監督交代を声高に叫ぶ明大関係者に読んでもらいたいのです。
ということで、こういう言い方をするのは語弊があるが見るも無残な形で箱根予選を突破できなかった明治大学。前任監督だった山本佑樹さんを解任させ、山本豪さんを就任させたが箱根本戦はおろか、全日本も箱根駅伝予選会も突破できずに終わってしまった。
早くも一部からは日大関係者である山本さんや西さんの退任を求めるようだが、明治大学における根本的な問題はそこではないと私は見ている。当然その中で山本さんの資質といった部分での問題は生まれてくるが、「山本さんが100%悪い」とは1つも思わないのだ。
チームスタッフが圧倒的に少ない
「良い選手が入学しても勝てない」と言われて久しい明治大学だが、本来持っているポテンシャルの高さは確かに他大学と比較してもそん色ない選手たちが揃っている。
しかし、部員35名に対してチームスタッフはたったの2名。学生スタッフも主務が選手兼任でやるなど8名。駅伝に予算をかけられない大学や外部にスタッフを委託している大学ならばまだしも、これでは伝達事項を含めて十分なコミュニケーションなど取れるはずがない。
また、明治大学は短距離部門が24名に競歩部門が7名もいる。トレーナーは4名いるようだが60人近くの大所帯で回るようなオペレーションが採れているかさえ疑問が残る。
同じ規模の駒澤は学生スタッフは12名に総監督含めスタッフは4名。いい選手を集めているのは駒澤も同じくだが、明治大学とは違い伸びているのはそういった手厚いサポートなどがあるからに他ならないのだ。
最もそこは「どれだけお金をかけられるか」という部分にも関わってくるとは思うが……。
部員たちの意識の低さ
箱根駅伝予選敗退後からは部内からも厳しい意見が出た。チームトップで走ってきた溝上稜斗くんはこのようなコメントを残している。
涙すら流さなかったという主将の溝上くんも自分自身はやってきたけどというコメントからあるようにチームとしてどれだけ努力してこれたのか、疑問を呈するコメントを残した溝上くん。
中には、テレビで映ったことで意識の低さを知った人も多くいた。笑っている部員がいたという。これについては走ることができず応援するしかなかった堀颯介くんがこのようにコメントしている。
自分は蚊帳の外、関係がないと感じている部員とそうでない部員の中で溝ができていて端的に言えばチームとしても機能していないのではないか?
このように感じてしまった。それを肌で感じていながら何も手が付けられないままでいるのは、チーム状況が深刻だと言っているようなものではないだろうか。
その上でチームとして統括するのは監督とコーチである。彼らにも「まるっきり責任が無い」と私は申し上げるつもりはない。
自主性とやりたい放題の違いを理解していない指導者
ここが何よりも問題だと思うのだが、陸上部監督を務める園原健弘さんは選手のケアについてはこのようにコメントを残している。
もちろん選手たちの故障についてはある程度選手たち任せにせざるを得ない部分はある。しかし、一方でトレーナーや部員たちに丸投げすることなくともに歩んでいく姿勢を見せなければ選手たちはそもそもついてこない。
ぬけぬけ病で苦しんだ工藤有生さんのためにと様々な治療院を紹介したり、献身的なサポートを惜しまなかったりした駒澤の大八木さんのように密にコミュニケーションをとることができなかったか。
数少ない人数の中でできうることはなかったのか。それらは明治大学競走部の大人たちの責任でもある。また、人員を増やすなどといったこともできなかった競走部以外の大学関係者の責任も大きい。
「監督が悪い」だけで済ませていい問題ではない
当然だが、山本駅伝監督らを含めた指導者に問題がなかったとは言わない。だが、明治大学における問題は実は相当根深いところまで来ているようにも思える。
①スタッフの人員不足
②部員の意識の低さ
③責任丸投げ感が強い指導者
噛み合わない苦しさは多々あるだろうが、果たして山本佑樹監督を退任させて上向くと思っていた人たちは今何を思うのだろうか?どれだけ有能でもやる気ない選手たちをやる気にさせるのは無理だ。
次は日大関係者という形で西さんや豪駅伝監督に責任を丸投げするだろうか?
西さんがいなければ誰がスカウトを担当するのだろう。豪駅伝監督の後に就任するのが例えば鎧坂選手ならば納得がいくのだろうか。
それで根本的な問題が解決する時期はとうに過ぎている。一番手っ取り早く解決する方法があるとするならば「どの選手も指導者も自分ごと」として練習に取り組んでいくしか、方法は無いのだ。
精神論じゃないかって?
そうです。でも、これが一番手っ取り早く解決する方法なんですから。まあ、強くなりたいならですけど。予選会で負けて笑っている部員が一人でもいるうちは無理ですね。それでは。
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