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第101回箱根駅伝出場校紹介(5)「國學院大學」

そろそろ本気で優勝を狙う。前回の箱根駅伝終了後に前田監督がインタビューでそのように答えていたのが印象的でした。その本気度を裏付けるように、今年2月にはエースの平林くんが大阪マラソン優勝。

前回復路では実力ある1年生と2年生を起用したフレッシュな強さも持つ國學院はいよいよ本格的にてっぺんを取りに来ているのかもしれません。


國學院大學

1882年に皇典講究所を母体とする大学で、明治政府の神道政策の一環として古典研究と神職養成の機関として創立。現在も国史や日本の伝統分野において多大なる貢献をしており、1920年に大学として正式に認定された日本の中でも伝統ある大学の一つである。

皇學館大學と並んで、神職の資格を取ることができる大学としても知られ、日本の文化関連におけるイベントも多く催されている。東京都神社庁主催の神職養成講習会も行われていて、狩野英孝さんは2014年に講習を受けている。

角川書店創業者一族である角川源義さんと春樹さんは同校の卒業生であり、10代目松本幸四郎さん、18代目中村勘三郎さんといった歌舞伎役者も在籍していた。

野球部も強豪として知られ、多くのプロ野球選手を輩出している。
「見せましょう、野球の底力を」というスピーチで有名な嶋基宏さんもその一人。

陸上部は皇學館大學の現監督である寺田夏生さんを始めとして、浦野雄平選手と土方英和選手も同校の卒業生として知られ、平林くんは浦野・土方両選手が出雲駅伝を初制覇したレースを見て入学を決意したという。

なお、箱根駅伝に初出場した際の監督・森田桂さんの息子さんは青山学院大学で活躍した森田歩希選手である。

チームの特徴

出雲駅伝 1位
全日本大学駅伝 1位

そもそも平林くんのあそこまでの飛躍的成長を遂げたからには、前田監督に課されたミッションは「優勝」の一択だろう。当然、それだけをできるだけの力はチームにあることは間違いないことは、出雲と全日本をみても十分に証明できる。

しかし、箱根はまるで戦い方が異なるレースとなることは念頭に入れなければならない。前々回と前回、國學院はスタートダッシュで出遅れている。そこから平林くんの2区でリセットするという戦い方を強いられている。

3区にはもう一人のエース・山本歩夢くんが控えているだけに流れを加速させて青学を封じ込めるためにも鍵を握るのは1区だろう。

監督

前田康弘

駒澤大学が箱根駅伝で優勝した時の主将で「大八木イズム」の継承者。
大八木さんの変わりに娘さんの運動会で走ったこともあるとか。

選手の活躍を誰よりも喜び、そして涙を流す一喜一憂が激しい忙しい監督。とはいえ、そんな人間味あふれる一面も愛される要素の一つといえる。
大学卒業後は、現在駒澤大学現監督の藤田敦史さんが所属していた富士通に在籍後家業を継ぐものの、お父様の急逝で事業を畳んだのち、29歳で國學院大學のコーチに就任し2009年に31歳で監督に就任した。
就任後すぐの箱根駅伝でシードを獲得し、2019年の出雲駅伝優勝。
その年のシーズンに行われた箱根駅伝では3位に入賞した。

恩師にあたる大八木弘明総監督との親交も深いが、一方で指導方針は帝京大学の中野孝行監督を参考にしているとのこと。中野監督とは大変親交が深く、マネージャーを交換留学させるほど。

「負ける気がしねぇ」プレイヤー

青木瑠郁

前々回の箱根で1区を担当した彼が1区を任される可能性は極めて高い。当時こそ区間12位だったが、翌年の箱根駅伝では3区区間4位、今年の出雲駅伝では1区で鶴川くんに8秒差で区間3位と大健闘を見せた。

体調が万全であれば山本歩夢くんが3区へと回る可能性は高いだけに、スターターとしての経験と実力を持って、いい位置で平林くんが勝負に徹することができるのか。

青木くんか嘉数くんか。いずれにしても彼らがキーマンを握っていることに疑いようはないだろう。

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