【箱根駅伝】3区の特徴と区間記録【倍プッシュ】
箱根駅伝コース紹介、今回は3区。意外と捨て置けないこの区間ですがそれもそのはず。ここの区間で悪くなった流れをすべてぶった切りにする必要が、逆に流れを一気につかむ必要があるためなのです。
往路一勢いに乗って走れるコースだからこそ、各大学が実力あるランナーを配置した理由というのがわかるもの。今回はこの区間を紹介していきましょう。
コースの特徴
戸塚中継所から平塚中継所までの21.4kmを走るこの区間は、比較的往路の中では走りやすいコースと言える。
とはいっても、走りやすいのは前半の遊行寺坂から浜須賀交差点までで、そこから先は海風の影響を強く受けやすいコースでもある。気温が一気に上がってくる区間でもあるため、晴れた日にはそうした気温変動の影響も受けやすくその点は十分に注意が必要と言えるだろう。
重要ポイント
全体としてレースの攻略はしやすく、往路の中では最も攻略には苦労しない区間とも言えるかもしれない。しかし、その分だけ近年実力ある選手をつぎ込む大学も多く、2区までの悪い流れを断ち切るゲームチェンジャー的存在がここには配置される。
一気に下る区間・後半の風……こういった物から察するに当然ペース配分が大事となるが、それ以上に大事なのは流れを一気に巻き替えるための勇気と攻める気持ちが大事になる。
ここの区間で攻め切ることができれば、以降の区間にも良い影響を与えるしまた波に乗ることができなければ厳しいレースになることが考えられ、特に前回大会では佐藤圭汰くんが太田蒼生くんにねじ伏せられたことで大きくチームとしてもプランが狂うこととなった。
区間記録保持者
イエゴン・ヴィンセント
最強留学生として名高いヴィンちゃんが東京国際大学で衝撃デビューした96回大会。そのスピードは群を抜いており、あまりのスピードに先頭を走っていた青山学院大学の鈴木塁人選手が譲ったほどだった(鈴木選手自体は区間4位)。
実はこれがヴィンちゃんにとっての初の駅伝。下り基調であるにもかかわらず、ハーフマラソンの距離で1時間を切るそのスピードと走り終えた後の余裕を見せつけるふるまいに衝撃と恐ろしささえ覚えたファンが多くいたのではないだろうか。
59分25秒。この記録を破る選手がでてくるのかにも注目だ。
太田蒼生
その衝撃的走りを見せたもう一人のランナーこそ、現在青山学院大学4年生の太田くんだ。太田くんが入学してから3年、レースの趨勢は彼が走った後で決まることが多く、その存在感の強さは唯一無二とも言える。
その特徴はなんといっても思い切って勝負できるばくちが打てる点。狙った大会ではめっぽう強く、青学の今までにない勝負師的なものを強く感じる。
前大会でも駒澤大学を追いかける中、佐藤圭汰くんと対峙。当代きってのスピードランナーである圭汰くん相手にスピードと終盤一気に突き放す高い勝負勘を見せて見事に逃げ切った。圭汰くんのタイム1時間00分13秒を大きく上回る59分47秒という驚異的なスピードで追い抜き区間賞を獲得した(日本人選手では唯一)。
その後青学は見事な「ピクニックラン」を見せて優勝、山本唯翔選手が居なければ金栗四三賞は確実だったとも言える。なお、卒業後はGMOインターネットグループにてプロランナーとして活動することが決定している。