめぐって激しく争う形に。その中で國學院大學のアンカーを務めた寺田夏生さんが最後200メートルのところでコースを間違えるハプニングも。現在も監督を務める前田康弘さんを生きた心地にさせなかったのはある意味で伝説的なシーンとして今も語り継がれている。

そんな寺田さんも監督になったなんて、感慨深いものがありますな。

区間記録保持者

中倉啓敦

驚異的なスピードで圧勝した98回大会の青学は9区と10区を区間新記録で占めるという圧巻の強さを発揮。その中で10区を担当したのが中倉さんだった。

97回大会では一度は3位の東洋大の清野太雅選手を追い抜くも、終盤に抜き返されてしまって4位に。区間も4位と悔しい結果と終わったが、98回大会では序盤から快調に飛ばして2位以下を大きく突き放しつつそのままゴールテープを切って優勝。
97回大会で抜き返された清野選手に1分差をつける区間新記録を樹立した。

99回大会でも10区に出走して卒業後、大手の生命保険会社に就職して一線から退くも、現在も勤務の傍ら絆ランニング倶楽部所属の市民ランナーとして競技を継続しており、第64回東日本実業団対抗駅伝競走大会に出走している。

という事で、第101回箱根駅伝特集はとりあえず一旦終わりです。頑張ったんや。
俺はやったんや。

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