見出し画像

第101回箱根駅伝出場校紹介(13)「山梨学院大学」

前回大会あと数秒で予選敗退の薄氷の通過となった山梨学院。結果は23位とチームとしても惨敗を喫する形で大会を終えることとなった。

今シーズンから前監督の飯島さんがスカウトに、駅伝監督として大崎新監督となりチーム状態も上向きに。名門再建はまだまだ途上だが、勢いに乗りたいところ。


山梨学院大学

1946年に古屋眞一により創立された山梨実践女子高等学院前身。1948年に現在地に移転し、1951年、山梨高等学院を母体に山梨学院短期大学を開学し、1953年には法経科を増設した。1962年に短期大学法経科を4年制大学に改組し山梨学院大学に。

現在は県下最大級といっても良いほどの私立学校として知られ、幼稚園から大学まである学校体系一貫教育を確立させ、現在は研究にも力を入れている。

スポーツも大変盛んな大学で、レスリング・野球・スピードスケート・サッカーと陸上以外にも多くのジャンルのアスリートを輩出しており、特に附属高校である山梨学院高校の野球部も清峰高校にて甲子園優勝へと導いた吉田監督を招聘してからの躍進が著しい。

陸上競技では、三菱重工マラソン部にて現役を続ける井上大仁選手が卒業生として知られる。

今シーズンのチーム成績

全日本大学駅伝予選 10位
箱根駅伝予選会 3位

前年度は全日本大学駅伝の関東予選で16位と低迷し箱根駅伝予選会でも13位と薄氷を踏む形での通過、本戦では23位と散々な結果となった一方で、飯島前監督は下級生を中心として経験者を多く残す形で退任された。

後任となった大崎監督もそこに応えるように、全日本大学駅伝関東予選では敗退するも10位とチーム状態を上げ、箱根駅伝予選会ではエースで留学生のキピエゴくんが活躍を見せた一方でチーム上位の選手たち5名が70位以内をキープ。ここで大きく貯金を作り出し3位に滑り込んだ。

想像以上のジャンプアップとはなったが、決して油断はできないのが箱根路。これまでも本来起用したい選手たちのピーキングを誤ってしまって惨敗に終わったケースもあるだけに、そこだけは十分に注意したいところだ。

監督

大崎悟史

低迷する名門を救うためコーチから昇格。学生時代からの実力もさることながら、NTT西日本時代には同好会格下げの屈辱を味わいながらも実力を磨き続け、フルタイム勤務を続けながらも選手として活動する様は話題となった。

2006年ドーハアジア大会ではマラソン3位、2007年大阪で行われた世界陸上では6位入賞を達成し、北京オリンピック日本代表にも選ばれるものの負傷により欠場の憂き目にあった。2013年に引退後はNTT西日本のコーチに就任し、2016年に退任。
同年から山梨学院大学のコーチに就任し、2024年2月に監督就任。

苦労人としての経験を山梨学院大学に還元することができるか。

「負ける気がしねぇ」プレイヤー

阿部紘也

チーム内2番手となった1年生選手。決してタイムとしては5000メートル14:32.91、10000メートル29:17.92と早くはないものの、劣悪なコンディションの中で1年生ながら全体45位、チーム日本人選手としてトップでゴールしたことは特筆に値する。

高校時代は愛知を代表するランナーだったようで、中部大学第一高校3年時には愛知県高校駅伝で1区を走り区間賞を獲得。重要なレースでの強さを持ち合わせている選手だ。

決してタイムが優れていなくてもレースとなると変貌を遂げる選手は多くいるが、阿部くんがそうした選手になれるかどうか。個人的にはひそかにチェックしつつ楽しみにしたいところだ。

いいなと思ったら応援しよう!