第35回出雲駅伝(2)「中央大学」
7年ぶりの3位以上入賞、エース区間の2区と3区でそれぞれ区間賞獲得と着実にチームが強化されつつある中央大学。箱根駅伝最多優勝回数と最多出場回数を誇る名門大学は意外にも三大駅伝では皆無。
そんな名門は今回どのようになっているのだろうか。
初優勝なるか?
昨年度は高い安定感とともに一時期は首位も独走するなど、古豪復活への歩みを着実に遂げているところを見せた中央大学。チーム力も駒澤大学に決して劣っていたわけではなかったが、当日のレース展開として駒澤大学がそれ以上に素晴らしい状態だったことからの力負けと終わった。
そこから春シーズンは関東インカレハーフマラソンで主将を務める湯浅仁くんが日本人トップで1部2位、日本選手権でも5000メートルで吉居大和くんが8位と活躍。
U20日本選手権では柴田大地くんが3000メートル障害で優勝に、吉居駿恭くんが5000メートルで13分20秒台を出すなど、チームとしてコアとなりうる選手たちの活躍が目立った。
夏シーズンまでには中野翔太くん含めゲームを変えられる「エース格」がさらに台頭できれば、駒澤大学を脅かす可能性大だ。
キープレイヤー
中央大学は吉居大和くんという大きな存在がいることが何よりのアドバンテージ。しかし、前回大会の2位はむしろ古豪復活を支えてきた最上級生の骨太な走りが支えた。
最終学年、彼が活躍することがとても重要だろう。
中野翔太
前回3区区間賞を獲得した「もう一人のエース」は今シーズンは鮮烈な印象を残し続けている。ゴールデンゲームズのべおかでは14分台を出すもこれは転倒があったため。着実にレベルアップを遂げた姿を見せ、吉居くんと海外合宿に挑む中、6/17には海外レースにも出場。
記録は日本人学生歴代9位となる13分24秒11とレベルアップを遂げているところを見せた。
前回区間賞を獲得したとはいえ、大きく駒澤を突き放すに至らなかっただけにその雪辱にも燃えているはず。
吉居・中野コンビで相手を制圧するレース、秋から冬にかけ期待したいところだ。
監督
古豪中央大学を背負い、監督となった彼にとって今の立場は重たいものとなっているだろうか。むしろここ数年、とても生き生きとしているように思えてならない。
藤原正和
古豪・中央復活を託された42歳の若い指揮官も就任して7年となる。その実績については触れるまでもなく素晴らしいところだが、目指すところはすでに明確だ。
3冠さえ確実と言われる駒澤大学と比較して足りないのは「絶対的選手の存在と厚み」だ。しかし、各学年を見渡しても芯となりうる選手は多く、また前回大会の往路だけでいうなら王者食いは十分に可能だ。
対抗馬となるためのチーム強化は着々と進んでいるといっていい。